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25.07.01

ウナギ規制、EUの主張や日本の取るべき対応について
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「ウナギ規制、EUの主張や日本の取るべき対応について」

吉田:EUは6月27日、ニホンウナギなど全19種のウナギに絶滅の恐れがあるとして、ワシントン条約で国際取引を規制するよう提案しました。一方、ウナギの大量消費国で、中国などからの輸入に頼る日本は、EUの規制提案に反発しています。神庭さん、EUはどんな主張をしているのでしょうか?


神庭さん:ワシントン条約は、希少生物の商用取引を禁止する一定のハードルを課すなど、規制に段階を設けています。ウナギに関しては、取引禁止まではいかないですが、輸出する国に対して科学的な見地に基づいた許可証の発行を義務付ける必要がある、というのがEUの主張です。共同通信によると、EUは2027年6月からの規制強化を求めていて、今年11~12月にウズベキスタンで開催される、ワシントン条約の締約国会議で採決されるということです。この会議で、投票国の3分の2以上が賛成すると、この提案が承認されるということです。


ユージ:このEUの主張に対して、日本側は反発しているということですね。


神庭さん:そうです。小泉農水大臣は「ニホンウナギは日中韓台で保存管理を徹底しており、十分な資源量が確保されていることから国際取引による絶滅の恐れはない」「EUの決定は極めて遺憾」と主張しています。禁止までいかなくても、輸出許可証を義務付けられるだけで取引現場の手間暇やコストは増大します。仮にEUの提案が承認された場合、ウナギが値上がりすることは避けられないと思います。日本としては、ニホンウナギの個体数は回復している。規制することで値段が上がり、かえって密輸や密猟が増えるというような主張をしています。


吉田:実際のところ、ウナギは減っているのか、増えているのか、どっちでしょうか?


神庭さん:『結局、ウナギは食べていいのか問題』の著者、海部健三さんの記事「Wedge ONLINE」によると、1960年代にはニホンウナギの漁獲量が3,000トンを超えていましたが、2023年には55トンまで減少しました。養殖やニホンウナギ以外の種も合わせたウナギ全体の供給量も、ピークだった2000年の15万8,000トン余から、3分の1の5万2,000トンほど激減しています。また海部さんは、日本の養殖ウナギの半分以上が密漁ないし不透明な流通を経ていると推測しています。


ユージ:この数だと、回復しているようには見えないですが、日本はこれまで保護のために対策をしてきたんですよね?


神庭さん:一応やってきています。全く手をこまねいていたわけではありません。先ほどの小泉農水大臣の話にもあったように、日本・中国・韓国・台湾はウナギの資源管理をしていて、2015年から稚魚のシラスウナギを養殖に回していい量(=「池入れ量」)を78.8トンに制限しています。ところが、この日中韓台の合意がほとんど骨抜きになっているという声もあります。共同通信論説委員の井田徹治さんのオルタナ記事によれば、今期の池入れ量は、中国だけで100トンを超えていて、日本・韓国・台湾も合わせると150トン近くになる見通しだということです。上限のはずの78.8トンの倍近い数値です。井田さんは、合意がまったく機能せず、「シラスウナギ取り放題」のようになっていると指摘しています。


吉田:なかなかうまくいっていないように見える状況の中、EUが主張するウナギの規制について、神庭さんはどうみていますか?


神庭さん:正直またかよ、という思いはあります。アメリカが世界の警察なら、EUは世界の学級委員みたいな感じです。エンジン車の規制でも環境規制でも、先進的な取り組み打ち出し、ルールをつくる側にまわることで自分たちに有利な世界秩序をつくり出してきたのがヨーロッパだと思います。例えば、「クジラを食べるな」「ウナギを食べるな」と欧米の人たちはヤイヤイ言ってくるわけです。我々が欧米の人たちに対して「牛のゲップは温室効果がすごいからステーキなんて食べるな」とか、「フォアグラは残酷だから規制しろ」と人の食卓にくちばしをつっこむかといえば、そこまでしないわけじゃないですか。もちろん、希少生物と家畜は同列で論じられませんが、背後に偏見みたいなものがあるのかなという気もします。


ユージ:確かに。とは言っても、ウナギについての対策は必要かなと思います。


神庭さん:もちろん、その通りでEUの言い分にモヤる部分はありますが、ニホンウナギが絶滅危惧種であることは動かせない事実です。規制が機能せず「取り放題」状態になり、密輸が横行しているのは大問題ですよね。だとすれば、EUに言われるまでもなく、日本の食文化を守るために、日本が自ら実効的な規制を敷いていく必要があると思います。昔は、ウナギと言えば、ハレの日の特別なご馳走だったと思います。今はスーパー、コンビニ、牛丼店でいつでもどこでも食べられます。私もすき家の「うな牛」が好きなので、内心複雑ですが、ここまでカジュアルにどこでも食べられなくてもいい気はします。ウナギが大好きだからこそ、地球上からなくなってしまうくらいであれば、回数を我慢して、たまのご馳走、ご褒美としてウナギ屋さんでちょっといいうな重を食べるくらいでもいいのかなと思います。どこで食べたらいいの?ということに関して言うと、例えばイオンは「ウナギ取り扱い方針」を策定して、持続可能なウナギの調達を目指しています。そういう風に資源管理に積極的に取り組むお店から買うのも、ウナギを気にしている方が取る選択肢の1つなのかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。




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