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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.08.21

南海トラフ“巨大地震警戒”の事前避難
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「南海トラフ“巨大地震警戒”の事前避難」

吉田:南海トラフでマグニチュード8以上の巨大地震が起きて、さらなる巨大地震の発生に警戒を呼びかける南海トラフ地震臨時情報「巨大地震警戒」が発表された場合、自治体が津波に備えて1週間の事前避難を求める住民が、千葉県から鹿児島県の16都県130市町村の指定地域内で少なくとも52万人にのぼることが内閣府の調査で分かりました。


ユージ:塚越さん、まず南海トラフ巨大地震の臨時情報について教えてください。


塚越さん:去年、この言葉を聞いた人も多かったと思います。まず、この臨時情報は、南海トラフ地震の発生リスクが高まった時に発表されます。マグニチュード6.8以上の地震等が発生すると調査が行われて、専門家の検討などを経て、3つのパターンに分けられます。1つ目は、「巨大地震警戒」これが一番重い段階です。南海トラフ地震は、早い地域だと数分で津波がくる恐れがあるので、内閣府は自治体に事前に避難対象となる地域を指定するように要請します。この巨大地震警戒が出されると、避難が間に合わない地域の住民に対して、浸水が予想される前に一週間の事前避難を呼びかけるものです。これが警戒というものになります。2つ目が、「巨大地震注意」。これは「警戒」まではいきませんが、すぐに退避できるように、準備を促すものです。実際、去年の8月8日に宮崎県沖の日向灘でM7.1の地震が発生して、2019年の運用がされているのですが、去年はじめて「巨大地震注意」が出されて一週間続きました。相対的に地震発生の可能性が高くなったことを受けたものでしたが、これは記憶に残っていますよね。このときは、海水浴場は遊泳禁止になって商業的にダメージを受けたり、あの時すでに品薄になっていたお米が、買い溜めによって一気に無くなりました。僕、9月になって岡山の親戚のところに行ったのですが、そこでもスーパーにお米がなかったので大変混乱があったかなと思います。3つ目が、特に発令はないのですが注意しましょう、となっています。


吉田:今回の内閣府の調査、結果はどうでしたか?


塚越さん:内閣府は今年の6月〜8月に、対策強化が必要な29都府県の707の市町村に調査をしました。その結果、16都県の130市町村は、事前避難地域の指定を終えていて、その結果、対象となる住民が52万人を超えたことがわかりました。地域別だと、対象人数が最も多かったのが高知県でおよそ9万2,100人。その次に、宮崎県・静岡県が続きます。まだ調査中の自治体もあるので、この人数はもう少し増える可能性があります。


ユージ:事前避難に指定された地域の状況はいかがでしょうか?


塚越さん:事前避難地域の指定は自治体が判断するのですが、標高が高くて津波のリスクが低かったり、あるいは人口が多すぎて影響が大きいので混乱にあうから、あえて色んな要因を検討した結果、「指定しない」という自治体も多いということです。それが6割程度あるということです。一方で、そもそもまだ検討ができていない自治体も目立っています。政府は避難所や避難ルートなど、事前避難の計画を求めているので、なかなか人手のリソースが足りなくて、そういう検討ができていない自治体も多いとのことです。政府は今後支援を強化するということですが、避難場所の確保だったり、自力での行動、課題のある高齢者への対応など、自治体ごとにいろんな事情があって、なかなか難しいというところがあるのかなと思います。


ユージ:最近、自然災害が非常に多いので、防災意識を高めていきたいところですが、万が一の備えを日頃から自分ごとにするにはどうすればいいでしょうか?


塚越さん:人類は地震の発生を正確に予測することは、できません。我々、防災意識を高めることが必要です。今回はこうした調査も出ているので、みなさんもお住まいの市町村のホームページや防災マップで、事前避難の地域になっているかなど、調べてみてください。情報をアップデートするのも大事かなと思います。一方で、去年は「巨大地震注意」で、社会的に混乱が起きましたよね。この次に重い「巨大地震警戒」となると、現状でも52万人が事前に1週間避難しましょうということになります。この導線の確保、めちゃくちゃ大変ですよね。これを今のうちに計画するのは、非常に大変ですし旅行にきてくれているインバウンドの観光客もどうするのかということもあって、ここで観光客に対応することで今後の日本の世界からの見方も変わってくると思います。こういったことを考えると、非常に難しい課題が沢山あるということ。地震が起こらない状態でデマが起こるかもしれません。過度に恐れすぎてもいけないので、「適切に恐れること」が大切です。これから認識もアップデートしていくでしょうし、フェイク情報も増えていくと思うので、みなさん頭に入れておくというのが非常に大事なのかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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