22.07.26
米欧は利上げ。日銀の黒田総裁は利上げを強く否定。なぜ?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『米欧の中央銀行は利上げ。一方、日銀の黒田総裁は利上げを強く否定。なぜ?』
吉田:『ヨーロッパ中央銀行(ECB)』は今月21日、理事会を開き、インフレを抑えるため、2011年7月以来、11年ぶりとなる利上げを決めました。また、アメリカの中央銀行にあたる、『連邦準備制度理事会(FRB)』は今週、0.75%の利上げを決める見通しです。一方、『日本銀行』は、先週の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めました。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で「金利を引き上げるつもりは全くない」と話し、 金融政策の変更の可能性を否定しました。これによって、日本とアメリカ・ヨーロッパの金融政策の違いが一段と鮮明となっています。
ユージ:神庭さん、そもそもの話になっちゃうんですけど、この『金利』と『利上げ』って、何なんでしょうか?
神庭さん:『景気の調整弁』と考えてもらったらよくて、金利を下げると水道の蛇口を開けたようにマーケットへマネーがジャブジャブ流れて、株価や物価も上がりやすくなります。逆に、景気が過熱してくると、過度な物価高とかインフレを抑えこむために金利を引き上げて蛇口を閉めないといけない。これが利上げですね。各国の中央銀行は、蛇口を開いたり閉じたりして、調整しているわけですけれども、コロナ禍では、経済を失速させないように、世界各国が『ゼロ金利』、『マイナス金利』で金融緩和を続けてきましたが、欧米はここのところ、インフレ退治のために金利の引き上げに踏み出したということですね。一方で、日本はアベノミクス以降、物価が低迷するデフレを脱却するために異次元の金融緩和を続けていまして、物価が上昇してきた今もそのスタンスを変えていないんですね。
ユージ:その金利を日銀が上げられない理由は何なのでしょうか?
神庭さん:できない理由というのが大きく3つあります。1つ目は、『景気が悪化する』ということで、アメリカは、とっくにコロナ前の水準まで景気が回復しているんですけれども、日本は、経済再開の遅れもあって、まだまだ回復したとは言い難い状況。ここで金利を上げて、マネーの供給を絞ると“景気が腰折れしてしまうリスク”があるんですね。バブル絶頂期に金利を急激に引き上げた日銀の三重野康総裁は「平成の鬼平」と呼ばれて、当時は喝采されたんですね。ですけれども、その後にバブルが崩壊すると日本経済低迷の戦犯として批判を浴びました。金利が上がれば住宅ローン金利も上がりますから、家計に余裕がなくなって消費も落ち込みますし、企業は今、超低金利での資金調達に慣れきってますけれども、金利上昇で利払いコストが増すと収益が悪化して株価も下がってしまうことになります。黒田さんはおそらく、「令和の鬼平」にはなりたくないんでしょうね。
吉田:日銀が金利を上げられない理由、2つ目は何でしょう?
神庭さん:今、企業の借入の話をしましたけれども、より深刻なのは、『国の借金の利払い』の方なんです。昨年末時点で、政府の国債残高は991兆円。《なぜ日銀は動けないのか 緩和9年の重いツケ もし利上げに動いたら》という朝日新聞の記事によると、金利がたった1%上がるだけで2025年度の元利払いは、想定より3兆7千億円も膨らんでしまうんですね。この記事では「利上げをすれば、財政が破綻してしまうおそれがある」という政府関係者の声も紹介しています。
吉田:3つ目の理由は何でしょうか?
神庭さん:これは僕は、外れていてほしいと思っていますけれども、ひょっとして黒田総裁とか日銀の『メンツ』もあるのではないかと思っていまして、日銀は、国債を無制限に買い入れて金利を低く抑えつける政策を続けてますけれども、海外の機関投資家、ヘッジファンドは、日銀のこうした緩和路線が、「もはや持続可能ではないんじゃないか?」とみていて、日本国債を売り浴びせてきているんですね。それに対して日銀は、海外勢の売りに対抗するかたちで一生懸命、国債を買い支えています。6月の日銀の長期国債の購入額は16兆円を超えました。月単位で見ると過去最大の数字なんですね。今回の「金利を引き上げるつもりは全くない」という発言もそうなんですけど、黒田総裁は、非常に強気な発言を繰り返しています。 ヘッジファンドなんぞに負けてなるものか!アベノミクス以来の金融緩和をメンツにかけても続けるんだ!という意地と執念というか、少し意固地になっているようも感じるんですね。
ユージ:アメリカ・ヨーロッパが利上げをしているじゃないですか?その中で、日本がしない理由は何なんですか?それとも、したほうがいいんですか?
神庭さん:できない理由としてはさっき申し上げた通り、景気が腰折れしてしまうというのがあるんですけれども、物価高とか円安で国民の家計へのダメージが深まってきてますから、今後、世論の日銀批判はますます高まってくる可能性が高いんですね。そうなると、そういった世論の声に押されるかたちで、どこかのタイミングで今の路線の修正を迫られる可能性はあります。ただ、アメリカとかヨーロッパの真似をどんどんすればいいじゃないか!というのは、ちょっと雑な議論で、欧米というのは、物価の上昇率が今、9%前後なんですけれども、日本も物価が上がってきてるといっても、まだ2%台なんですね。もちろん、これからさらに上がっていくとは思うんですけれども、つまり、利上げでバラ色の未来が約束されるわけでは全然なくて、ある意味、進むも地獄、とどまるも地獄みたいなかたちなので、その地獄を少しでもソフトな地獄でおさめるためにも、日銀の柔軟な舵取り、金融政策をしていかなければならないと…。だから、超低金利を低金利にするとか、異次元の金融緩和を3次元くらいにしてみるとかですね、そういう微修正というのが大事なのかなと思いますね。
ユージ:そうですよね、アメリカが上がっていても、中身をしっかり見ていくと違う部分もありますからね。そういうことは大事かなと僕も思いました。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 26, 2022
「米欧の中央銀行は利上げ。
一方、日銀の黒田総裁は利上げを強く否定。なぜ?」
正直に言って僕は金利の話、詳しくありません。
僕の知っている金利は、景気を調整する蛇口のような役割ということです。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 26, 2022
米欧が金利を上げているので、
日本も上げませんか?という話もあります。
ですが、黒田総裁は低金利を維持しますと言っている状況です。
アメリカは消費者物価指数の上昇が9%、日本はまだ2%
掘り下げると米欧と違う部分があり過ぎるので、#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 26, 2022
何でもかんでも米欧についていく必要は無いんじゃないかなと思います。
日本の物価も上がってはいるが、賃金が上がっていないので、
この状況で金利を上げても経済は回らないと思いました。
なので、低金利を維持ということは賛成です。
#ワンモ