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22.07.28

ローカル鉄道、見直しの新ルール
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


『ローカル鉄道、見直しの新ルール』


吉田:国土交通省の有識者会議が25日、赤字が続くJR各社のローカル線のあり方について提言をまとめました。国の会議が見直しの具体的な条件を示すのは、国鉄民営化後では初めてのことです。条件を満たすローカル線において、鉄道を廃止しバスに転換するところも出てくる可能性があります。


ユージ:塚越さん、ローカル線の見直しの条件とは、どういう内容なんでしょうか?


塚越さん:1キロメートルあたりの1日の平均利用者数を『輸送密度』と呼びます。これが平時に1000人未満の区間、路線全体ではなく特定の区間で1000人未満のところが見直しの対象にというふうになります。対象となった区間は、廃線が前提ではないんですけれども、バスだったり高速バスへの転換を検討、あるいは、存続する場合でも、観光バスなどのテコ入れ策を考えるとかで、遅くとも3年以内に結論を出しましょうということになっているわけですね。現在、JRは、61路線・100区間が輸送密度1000人未満ということで見直し対象になっているんですけれども、ただ、隣接駅間で1時間あたり乗客が500人以上、つまり、『通勤』とか『通学』の利用者がその時間使っている人が多いところ、あるいは、主要な『特急』や『貨物列車』が走る路線は対象外なので、実際に対象となるのはもっと少なくなると考えられています。


ユージ:なるほど、1000人未満だけど学生さんとか需要が多いところは除外になるということですね。でも、赤字が続くのは、なんでなんですか?


塚越さん:一昔前に比べて、マイカーが普及してますし、地方は過疎化ということが問題になってますし、日本全体の人口もなかなか増えないということで、もともと、都市部のドル箱路線で稼いで、ローカル線の赤字を補填していたんですね。けれども、コロナで都市部もダメージがありますよね。新幹線やJR以外も含めた、今年4月の鉄道の全国乗客数がおよそ17億人、1ヶ月で17億人とすごい数なんですけれども、2019年の4月に比べると2割減っているということで、やっぱり、コロナの影響があるということで、リモートワークや人口減少を考えると、以前の水準に戻るとはちょっと考えられないというところなんですよね。


ユージ:今回のこの見直しについて、反発はないのでしょうか?


塚越さん:自治体の方、そこに住まわれている方たちは、やっぱり、反発していて、JRも配慮はしているんですね。例えば、近年、JR西日本は、輸送密度2000人未満を目安に不採算路線として公表しているんですね。本来なら今回の1000人未満よりもっと多い数で見直しして、バス転換などをしたいんですけど、自治体の反発に配慮しているんじゃないかなということが考えられます。


ユージ::輸送密度1000人未満のローカル線って例えばどんなところがあるんですか?


塚越さん:いろいろあって、区間が一番多いのはJR東日本なんですけれども、一例をあげると、JR東日本の中央本線、長野県の『辰野~塩尻』間、こちらが547人。あとは、JR西日本の芸備線、広島県の『東城~備後落合』間で、こちらは11人ということになっていて、なかなか非常に厳しいのかなというふうに言えますね。


ユージ:こういった路線が、例えばバスに転換するかもしれないということなんですけど、メリット・デメリットで言うと、どういったことがあげられますか?


塚越さん:メリットは、バスは電車に比べて運行コストが非常に安い、1/6から最大1/13くらい安くなっていまして、駅の設置やメンテナンスも楽ですし、増便なども簡単ということなんですね。デメリットはですね、電車に比べて時間がかかること。電車は駅まで真っすぐですけど、バスは実際の道なのでそうではなかったり、いろいろ大変だったりします。実際、宮城県の気仙沼では、3.11の影響で場所によっては高速バスが走っています。また、2017年の九州北部豪雨で動かなくなった区間も来年の夏にバスが運行するということで、柔軟な対応はしているんですけれども、これもいわゆる“選択肢がなかったから”ということなので、やっぱり、電車を望む声は地元の方からは大きいということなんですよね。


ユージ:となるとね、今後どういった話し合いを進めていくべきだと思いますか?


塚越さん:やっぱりですね、先ほど、話ししたように、住民の方の願いはわかるんですけど、実情は難しいというところです。例えば、国交省は、鉄道の設備を自治体が保有することにして、運行はJRが行う『上下分離方式』を検討しているので、こういったやり方もひとつ考えられます。なんですけど、いずれにせよ、今後、既存の大手企業に頼れなくなるケースも多いので、電車にするにしても、バスにするにしてもですね、自分たち自治体で、より効率的な利用方法、例えば、バスだったら、バスで何か貨物にするとかで儲けるとか、どこかで儲けて、その分で電車を動かすとかですね、なんとも言いづらいんですけど、自分たちで頑張っていく、何か作っていく方法を考えていかないと、なかなか厳しいかなと思いますね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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