25.08.25
国内初の円建てステーブルコインJPYC発行へ

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「国内初の円建てステーブルコインJPYC発行へ」
吉田:電子決済ベンチャーのJPYCが、日本円に連動するステーブルコイン「JPYC」を発行すると発表しました。早ければ9月にも発行を始める見通しで、実現すれば国内初となります。そこで、ステーブルコインとは、いったい何なのか?そのメリットやデメリットについて神庭さんに解説してもらいます。
神庭さん:そもそもステーブルコインとは何なのかというと、直訳すると「安定したコイン」という意味です。暗号資産(仮想通貨)の一種ですが、価格を安定させるためにドル・円などの法定通貨や国債などを裏付け、担保としています。今回のJPYCであれば日本円や日本国債を裏付け資産として保有していて、1JPYC=1円で交換できるようにします。円からJPYCに変えられるし、JPYCから円に交換することもできます。じゃあ、円と何が違うか?というと、発行主体が違います。日本円は日本銀行が発行する法定通貨ですが、JPYCはあくまでも民間企業が発行するデジタル通貨です。
ユージ:1ポイント1円ということですがSuicaやPayPay、楽天ポイントなどとはどう違いますか?
神庭さん:SuicaやPayPayの残高は加盟店でないと使えないですし、楽天ポイントは基本、楽天経済圏の中でしか消費できません。お店で電子マネーを使おうとしたら「対応してません」と言われた経験をした人もいると思います。それに対して、ステーブルコインは加盟店や経済圏の枠を超えて自由に使えるような形を目指しています。また、ブロックチェーンという改ざんが困難なシステムを使っていることも特徴です。この点は他の暗号資産と一緒です。ただし、ビットコインなど他の暗号資産は価格が激しく乱高下するリスクがあります。ステーブルコインは法定通貨にペッグされているので値動きが安定しているのが最大の違いになります。
吉田:ステーブルコインのメリットは何でしょうか?
神庭さん:価格が安定しているので、日々の買い物などにも安心して使えるということです。決済や送金も便利になります。ネットが繋がっていれば24時間365日いつでも使えて、銀行の営業時間を気にすることなくリアルタイムで送金できます。これまでなら日付をまたいでいた銀行振込や海外送金も即時にできるようになる。様々な手数料が下がることも大きなメリットです。いまの国際送金はSWIFT(国際銀行間通信協会)を介して行うので、手数料や日数が多くかかります。それに対して、ステーブルコインならこうしたコストをカットできる。クレジットカードの加盟店はカード会社や決済ネットワークに数%の手数料を払っています。小売店にとっては結構大きいです。ステーブルコインの場合「ガス代」と呼ばれる手数料はありますが、安ければ1円かかりません。決済手数料を劇的に下げられるのではないかと期待されています。そんなに手数料を下げて発行元はどうやって儲けるかという話ですが、それに関しては裏付けとして購入した国債の金利から利益を得ることなどが想定されているそうです。
ユージ:デメリットはどうでしょうか?
神庭さん:マネーロンダリングに悪用されるリスクです。技術は万人に平等なので、善人だけでなく悪人も便利になるということです。銀行を介さずに海外送金できるので、犯罪や不正な資金を隠すために使われる可能性があります。国レベルで見た時にも、経済制裁の抜け穴になるリスクがあります。西側諸国はロシアやイランをSWIFTから除外する制裁を課したのですが、ステーブルコインが迂回ルートのようになってしまっています。WIREDが報じたブロックチェーン分析企業Chainalysisのリポートによれば、2023年には暗号資産詐欺の70%、ロシアやイランなどの制裁対象国への送金の83%でステーブルコインが使われたということです。また送金や決済の手数料ダウンは小売店にとってはありがたいですが、クレジットカードを発行する銀行や、Visa・Masterなどの国際ブランドにはダメージになりそうです。もっとも銀行も決済会社も、今後はどんどんステーブルコインに参入してくるでしょうから生き残りを図っていくんでしょうね。
吉田:ステーブルコインは広がっていきそうですか?
神庭さん:間違いなく広がると思います。アメリカではトランプ氏の暗号資産に対する熱の入り方がスゴイです。ジーニアス法という法律をつくってステーブルコインの普及や規制を後押ししています。WalmartやAmazonといった大手企業も発行を検討しています。米金融大手シティグループは、強気シナリオだと2030年に3.7兆ドル、540兆円まで市場規模が成長すると試算しています。日本でもSuicaやPayPayの有力なライバルになっていくでしょうし、なんならSuicaやPayPayがステーブルコイン化していく未来もあるかもしれないですよね。小売店は決済手数料が下がって嬉しいですが、消費者に便利さをどう実感してもらうかは課題だと思います。「ポイントが貰えるし、クレジットカードや電子マネーの方がいいよ」と考えているポイ活勢の方々も大勢いると思うので、「ステーブルコインだとポイント倍増!」みたいなキャンペーンも必要になってくるかもしれないですね。加えていうと、マネーロンダリングや制裁逃れなどの抜け穴を塞いでいくための法規制も大切かなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 25, 2025
テーマは「国内初の円建てステーブルコインJPYC発行へ」
ステーブルコインとは直訳すると「安定したコイン」。
暗号資産や仮想通貨の1種ですが、
価格を安定させるためにドル・円などの法定通貨や
国債などを裏付け、担保としています。…
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 25, 2025
ステーブルコインがあればこれまでは国際送金をする場合に手数料が数%取られていたのが、安ければ1円かからないで済むので、外国への送金がものすごく身近になるのではないかというのが僕が感じたメリットです。…
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 25, 2025
JPYCは国内初の円建てステーブルコインということで今後どうなっていくのかはチェックしていきたいですし、仮想通貨といってもビットコインのような価値が価格が激しく乱高下するものとは、位置付けが少し違ったものであるということを覚えておいておくといいと思います。#ワンモ