25.01.07
神庭さんが選ぶ、今年注目の経済ニュース

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「神庭さんが選ぶ、今年注目の経済ニュース」
ユージ:トレンドネット、今日は神庭さんが選ぶ今年注目の経済ニュースです。
吉田:神庭さん、まずは何でしょうか?
神庭さん:1つ目は「トランプ・リスク」です。昨日も少し触れましたが、トランプさんは「中国に対する関税を60%に引き上げ、メキシコとカナダには25%の関税を課す」と言っています。「犯罪や薬物の流入などを防ぐ」と言っていますが、実際は貿易赤字を減らすことが狙いとみられています。さらに他の国に関しても10〜20%の関税をかけると主張しています。
ユージ:当然、日本も例外なんてことはないわけで、かけてくるわけですよね?
神庭さん:まず、日本製品に追加関税をかけられたら、輸出企業はダメージを受けます。加えて言うと、メキシコやカナダへの関税も対岸の火事ではありません。メキシコ、カナダには日本の自動車メーカーの工場があります。そこからアメリカにも輸出しているわけです。トヨタは昨年末までに、メキシコに累計およそ5,300億円を投資したと報じられています。ホンダもカナダにEVと電池工場を新設する予定で、総投資額は、およそ1兆7,000億円にのぼる見通しということで、悪影響が懸念されるところです。
吉田:トランプさんの狙いは、どこにあるのでしょうか?
神庭さん:トランプさん的には、関税が嫌ならアメリカに直接投資して工場をつくれということです。ソフトバンクグループの孫正義社長は早速トランプさんと一緒に記者会見して、アメリカに15兆円投資して10万人の雇用を生み出すと発表しました。さすが機を見るに敏という、商売人だなという感じです。ただ、関税引き上げってアメリカにとっても諸刃の剣で、当のアメリカも無傷では済まないです。関税をかけられた側は、当然、報復関税をかけてくるでしょうし、アメリカの輸入物価が上がってインフレが再燃するリスクもあります。一方で、ライバルの中国経済は不動産バブル崩壊でガタガタ。今回、関税がトドメになって、さらに景気が悪化する可能性が高いです。日本の2023年の輸出先はアメリカが1位で20兆2,600億円。中国が2位で17兆7,600億円ですから。輸出先トップ2の米中がくしゃみをしたら、日本は風邪どころかインフルで寝込んでしまうかもしれないという状況です。
ユージ:各国から見たら不評だと思いますが、トランプさんはどこまで本気なのでしょうか?
神庭さん:そこは重要なポイントだと思います。今、脅すようなことばかり言いましたが、選挙向けの公約で大袈裟に盛っている部分もあるので、60%というのはトランプ流ディールの交渉材料で、実際にはもう少し穏当な数字に落ち着く可能性もあります。あとは、中国を締め上げるなかで、日本まで敵に回すわけにはいかないですから、そこまで厳しい姿勢に出ないのでは?という楽観論もあるにはあります。ただ、僕はUSスチールの件をみていると、日本だけ例外はないのかな?という気がしています。トランプさんはバイデン政権でのインフレを批判し大統領選に勝ちました。なのに、関税でインフレを招いたらブーメランで支持を失ってしまいます。そこで考えているのが、脱グリーン路線。石油や天然ガスなど化石燃料への回帰することです。規制を緩和して、化石燃料を「掘って掘って掘りまくれ」という風に訴えています。もしこれがうまくいってガソリン代や電気代が下がれば、トータルでは物価が下がるかもしれない。財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏は、金融のプロで割とまともな方なので、トランプさんの政策をうまく料理して、バランスを取っていくのではないかなという気がしています。
吉田:神庭さんが選ぶ今年注目の経済ニュース。トランプ・リスクに続いて、2つ目は何でしょうか?
神庭さん:「続くインフレ!」です。去年も米の値上がりや、ミートショックなどが話題になりましたが、今年も値上げラッシュが続きそうです。食品メーカー195社に対する帝国データバンクの調査によれば、今年1月から4月の間にパンやビール、冷凍食品など6,121品目が値上げされます。値上げ率の平均は18%。加工食品やお菓子、酒・飲料などを中心に2割を超える大幅な値上げをする食品も多いということです。
ユージ:今年も値上げ。参りましたね。
神庭さん:家計の消費に占める食料品支出の割合を示すエンゲル係数は、3割近くまで上昇して、およそ40年ぶりの水準となっています。惣菜や中食(家庭以外で調理された食品を持ち帰り、家で食べること)が増えているというのもありますが、家計にとってはなかなか苦しい状況です。
吉田:神庭さんが選ぶ今年注目の経済ニュース、3つ目は何でしょうか?
神庭さん:「利上げ」です。物価が上がっても、それ以上に賃金が上がってくれれば何も問題ありませんが、去年10月の実質賃金は前年同月比0.4%減で3カ月連続のマイナス。そんな中、焦点となっているのが日銀による利上げです。金利を引き上げると物価は抑制されるけど、同時に景気を冷やすことになります。去年7月の利上げの後には、株価が大暴落して「植田ショック」と言われました。植田日銀は今後、景気の腰折れを招かないように慎重にタイミングを見極めていくことになります。
ユージ:利上げのタイミングは、どこを見て決めそうですか?
神庭さん:利上げの判断基準となるのが、春闘での賃上げの定着度合いとトランプ政権の経済政策です。ここでもトランプさんの動向が鍵を握ります。全世界を強制的に巻き込んだジャイアン・リサイタルみたいなもので、2025年の世界経済、日本経済はトランプ経済、トランプ・リサイタルに大きく左右されることになるんじゃないかなと思います。
ユージ:そうですね。トランプ政権になることによって、いろいろ注目しなきゃいけないポイントと良い方向に変わるかな?という不安なポイントがたくさんありますね。
神庭さん:そうですね。石破総理も日米首脳会談でUSスチールの件も含めて「言うべきことはしっかり言う」ということをしっかり対応していって欲しいと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 7, 2025
『神庭さんが選ぶ今年注目の経済ニュース 』について。…
#ユジコメ ②…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 7, 2025
#ユジコメ ③…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 7, 2025