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25.09.15

『不登校離職』保護者が直面する課題とは?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


【『不登校離職』保護者が直面する課題とは?】

吉田:夏休み明けのこの時期は、不登校の子どもが増えやすいと言われています。年々、不登校児が増加するなか保護者側が退職や休職を余儀なくされる「不登校離職」も問題化しています。そこで、不登校離職の現状と課題について神庭さんと一緒に考えます。まずは、不登校がどのくらい増えているのか、教えてください。


神庭さん:文科省の調査によると、2023年度の小中学生の不登校は約34万6,000人で前年度から4万7,000人増加しました。11年連続で増えていまして、過去最多となっています。高校も同じく過去最多の6万8,000人超です。割合にすると、小中学生の3.72%。27人に1人ですから、大体1クラスに1人は不登校の子がいるということです。誰もが当事者になり得る身近な問題じゃないかなと思います。


ユージ:保護者の「不登校離職」は、結構多いですか?


神庭さん:結構、多いです。NPO法人キーデザインの調査によれば、子どもの不登校によって17.6%の保護者が退職を余儀なくされました。休職した人は7.2%。複数回答のアンケートなので重複もあるかもしれないですが、単純計算で足し合わせると不登校児の保護者の4人に1人から、5人に1人が不登校離職に追い込まれた、ということになります。離職に至らないまでも、「早退・遅刻・欠勤が増えた」は37.5%、「雇用形態を変えた」17.1%と保護者の仕事に大きな影響が出ていることが分かります。経済面へのダメージも深刻で、「収入が減った」という回答は37.8%、収入がゼロかほぼゼロに落ち込んだ人も1.9%いました。このうち、月収が8万円以上減った家庭が35.8%を占めたということです。


吉田:保護者が退職を選んだ理由はどういうところでしょうか?


神庭さん:キーデザインのアンケートでは、「子どものサポートに集中するため」「子どもを一人で家にいさせる不安から」「親自身のメンタルが不安定になったから」「会社に迷惑をかけたくなかったから」といった答えが多くを占めました。またFNNは、不登校離職を経験した女性のこんな声を紹介しています。「いつ電話がかかってくるか分からない。だから出勤できても、すぐ迎えにいかないといけない。私が仕事に行けなくなると、(息子は)『自分のせいでごめん』となるし、『そんなふうに思わせてごめん』となって、お互い『ごめん』『ごめん』という感じなのが、一番しんどかった」と言っています。


ユージ:親御さんは、なかなか辛いかなと思いますが、サポートする動きはないのでしょうか?


神庭さん:会社単位では、支援の動きがありまして共同印刷は一昨年、「ライフサポート休業制度」を創設しました。子どもが不登校になった場合に、最長2年間の休業か、最長3年間の時短勤務を選べるようにしました。休業の場合、無給にはなりますが、退職以外の選択肢があるということは社員からすると非常にありがたいということです。バンダイナムコグループでも子どもの不登校などの際に、30日の休暇取得、または時短・フレックス勤務ができるということです。両社とも社員に優しくて非常に良い会社だなと思いますが、単なるイメージアップ策というわけではなくて、企業にとっても優秀な人材の退職を防ぐという意味で大きなメリットがあるんじゃないかなと思います。


ユージ:不登校離職、保護者への支援の課題は何かありますか?


神庭さん:日本の育児支援は行政も企業も乳幼児から小学3年生くらいまでは手厚いですが、そこでプツリと途切れてしまってエアポケットのようになっています。パーソル総合研究所の砂川和泉さんはこんな風に指摘しています。《不登校は小学校4年生から顕著に増加し、中学進学のタイミングで急増する傾向がある。この段階で不登校の問題が深刻化し、親による対応の重要性が増す》《既存の制度では十分にカバーされていない小学校4年生以降こそ、支援の必要性が高まる局面なのである》ということです。それでいうと、先ほどの共同印刷の取り組みは、まさにエアポケットを埋める育児支援の好例と言えるんじゃないかなといえます。


ユージ:不登校離職、神庭さんはどう考えていますか?


神庭さん:不登校児の保護者の4人に1人から5人に1人が直面しているということは、非常に大きな社会問題だと思います。先日、この番組でも「夏休み明けに不登校や行き渋りが増えるが決して無理をさせないで」とお伝えしました。それ自体は間違ったメッセージとは思っていないですが、その先には当然、子どもの面倒を見なければいけない親がいるわけですから、不登校離職の問題に対して想像力が足りていなかったなと反省しました。「親は引きずってでも子どもを学校に行かせなければいけない」「不登校は恥だ」みたいな間違った固定観念が保護者や子どもを孤立させ、支援につながりにくくさせていると思います。先ほど紹介したような先進的な企業の事例は素晴らしいですが、企業任せではなく、国や自治体が率先してエアポケットを埋める、切れ目のない育児支援を展開していくことが大切だと思います。フリースクールのような学校以外の居場所や、親が悩みを吐き出せる相談窓口、支援団体に適切に繋がれるように、国や行政が情報発信や支援を充実させる必要があります。不登校児の保護者も場合によっては介護休業を取得できる可能性があるので、会社や労働局の窓口などに相談してみていただきたいなと思います。


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