25.01.08
塚越さんが選ぶ、 今年注目の政治ニュース

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「塚越さんが選ぶ、 今年注目の政治ニュース」
吉田:今年の政治の動き、塚越さんは、どのようなことに注目されましたか?
塚越さん:月曜に神庭さんから日本とアメリカの話題を詳細に話していただいたので、私はもう少し大きい広い視点からお話をしたいと思います。1つ目は「各国の与党の敗北と、政権交代の影響」です。2024年は先進各国で与党が負けたり、政権交代といったことが起きましたが、2025年もこの影響が続くと思います。アメリカは頻繁に政権交代が起きますが、例えばイギリスは去年の7月、14年ぶりに与党の「保守党」が負けて政権交代が起きました。フランスでは、去年の6月9日に行われた欧州議会選挙で極右政党が第一党に躍進。マクロン大統領は議会を解散して総選挙をしましたが、どの勢力も過半数を取れずに政局は不安定化しています。フランスは2022年から少数与党となっており、現在もマクロン大統領が率いる与党連合は厳しい状況です。マクロンさん2027年まで大統領を続けると述べていますが、フランスもどうなるか分からない不安定な状況です。アジアをみても、お隣の韓国は去年4月の選挙で与党が大敗。少数与党となったユン政権は、まさかの非常戒厳を宣言。今も混乱が続いてますよね。韓国は2025年、どうなるか分からない状況で、日本も外交をどう進めるか考えあぐねている状況です。もちろん日本も去年10月の選挙で、自民党は公明党と合わせても少数与党となりました。2025年になっても、この動きは止まりません。一昨日はカナダのトルドー首相の辞任が発表されました。今年10月までに行われる選挙で勝てる見込みがないから、首相を辞めるよと言っています。トルドー首相は2015年から10年近く首相を務めていて、非常に長いです。インフレの対策や移民の増加に伴って住宅供給が足りなくなっていることなどで支持率が低下していました。トルドー首相率いる与党の自由党は長い間少数与党でしたが、すでに与党より最大野党の方が支持率が高い状況ですので、今年中に政権交代が生じる可能性があります。
吉田:どうして、同時多発的に政権交代や与党の敗北が相次いで起きるのでしょうか?
塚越さん:世界的な政権交代の流れの背景には、コロナや戦争がきっかけで生じた世界的な物価高と生活費が圧迫されたということです。また長期政権も多く、既存の政権政党への不信感が強くなったことで、日本も政治とお金の問題や海外も経済政策への不満も多いです。もちろん、日本も政権交代や少数与党になることで、議論が活発になって解決できることも増えます。良い側面も沢山あるので、歓迎できる点も沢山あります。一方、大きな政治的変化が、予期せぬ事態を引き起こす可能性もあります。
ユージ:予期せぬ事態というのは、どういうことですか?
塚越さん:そこで2つ目のキーワードが「政治とSNS」です。先ほどの話と関連するのですが、既存のものに対する不信感が強くなる中で、政治とSNSの関係が強くなるということです。これは去年の話になりますが、ルーマニアで11月に選挙が行われました。無所属で、いわゆる「泡沫候補」とされていた、極右でロシア寄りの候補者(カリン・ジョルジェスク氏)が得票率でトップとなり、2位の人と決選投票が決まりました。ですが、その後、選挙期間中にTiktokで展開されたプロモーションにロシアが関わっていたとされる機密文書を公開して、ルーマニアの憲法裁判所が選挙の無効とやり直しを決定しました。すごいことですよね。選挙は他国の色々な介入があるのでやり直して、トップとなった候補者の方は、選挙2週間前の調査では6番手くらいの支持率しかなく、まさにこうまつだったのですが、それがトップとなったのはすごいことです。トップとなった候補者はこうしたやり直しこそが「民主主義を踏みにじる」と強く反発しています。確かに、投票データが改ざんされたことが言われていないので、色んな人が入れたことは確かです。こうなると、納得できないと感じるトップの方への支持者もいるでしょうし、陰謀論も拡散するでしょう。他方で他国の介入が疑われています。ルーマニア社会が分断されるということになってしまっています。ルーマニアは東欧で対ロシアの防波堤のような位置を占めているので、EUとしてもこの問題に神経を尖らせてみているという感じです。
ユージ:2025年は、日本でも政治とSNSが注目されそうでしょうか?
塚越さん:そうですね。今のお話しを聞いてみても、色んなことがありましたが、世界が不安定化するなかで政治とSNSの関係が強くなっていきます。外国からの干渉が今年も参議院制度が色々あると言われていますが、全く外国からの干渉がないと言いきれませんし、国内でも根拠不明な色んな主張が色々出てきて、困難が続くと見られています。「分断」というのは2025年も続いていくことになってしまうと思います。政治で公職選挙法を変えましょうという話もあるのですが、ネットの動きは速いので法律をつくるよりもここは粛々とやりつつ2025年も残念ながら政治が不安定化していくかなということもありますが、良い部分もあります。そういったまずい部分もあるということで、しっかり把握しながら2025年を見ていくしかないかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
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