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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.08.14

広陵高校の甲子園 途中辞退を考える
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師の塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


『広陵高校の甲子園 途中辞退を考える』

吉田:全国高校野球選手権大会に出場していた広島の広陵高校が、三重の津田学園との2回戦を辞退しました。9日に理事会を開いて決定、大会本部に報告、了承を得た上で堀正和校長が会見を開き発表しました。


ユージ:塚越さん、まず広陵高校が2回戦を辞退するまでの経緯を教えてください。


塚越さん:この問題、ネットで非常に感情的な投稿も多いですし、事態も複雑なので状況を整理しましょう。まず、今年の1月下旬に当時の一年生が“部で禁止されているカップラーメンを寮内で食べた”として、当時2年生4人(今の3年生)に暴力を受けました。報告を受けた高野連(日本高校野球連盟)は3月に『厳重注意』の処分をして、4人の部員は事案発覚から一ヶ月は公式戦には出場しないよう指導したということです。ちなみに、『厳重注意』の処分では公表しなくて良い規定になっているので、この事はこれまで発表されていませんでした。ただ、被害者の生徒は3月に学校を転校しています。そしてこの事案が最近になって、被害者の関係者を名乗る人がSNSで投稿というか告発をしたことで世の中に知られることになります。それによると、被害者の元生徒は、7月に警察に被害届を出していることや監督やコーチなどから隠蔽ともとられることを言われたといった告発もありました。このことを一部のメディアが報道すると、広陵高校は先程話したように、事実関係を8月6日に公表しました。ただ、学校側は4人の生徒の暴力は認めていますが、隠蔽などについてはを否定していて、改めて出場判断に変更はないとしました。つまり、暴力事案は認めていますが、細かい点では告発者と学校側で認識の食い違いがあるということです。問題はさらに続いて、広陵高校はその後一回戦は勝利したのですが、そのあとに、さらに別の関係者とされる人から、今度は2023年にも部員だけでなく監督やコーチから暴力や暴言による被害があったことがSNSで告発されます。これが話題になると、学校側は今年の6月から第三者委員会を設置していることを公表、そして、そのあとに辞退になるわけです。なので、問題となっているのはこの二件ということになります。


吉田:今回の件、SNSの動きも議論されていますが何が起きていたのでしょうか?


塚越さん:どちらの事案もSNSでの告発が発端ということですけれども、学校側と意見が食い違っている点もあるので、慎重な捜査が必要だと思います。また、学校側は2023年の事案については、関係者から聴取などをしたけれども、指摘された事案は確認できないと言っていますが、第三者委員会が設置されて調査中ということですね。ともあれ、ネット上では様々な憶測や意見が加熱して、個人攻撃や生徒の個人情報を晒したり、寮への爆破予告などもありました。広陵高校の生徒に様々な被害があり、人命を守るのが最優先ということで、広陵高校は出場辞退を発表したということです。


ユージ:学校や高野連の対応については、塚越さんはどう見ますか?


塚越さん:学校側と告発者で意見は違っていても、少なくとも事件は起きて、警察が被害届けを受理していて、捜査に入っている段階なんですよね。やっぱり、この状況を考えれば、被害者は納得できなかった部分があって、学校側ももっとコミュニケーションをとる必要があったのかなと思います。どこまでできたのかなというのはありますけれどもね。また、出場辞退についても、「SNSでいろいろな問題が起きたから」ということを主に言われていたんですけれども、もちろん誹謗中傷やそういったことは許されないですが、被害者の元生徒や事件に関する学校側の認識不足を指摘されていて、その部分もあると思います。ただ、やっぱり大きいのは高野連の対応かなとも思います。細かくは言いませんが、高野連はこれまでも、暑さ対策や一日の投球数のルールなどについて、かなり球児にとって過酷な選択をすることが多く、ガバナンスが効いていないということで、これまでずっと議論がありました。この辺の対応も高野連がもっとやったほうが良かったですし。もうひとつ挙げるなら、いじめは学校内の問題ではなく、いじめというのは事件なので、早く警察を介入した方が良いという議論があるんですよね。野球に関係なく学校全体として、早く警察を介入して、事件として対応することの方がいじめの抑止にもなるのかなと思います。


ユージ:今回の件、メディアの伝え方についてどう思いましたか?


塚越さん:メディアの問題も大きく、ジャーナリストの松谷創一郎さんがYahoo!で記事を書いておっしゃっているんですけれども、ジャーナリズムが高野連などに対して動く必要があると。というのも、“夏の甲子園は朝日新聞社が主催して、春は毎日新聞社が主催して、NHKが全試合を放送する”という関係があるので、どうしてもジャーナリズムが問題提起しにくいと推察されるんですね。人権を擁護する立場から、今回の高野連の一連の問題とか、今回だけではなくいろいろな問題とか対策について議論されているので、この辺に対して切り込んでいって社会を変えるということも必要でしょうし、今回のことに関して言えば、捜査中のこともありますし、高校生という若い方たちなので未来のことを考えて、決めつけや過剰に自分の意見をぶつけていくというのは控えるというのは重要だと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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