22.08.01
逼迫する医療現場とその対策
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
逼迫する医療現場とその対策
吉田:感染拡大と医療現場逼迫のニュースが連日報道されていますが、いま、全国の1日当たりの新規感染者数は、第6波を迎えた去年冬のピーク時の2倍を超えています。そんななか、政府は先週金曜日、BA.5による感染急拡大を抑えるため「BA.5対策強化宣言」を新たに設けると発表しました。
神庭さん:きのう日曜日の新規感染者数は、東京都内で3万1541人で、前週より3429人増えました。全国は19万7792人で5日ぶりに20万人を下回ったものの、日曜としては過去最多となっています。依然として高水準ではありますが、倍々ゲームで増えていた頃に比べると少し勢いが落ち着いてきたように見えます。子どもたちが夏休みに入ったことで、児童・生徒間の接触は減っていますので、その効果が出て早く減少に転じてくれるといいな、と思います。
吉田:そんななか、金曜日に出された「BA.5対策強化宣言」ですが、改めてこれはどんな内容なのか教えてください。
神庭さん:緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置は政府が主体になって発出しますが、「BA.5対策強化宣言」は各都道府県が独自に出す新しい仕組みになります。病床使用率50%を目安として、都道府県が高齢者や基礎疾患を持つ人、その家族らに外出自粛を呼びかけることができるようになります。このほか、リモートワークの推進や大規模イベント前の検査などが想定されています。緊急事態宣言や蔓延防止措置のように、飲食店に対する時短や休業といった措置はありません。罰則もありません。
ユージ:すでに宣言を出すことを決めた自治体もありますよね。
神庭さん:病床使用率46.3%の宮城県は、近く強化宣言を出す予定です。病床使用率が93%と深刻な沖縄は、先月23日の段階で独自の「医療非常事態宣言」というのを出しています。使用率56%の大阪も、先月27日に「医療非常事態宣言」を出しているんですね。これから強化宣言を出す自治体もあるでしょうし、すでに先行している自治体の取り組みを、「国が追認する」「お墨付きを与える」という意味合いもありそうですね。
ユージ:神庭さんは、この宣言の効果はあると思いますか?
神庭さん:いまは主に若い人たちの間で流行が拡大していることと、すでに高齢者は3回目接種の比率も9割を超えているんですよね。また、持病がある人は、行政に何か言われるまでもなく、すでに行動を自粛している人も少なくないと思うんです。そう考えると、感染予防の観点からいえば、高齢者や基礎疾患のある人に外出を呼びかける効果はそこまで高くないのでは、と思います。ただ「BA.5対策強化宣言なんて、何だか物々しい宣言が出ているぞ。ちょっと気を付けようかな」というアナウンス効果は、世代を問わず出てくるかもしれませんね。
吉田:連日医療現場が大変だというニュースが報道されていますが、BA.5対策強化宣言以外に、政府は現在どんな対策をとっているんでしょうか?
神庭さん:発熱外来や自治体の窓口、薬局などで抗原検査キットを無料で配る方針を打ち出しています。不安にかられて、多くの無症状の人まで検査を受け始めた時に、かえって病院が逼迫しないか、というのがちょっと心配なんですけれど。そもそもの問題というのが、「新型コロナ陽性だったら会社を休んでもいいけれど、そうじゃないなら会社に来て仕事をしろ」という会社が、残念ながらまだまだ多数あって、社員の方はたとえ風邪と区別がつかないような軽症だとしても「陽性証明」を得るために検査を受けざるを得ない、という実情があるんですよね。本来的には「コロナであれ、なんであれ、調子が悪かったら大事をとって家で休みましょう」という環境を整えることが大事なのであって、検査キットを無償配布することで、逆に「陽性証明」を強制するような風潮を後押ししないか、というのは気がかりですね。現在、解熱鎮痛剤に出荷調整がかかっていて、政府は買い占めをしないように呼びかけているんですが、検査キットよりも、必要な人に解熱剤を無償配布する方がいいのでは?と僕は思うんですけれど、もちろん副作用などについても、きちんと伝える必要はあると思います。
吉田:ほかには、何かありますか?
神庭さん:今回の第7波には間に合わなかったんですが、政府は第7波が収束したあとに、感染症法の分類を「2類相当」から見直して、感染者の全数報告をやめる方向で検討している、と報じられています。保健所や医療機関の負担や逼迫度合いを考えれば、全数把握でなく、季節性インフルと同じようなサンプル調査に切り替えるのは、現実的な判断じゃないかと思います。
ユージ:今の状況を受けて、私たちはどういうことに気をつけていけばいいと思いますか。
神庭さん:誤解してはいけないのは、「行動制限をかけない」のは「何もしなくていいよ」ということではないんですよね。手洗いや換気、3密状態でのマスクなどはこれまで通り続けた方がいいですし、高齢者の4回目、それ以外の大人の3回目、子どもの2回目のワクチンがまだの人で、打てる人は打っておいた方がいいんじゃないかな、と思います。
「緊急事態宣言」と「平時」の間にはいくつもグラデーションがあって、100かゼロかという話ではなく、目盛を細かく刻めるなら「今回は58でお願いします」みたいな、そういうことだと思うんですよね。「行動制限なし」を強調しすぎた結果、「ゼロでいいんですね」と受け止められてしまったきらいがあるので、新たに「BA.5対策強化宣言」という仕組みを打ち出したのかな、と思います。
今回、症状は軽症だ、と言われがちですが、ワクチン接種をした人でも、唾を飲み込むのが辛いほど喉が痛くなったり、後遺症に苦しんでいる方も大勢いらっしゃいますから、かからないに越したことはないと思いますので、いま一度気を配っていただけたらな、と思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 1, 2022
テーマは「逼迫する医療現場とその対策」
今、全国の1日当たり新規感染者数は、第6波を迎えた去年冬のピークの2倍を超えています。
僕は、この数字をみて不安になることで、すぐに検査に行こうと判断するのはいけないと思っています。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 1, 2022
まずは日本での今の感染者数をどのように捉えるか。
もちろんコロナ感染者による医療現場の逼迫はあります。
しかし、この数字だけを見て不安に思った多くの人が、無症状にも関わらず検査に押しかけたら…
それが原因で、医療現場の逼迫につながることもあります。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 1, 2022
つらい症状の際には迷わず病院に行くべきです。
ただ、不安になってもまずは様子をみることが大事です。
“不安だから念の為”ですぐに検査ではなく、自分の体の声に耳を傾けて、本当に検査が必要なのかを判断する。それが医療現場逼迫の緩和につながるポイントなのかもしれません。#ワンモ