22.08.02
夏の甲子園、高野連が2部制を検討へ

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『夏の甲子園、高野連が2部制を検討へ』
吉田:『日本高野連』は先月27日、『夏の甲子園』について、将来的に、朝と夕方の2部制を含む、新しい暑さ対策について検討を始めると発表しました。選手、観客の熱中症対策として、甲子園球場のみで1日4試合を実施する現行の方式について問題点を整理し、議論を進めるということです。『夏の甲子園』は8月6日、今週の土曜日に開幕します。
神庭さん、さすがにこの暑さで高野連も話し合いを始めるということですね。
神庭さん:『夏の甲子園』を主催する『朝日新聞』によると、同社の高校野球総合センター長さんはこんなふうに説明しています。「暑さ対策をしっかりしていかなければいけない。選手にとっても、観客にとっても安全面が最優先。これまでも、休養日を増やすなどしてきたが、さらに考えないといけない」、「暑い時間に試合をしないということ。どう進めるか、何を課題とするかについてはこれから議論をスタートしていく」ということなんですね。温暖化もあって、年々、夏の暑さがキツくなってきています。炎天下で激しく運動する球児たちはもちろんなんですけれども、応援団とかブラスバンドの生徒、観客たちも熱中症リスクを抱えてますよね。まだ検討段階で、導入されるとしても、早くて来年の大会以降になると思いますが、懸命な判断なんじゃないかなというふうに思います。
ユージ:そうですね。暑いのはここ数年同じですし、例えばですけど、今年からじゃダメだったんですか?
神庭さん:気持ちはわかるんですけれども、検討すべき課題は山積みなんですよね。しかも、すでにもうチケットは販売しちゃっていると。
ユージ:なるほど。
神庭さん:なので、今年からいきなりというのはさすがに難しいかなと思っていて、まずは、「試合日程をどう組む?」という話があります。ナイターの翌日、朝の試合が組まれたら、その学校はめちゃくちゃ過酷なことになりますよね。なので、公平な組み合わせが必要になってきます。あとは、現状、多くて1日4試合やってますけれども、1日の試合数を減らしたら、それだけ大会期間も延びちゃうわけですよね。大会には全国各地から球児だけではなく、保護者、応援団が詰めかけます。ごく一部、高野連から補助も出るんですけれども、宿泊費とか滞在費は期間が延びた分かさむことになってしまいます。
また、少し古い記事になるんですけれども、スポーツメディア『VICTORY』の《日本高野連が甲子園を“タダ”で借りられるワケ》という2019年の記事によると、『阪神甲子園球場』を所有する『阪神電鉄』は、使用料を受け取ってないそうなんですよね。野球界の振興のためということで非常に立派な心掛けだと思うんですけれども、善意に甘えるかたちで大会期間を延長すれば、その分、しわ寄せがいくことになるということなんですよね。
吉田:その他に、課題として考えられることは何でしょうか?
神庭さん:課題というか、検討項目としては、朝の部と夕方の部で完全入れ替え制にするのか、ロックフェスのように通し券で売って、リストバンドやら二次元コードやらで出入りを管理するのかというのが一つの注目点かなと思います。完全入れ替え制にした場合、単純計算でチケット収入は倍になりますよね。福山雅治さんが土曜日のラジオ番組でおっしゃっていたんですけど、収入が増えるぶん「大会の運営とか、いろんなところに還元できるシステムが出来るといいですね」というふうにお話されていて、いいアイディアだなと思いました。球児たちとか、球界の未来に繋がるかたちで投資してほしいですけれども、それこそ、期間が延長される分の球場使用料に充てるのもアリかもしれないですね。
吉田:『夏の甲子園』だけではなく、「そもそも、真夏にスポーツ大会を開くのはどうか?」という意見もありますよね。
神庭さん:もちろんそうですよね、その中でも、特にシンボリックということで『甲子園』にフォーカスが当たっているのかなと思うんですけれども、この問題を突き詰めていくと、究極的には、「真夏の開催をやめる」か「甲子園での開催をやめる」という2択に行き着くんですよね。長嶋一茂さんはテレビ番組で、『大阪ドーム』や『札幌ドーム』、『福岡ドーム』などの名前をあげたうえで「全国大会なんで日本のどこでやってもいい」というふうに話していました。それは確かに正論なんですけれども、伝統とか文化って正論だけでは割り切れない部分もあるわけじゃないですか。“高校ラグビーなら花園”、“サッカーなら国立競技場”ということで、“野球なら甲子園”がスポーツの聖地ですよね。球児が泣きながら土を持ち帰るとか、やっぱり、その場所に固着したドラマとか思い出があるわけです。なので、『場所』と『季節』のどちらか一方を捨てなきゃいけないとすると、やっぱり、季節を秋など涼しい時期に変えて、場所は甲子園を優先する方が良いんじゃないかなというふうに思うんですけれどもね。ただ、その場合は、プロ野球などとの調整が必要になるかなと思います。
ユージ:そうですね、スケジュールがありますからね。甲子園には、長い伝統があるだけに、変えるには一筋縄ではいかないということなんですけれども、選手たちも、そのために頑張っているし、土を持って帰りたいとかという思いもあったりとかしますからね。
神庭さん:何よりも『球児ファースト』で考えてほしいなと思います。熱中症以外にも、過密な日程で投球数が増えて、肩や肘を痛めてしまうという問題があって、海外メディアからは「選手への虐待じゃないのか?」と報じられたこともあるんですね。高野連もですね、改革に取り組んではきているんですけれども、まだまだ不十分な部分もあると。氏原英明さんの『甲子園という病』という本があって、非常に面白いんですが、この中にですね、肩の痛みで途中降板した選手のインタビューが載っていまして、その選手は「甲子園が魅力的過ぎるんです」と語っているんですよね。甲子園という特別な場所で、選手たちはどうしても無理をしてしまうし、全力以上を出し切って、消耗して、場合によっては選手生命を縮めてしまうこともあると。やっぱり、そこで無理をさせないような仕組み、環境を用意してあげることが大人の責任だと思っていて、「球界を背負って立つスターだ!」とか「200球の熱投だ!!」とかですね、メディアに祭り上げられた結果、潰れていってしまう選手も少なくないんです。歴史とかドラマとか感動とか、いち高校生に対して、私たち大人があまりにも多くのものを背負わせてしまっているので、あくまでも“高校生のスポーツの全国大会”であるということで、球児ファーストの原則に立ち返っていただきたいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 2, 2022
「夏の甲子園、高野連が2部制を検討へ」
なぜ、2部制を検討しているかというと、「暑さ」です。
スポーツをしていなくても危険な暑さの中、#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 2, 2022
試合をすることが危険なので2部制を検討ということです。
屋根のあるドームにしたらどうかという意見もありましたが、
そうすると「甲子園」という伝統が途絶えてしまう。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 2, 2022
また、秋頃に開催という意見もありますがスケジュールの兼ね合いで難しかったりするので、
一番暑い時間帯を避ける2部制が一番しっくりくると思いました。#ワンモ