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25.08.13

『給付付き税額控除』など、自民党と立憲民主党の動き
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師の塚越健司さんにお話を伺いました。
塚越さんが注目した話題はこちらです。


【『給付付き税額控除』など、自民党と立憲民主党の動き】

吉田:自民党の小野寺政調会長は8月6日、立憲民主党の重徳政調会長と会談し、立憲民主党が参議院選挙で掲げた「給付付き税額控除」などについて意見を交わしました。塚越さん、まずは「給付付き税額控除」について、詳しく教えてください。


塚越さん:少し複雑な話なのですが、給付付き税額控除は、給付と減税をセットで行う仕組みです。例えば10万円を給付するとします。ある人は所得があって、所得税が50万円だったとします。この場合、10万円分の税金が引かれるので、所得税の支払いが40万円になります。他にも、例えば所得税が8万円だったら、8万円分がゼロになって、残りの2万円が給付という仕組みになります。さらに、いわゆる非課税世帯は、普通に10万円が給付されます。なぜこうするかというと、消費税の「逆進性」という問題に対応するためです。収入が低い人ほど、生活費に占める消費税の割合が大きく、負担感が大きくなります。一方、収入が高い人は同じ額の消費税を払っても、それほど家計への影響は大きくありません。このため、カナダやイギリスでは、低所得層や子育て世帯を支える方法として「給付付き税額控除」が導入されているので、日本でも考えようというわけですね。要するにこれは「減税と現金給付がセットになった制度」で、経済的に厳しい世帯への支援であると言えると思います。今回の会談の理由としては、やはり自公政権が少数与党になっている中で、野党第一党との関係改善を考えている点が挙げられます。


吉田:「給付付き税額控除」は、財源も課題ですよね?


塚越さん:そうですね。もともと自民党は参院選で一律2万円の給付と、非課税世帯や子供にはさらに2万円を上乗せする案を出していました。こちらの財源は去年度の税収の上振れ分としていました。一方の立憲は、まず一律2万円の「食卓おうえん給付金」と、次に最大2年間の食料品の消費税率ゼロ。これを実現した上で、最後に今回の「給付付き税額控除」(金額の想定は公表されていない)の導入を求めるという、3段階で政策を進めようとしていました。
自民党案よりも財源が多く必要になりますが、税収の上振れに加えて、積みすぎた基金や、いわゆる「隠れ補助金」の見直しだったり、金融所得課税の改革などで検討するということでした。


ユージ:与党が参議院選挙の公約に掲げた「現金給付」。こちらは、実現が難しい状況なのでしょうか?


塚越さん:読売新聞によると、財源もさることながら、やはり少数与党になったことから、野党の賛同を得なければ難しいということですね。給付については、マイナンバーと預貯金口座をひもづけた「公金受取口座」を活用しようとしていましたが、マイナンバーカードを取得していない人も考慮すると、人口の半分程度にしか普及していないので、全体に迅速に給付するのはまだ課題があります。従来型の給付は事務手続きも大変なので、自民党内の一部では、そもそも人気のない給付案はやめろといった意見もあるようです。実際、現金給付案は様々な調査でも反対の方が多いので、今後、政策内容を改良しても、そんなに有効なのだろうかと個人的には疑問があります。
いずれにせよ、野党への歩み寄りが見られますが、立憲だけでなく、先日は国民民主党がずっと主張していた「ガソリン減税」についても、与野党6党で年内の廃止に合意しています。これには立憲も参加してはいますが、やはり、長年、主張していた国民民主の影響が大きいかなと思います。自民党としては少数与党なので、いろんな野党の様子もみている、顔色を伺っている側面もありますね。


ユージ:自民党と立憲民主党の動き、塚越さんは、どうご覧になっていますか?


塚越さん:残念ながら政策というよりかなり政局的な側面が多いニュースではありますが、政局を抜きにした政策論でいえば、例えば、給付額10万円を基準としても、所得に応じて富裕層は2万円にするなど、そういうバランスが必要になるのかなと思います。あとは高齢者の富裕層の方、非課税世帯の方をどうするか等、やるにしてもこういったところは考える必要があると思います。
一方、政局的な側面でいえば、立憲も先の参院選では票を伸ばしておらず、比例代表の得票率は参政党にも負けて第4位なんですよね、なので立憲も危機感があって、自民党とのつながりを重視している部分があるかと思います。立憲は立憲で自民党に近づきすぎると問題がありますし、でも批判はしなければならないし、なかなか仕切れないというところがあります。いわゆる既存の大政党、自民党と立憲民主党はどちらも厳しい立場になっているのかなと思います。その中でいろいろな党と話し合いをして多党制になっているので話し合いの中で一番良い政策を決めないと本当はいけません。国民としては政局を抜きにして一番良い政策をやってくれ、というプレッシャーをかけることが大事かなと思います。


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