network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.08.17

今年4月~6月の「GDP」 コロナ前の水準を回復
null
ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


『今年4月~6月の「GDP」 コロナ前の水準を回復』


吉田:内閣府が一昨日発表した、今年4月~6月期の『国内総生産(GDP)』の速報値によりますと、物価変動の影響を除いた、実質GDPは、今年1月~3月期に比べて、プラス0.5%でした。このペースが1年間続くと仮定した、年率換算ではプラス2.2%で、3期連続のプラス成長となりました。また、4月~6月の実質GDPの金額は年換算で542兆円。2019年10月~12月期の540兆円を超え、新型コロナウイルス感染拡大前の水準を回復しました。
3期連続のプラス成長となったということなんですが、塚越さん、この理由を教えてください。


塚越さん:まず、『国内総生産(GDP)』を非常に簡単に言うと、国の経済の状況とか経済規模を示すものですね。こちらのGDPの半分以上を占める『個人消費』というものがあるんですが、これが前期比で1.1%増えています。東京では3月下旬に『まん延防止等重点措置』が解除されまして、GWだったり、いろんな休みも3年ぶりに制限がないということで、旅行や外食といった個人消費の機会が増えているということですよね。また、個人消費の中でも衣服などの『半耐久財』は3.9%ほど伸びています。なので、基本的にはコロナが落ち着く、あるいは、そうでなくとも、ウィズコロナを受け入れることで消費が再開していることが今回の伸びている大きな要因かなと思います。他にも、企業の『設備投資』もデジタル化促進のための投資が行われたことで、プラス1.4%。公共事業などの『公共投資』がプラス0.9%。『輸出』も金属製品や鉄鋼などが伸びてプラス0.9%ということなんですが、ただ、資材の高騰などもあって、『住宅投資』は1.9%減っているということで4四半期連続のマイナスになっているということですね。


吉田:4月~6月のGDPの金額はコロナ前の水準を回復しました。これはどうしてなのでしょうか?


塚越さん:先ほど申し上げた様にですね、基本的には、行動制限が全面的に解除されて、これまで制限されたことをしようということで、旅行や外食といったサービス消費が増えたこと、企業の設備投資が増えたということが大きな要因かなというところです。山際経済再生担当大臣も記者会見で、「景気が緩やかに持ち直している」と述べています。ただ、同時にですね、大臣は、「コロナや物価高といった不確定要素もありますので、政府としては万全の態勢をとって、支援を切れ目なく続けることが必要だ」というふうにも述べていますね。


ユージ:この4月~6月のGDP、塚越さんはどのようにご覧になっていますか?


塚越さん:感染が非常に増えているんですけれども、日本社会としては、ウィズコロナを受け入れつつあるということなので、4月~6月期は今と比べるとずいぶん落ち着いていましたけれども、ウィズコロナを受け入れてるということで、成長するということは当然なのかなというふうに思っています。ただ、重要なのはですね、GDPは前期比年率2.2%増ということなんですが、貿易などの条件の変化というものを加味した『実質国内総所得(GDI)』というものがあるんですが、こちらはですね、前期比年率1.2%減となっているんですね。つまり、国内での生産が増えても、輸入とか様々な貿易の関係を調整するとですね、これを踏まえると、実質的に日本の所得が下がっているということなんですよね。この点はよく理解しなければならないということですよね。なので、賃金が増えたとしても、それ以上にモノの価格が上がっているということは、私の生活実感でもありますので、そういう意味で、実質的な生活所得というのはちょっと厳しくなってきているという感じですね。


ユージ:次の四半期、7月~9月のGDPがどうなるかというのも気になりますね。新型コロナウイルスの『第7波』の影響が出てくるのでしょうか?


塚越さん:『第7波』というのが問題になっているわけですが、政府が行動制限をしていないので、これまでのような消費の落ち込みはないのではないかと考えられています。実際、お盆の帰省ラッシュなどもあったので、7月~9月のGDPも増加になると考えられているわけですよね。ただし、これはコロナの回復期にみられる傾向であって、今後どうなるか楽観視はなかなか難しいですよね。特に資源高騰、物価高といった影響、また先ほど述べた、『国内総所得(GDI)』についても引き続き注目する必要があるんじゃないかなと思います。
またですね、「海外と比較すると日本の景気回復は遅い」という指摘もあるんですよね。例えば、アメリカですと、昨年の4月~6月期の段階ですでにコロナ前の水準を超えて回復している。アメリカは去年の段階で回復しているということなんですけれども、先に回復したとしても、なかなか楽観視は難しくてですね、そのアメリカは現在、すごいインフレになっていて、その対策で大幅な利上げをした結果、GDPは前期比年率0.9%マイナスとなっているわけですね。そう考えると、コロナの回復ということもあってですね、一時的に日本で消費も伸びているんですけれども、アメリカなどの事例を見てみても、国内のいろんな条件ももちろんあると思うんですけれども、長期的なスパンで見ると、なかなか先行きは不透明で、GDPが上がったことは良いんですけども、ただし、楽観視はできないということはちょっと覚えておいていただきたいかなと。


ユージ:まさに今、おっしゃっていただいたように、アメリカの例を見ると、急激にGDPが上がるというのは、決して喜ばしいことではないかもしれない。ちょっと様子を見て、段階的に…っていうのも必要なのかなぁ?


塚越さん:そうですね、ちょっと様子を見ながら…ということも考えた方がいいかもしれないですよね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。







過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top