25.07.07
TikTokネット通販開始『買い物』体験はどう変わる?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【TikTokネット通販開始『買い物』体験はどう変わる?】
吉田:動画投稿アプリ「TikTok」の運営会社は6月30日、インターネット通販機能「TikTok Shop」を日本でスタートしたと発表しました。そこで「TikTok Shop」での買い物体験が、どう変わるのか?日本と中国の広がりの違いについて神庭さんに解説してもらいます。まずは、新たに始まったTikTok Shopとはどういうものなのか?教えてください。
神庭さん:TikTokの「おすすめ」に出てきた動画や、ライブ配信でタグ付けされた商品をその場ですぐに買えるものです。ユーザーからすると、これまで「いいな」と思う商品があっても、いちいち企業のサイトに飛んだり、検索して別の通販サイトにいって買う必要がありました。商品を売りたい企業にとっても、途中でお客さんに離脱されてしまうことがネックになっていました。それが動画視聴から決済までTikTok上で完結するようになるということです。TikTokユーザーに多い10代、20代は中高年に比べるとお金はないですが、消費意欲は旺盛です。若者向けにコスパのいい商品を売るうえでは、武器になるのかなと思います。特に化粧品やアパレルなど、動画で使用感・着用感を実演販売できる商品は親和性が高そうですよね。
吉田:それは便利そうですね。
神庭さん:これまでにも「TikTok売れ」と呼ばれる現象は何度も起きてきました。例えば、ダイソーの「ミニ洗濯機」のおもちゃでメイク用のパフとかブラシが洗えるんじゃないか、ということでいきなり話題になりました。ユニクロの「ラウンドミニショルダーバッグ」が、たくさん物が入るぞ、と海外の女性ユーザーの投稿から急に売れ出したりしました。それが、TikTok Shopによって、こういうバズりをより直接的に売上に繋げることができるようになるかもしれません。「ショッパーテインメント」という言葉がありますが、買い物をエンタメ化する、エンタメの延長線上で物を売る、ということを狙っているのかなと思います。
ユージ:Amazonや楽天など、他の通販サイトとの違いはありますか?
神庭さん:ライブコマースといって、配信者が動画配信をして、その場で商品を販売できるのが最大の特徴かなと思います。企業が直接売ってもいいいですし、インフルエンサーが売るパターンもあります。動画経由で商品が売れると、配信者にはアフィリエイトの収入が入ります。小さなジャパネットたかたが、TikTok上に数万人、数十万人単位で増殖していくようなイメージです。Amazonや楽天は、調べる・検索するという行動が必須になります。TikTok Shopの場合は、アルゴリズムがユーザーごとに最適化した動画を流していきます。買い物体験を「探す」から「出会う」に変えたいのかなと思います。
吉田:中国では、このようなライブコマースが流行っているようですが、日本はどうですか?
神庭さん:確かに中国のライブコマースは爆発的に伸びています。市場規模が100兆円近いとも言われます。中国では11月11日が1の並ぶ「独身の日」と呼ばれ、ネット通販各社が数週間前からセールを仕掛けるのですが、その売上高はライブコマース以外も含めて30兆円を超えると試算されています。もともと中国のネット通販は粗悪品が多く、きちんと配送されないなど不満も根強かったです。それに対して、ライブコマースでは名の知れたインフルエンサーの方が顔出しでお墨付きを与えました。信頼できるし、お得だということで人気に火がつきました。一方で、日本ではYahoo!やメルカリが相次いでライブコマースに参入したものの、撤退しています。来る、来ると言われながら、なかなか広がっていないのが現状です。何でかと言うと、中国と違ってそもそも今ある通販に対して、そこまで大きな不満がありません。配信者、インフルエンサーが商品を売るよりは、投げ銭モデルで直接お金を得ているなど、様々な要因がありそうです。
ユージ:日本では1回チャレンジして撤退している事実がありますが…今後、広がっていく可能性ありますか?
神庭さん:日本で「ライブコマース2.0」が起きるかどうかということですが、長い目で見れば定着していくのではないかなと思います。そこでのキーワードは「リーンフォワード」と「リーンバック」です。リーンフォワードは前のめり、前傾姿勢で情報を摂取する態度です。通販で言えば、Amazonや楽天で自分で情報を調べて取りに行く。私自身はこっち派ですが、調べるのは疲れる、面倒だという人も一定数います。これに対して、リーンバックというのは、ソファに寝そべってテレビを見る、ダラダラ短尺動画を見るような姿勢です。TikTok Shopなどライブコマースはこっちに近いわけです。人類の歴史を振り返ると、「面倒くさい」をいかに減らしていく方向で動いてきたので、今後はダラダラ派、リーンバック派が勢力を増していくんじゃないかなと思います。課題や懸念点としては、AmazonやGoogleに続いて、この領域も外資、それも中国資本に取られちゃって大丈夫ですか?というのが1点あります。もう1点は、消費者保護です。ライブコマース、ショッパーテインメントはある意味、衝動買いを促す仕組みです。ライブで一気にテンションを上げて、それが冷めやらぬうちに買わせるということです。だからこそ、詐欺的なインフルエンサーを排除して、無価値な商品、有害な商品を売らせないためのルールづくりが必要になってくるのではないかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 7, 2025
テーマは
「TikTokネット通販開始『買い物』体験はどう変わる?」…
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 7, 2025
一方で、TikTokで見たものをその場ですぐに買うというふうに直結するのかどうかというのが僕の気になるポイントで、…
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 7, 2025
個人的にライブコマースは、着ている人が動いているのを見ることができるという点では、衣服との相性はいいなと思いました。新たなる通販市場として日本で拡大していくのかどうか、注目です。#ワンモ