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25.09.16

意識調査を実施、どうなる柏崎刈羽原発の再稼働
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「意識調査を実施、どうなる柏崎刈羽原発の再稼働」

吉田:新潟県は3日から、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に関する県民の意識調査を始めました。県内30市町村に住む18歳以上の1万2,000人を無作為に抽出し、回答率50%を目指すということです。神庭さん、今回の調査の目的を教えてください。


神庭さん:花角英世知事が、原発の再稼働の是非を判断するために、県民の意見を把握する狙いがあります。朝日新聞によると設問は11項目あり、原発の必要性や再稼働への考え方、東京電力による安全・防災対策に対する評価などを尋ねる内容になっています。柏崎刈羽原発の総出力は、約821万kWで世界最大級の規模があります。今回の調査結果は、国のエネルギー政策の根幹にかかわるものとして全国的に注目されています。


吉田:政府や東京電力が再稼働を急ぐ背景にはどんなことがあるのでしょうか?


神庭さん:電力の安定供給と、東京電力の経営問題が大きな2つの理由としてあります。2011年の東日本大震災の後、原発は順次停止し、日本は火力発電への依存度を高めてきたのですが、最近は老朽化で廃止される火力発電所も増えています。電力が逼迫して夏や冬に節電要請が出されるケースもありました。安定的に電力を供給するために一刻も早く再稼働したい、というのが政府のスタンスです。また東京電力は福島第一原発の廃炉費用が想定以上に膨らんでいます。日経新聞によると、政府の当初試算では8兆円で収まるはずだったのですが、事故で溶け落ちたデブリ(溶融燃料)の回収に多額の費用がかかり、8兆円を超えることが避けられない見通しになっています。来年3月期もフリーキャッシュフローが8期連続の赤字になると予想されており、東電としても収益力アップのために柏崎刈羽の再稼働を急ぎたいのが本音じゃないかなと思います。


ユージ:柏崎刈羽原発では、過去にどんなトラブルが起きているのでしょうか?


神庭さん:原発のテロ対策に関わる深刻なトラブルがいくつも明らかになっています。2020年には社員の1人が別の社員のIDカードを無断で持ち出し、中央制御室まで侵入する事案が起きています。読売新聞によると、さらに翌年、不正な侵入者を検知するための複数のテロ対策の設備が機能していない、という事案も発覚しました。この時は、経済産業大臣が「このままでは再稼働できる段階にはない」と強い言葉で批判し、原子力規制委員会が事実上の運転禁止命令を出す事態にもなりました。つい最近も6号機の方で、原子炉のブレーキ役である制御棒が引き抜けなくなるトラブルが発生しました。一連のトラブルを経て原発の保安体制はどの程度強化されたのか?本当に安全なのか?今回の県民調査では、そういった厳しい視線も注がれることになると思います。


吉田:ところで、原子力規制委員会は10日、原発事故が起きた際の住民の避難や国の対応などを定めた「原子力災害対策指針」を改正しました。どんな風に変わるのでしょうか?


神庭さん:もともと国の指針では、原発から5キロ圏内の住民はすぐに避難する、5〜30キロ圏内なら自宅や近くの避難所に「屋内退避」すると決められていました。ただし、一体いつまで屋内退避を続ければいいのか?どんな条件で解除されるのか?といったことが不明確でした。そこで今回、この部分が捕捉されました。原子力産業新聞によれば、こんな内容が新たに盛り込まれました。1つ目は、屋内退避の継続は実施後3日目を目安に国が判断する。2つ目は、放射性物質の放出がないなど発電所の状態次第では、屋内退避期間中の外出も許可される。3つ目は、放射性物質を含む空気のかたまりが周囲に留まらない場合には退避を解除できる。こういったことが新たに盛り込まれました。


ユージ:改正しても、課題はまだ残っていますよね?


神庭さん:そうですね。単体で原発事故が起きるだけじゃなく、地震や津波などの複合災害に見舞われた場合の対応です。例えば、地震で自宅が倒壊してしまった時に屋内退避と言われてもどこの屋内に避難すればいいのか。生活道路が寸断されてしまった場合に無事に避難できるのかというところです。3日経って屋内退避が継続された時にどうやって食料を確保するのか。具体的にシミュレーションしてみると、色々課題も多いなという感じです。


吉田:原発の再稼働、神庭さんはどう見ていますか?


神庭さん:原発は安上がりだと言われますが、実際には廃炉費用や核のゴミ処分費用など後々までコストがかかってきます。ゴミを捨てる場所がないので「トイレのないマンション」とも言われます。一方で火力発電はCO2が増え、液化天然ガスなど資源高の影響が大きいです。化石燃料にアンモニアを混ぜて燃やす「アンモニア混焼」も注目されていますが、コスト高が指摘されています。一方で、自然エネルギーのメガソーラーにも土砂災害を懸念する声があります。風力はいい風頼み、地熱は時間が経つと蒸気が減って発電量が落ちるといった課題もあります。どの発電方法も一長一短あるわけです。ですから、いいことばかりを言い立てるのではなく、メリットもデメリットも全部テーブルに乗せて、タブーなく議論して電源のベストミックスを探るべきじゃないかなと思います。核融合発電は「永遠に30年後の技術」と揶揄されることがありますが、そういった次世代のエネルギー技術というものにも期待していきたいなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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