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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.08.10

携帯電話のローミング、実現の課題
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


携帯電話のローミング、実現の課題

吉田:金子総務大臣は今月3日、KDDIの通信障害を受け、通信障害が起きた時に他の携帯電話会社の通信網を利用できる「ローミング」の実現に向けた検討会を立ち上げると表明しました。塚越さん、「ローミング」とは何なのか、改めて教えてください。


塚越さん:ローミングとは、1つの事業者のサービスがエリア外で使えなくなっても、提携している別の業者の回線を使うことで、通話・通信を可能にすることです。KDDIが使えなくなっても、ドコモの回線等を使うというものです。海外旅行をする時に、提携している海外の携帯会社の回線を利用して、電話等を利用したことがある人もいると思います。8月4日には、北陸・東北地方の豪雨の影響で、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社で通信障害が発生し、7月に起きたKDDIの大規模な通信障害もあり、総務省が緊急時のローミングに関する検討会を立ち上げました。


吉田:これまで実現出来ていないのは、どうしてなのでしょうか?


塚越さん:技術的には既に可能の状態です。今の主流の4G、5Gの一つ前の「3G」回線の時は、KDDIの通信方式が他の2社と異なる方式だった為、難しかったです。しかし、現在では通信方法が統一されているので、ローミングをやろうと思えば出来ますが、実際にはいくつかの壁があります。


ユージ:その「いくつかの壁」というのは、何なのでしょうか?


塚越さん:まずは業者間のルール作りです。ローミングする為の設備を整え、投資等だけでなく緊急時のローミングをどの範囲まで可能にするかを決める必要があります。例えば、KDDIであれば4000万件近い契約があります。一気にドコモやソフトバンクにローミングしてしまえば回線がパンクし、最悪主要3社のすべての回線が使えなくなる可能性があるので、金銭面でのルール作りも必要です。他にも、通信障害が生じている時にローミングするには、最低限の情報をローミング先の企業に提供する必要がありますが、障害の度合いによってはそうした情報のやりとりが出来ず、結局ローミングが出来ない可能性もあります。実際、7月のKDDIの大規模な障害の時にローミング機能があったとしても、実際は使えなかったのではないか、という指摘もあります。ならば、ひとまず110番や119番といった緊急通報だけでも出来るのではないか?と先月、議論になりました。実際、現在のスマホにはSIMカードを入れなくても、つまり電話番号がなくても、緊急通報出来る機能はあります。ただ、海外では使われるところもありますが、日本では法律の問題があって出来ません。簡単に言えば、通報した人に警察等からコールバック、呼び返しが出来なければならないといった決まりがありますが、電話番号がないとそれが出来ない為、日本では今のところ使用出来ません。


ユージ:「ローミング」の実現について、塚越さんはどのように思われますか?


塚越さん:ざっと説明しただけでも、事実的には可能ですが、かなり課題があることが分かります。法律や企業間の細かい調整が必要になるので、簡単には出来ませんが、緊急通報あたりだけでも今後の検討会でなんとかしてほしいところです。加えて、通信システムはどんどん複雑になっているだけでなく、旧来のシステムも維持されるなど様々に混在しているので、今後も大規模障害は生じると思います。さらに、昨今は猛暑で冷房が故障し、それが設備故障となって通信障害に繋がることもあります。特にデータサーバー等になります。情報社会は設備の点検・保守、そして「暑さ対策」も重要になってくると思います。


ユージ:人だけじゃないってことですね。皆さん、暑さ対策もしっかりしていきましょう。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。







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