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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.12.26

救急車出動の負担金制度、効果と懸念点
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「救急車出動の負担金制度、効果と懸念点」

吉田:緊急性のない軽症患者らを救急車で搬送した際、患者から負担金を徴収する制度が一部の自治体で始まっています。そこで今朝は、救急車出動の負担金制度について、その狙いや知っておいた方がいいことを塚越さんと考えていきます。


ユージ:塚越さん、救急車を呼ぶと負担金が発生する制度ができたんですね。


塚越さん:そうです。今年6月、三重県の松阪市で、救急車で搬送されても入院とならなかった場合、「選定療養費」として7,700円を徴収する制度がはじまりました。12月からは茨城県でも、救急車で搬送されても緊急性が認められなかった場合は、一部の医療機関で「選定療養費」1,100円〜13,200円を徴収する制度がはじまっています。ちなみに、この「選定療養費」というのは、簡単に言えば紹介状なしで特定の病院を受診した際に支払う費用で、基本的に救急車による搬送の場合は免除されていたものでした。一部でこれが取られるということです。


吉田:「選定療養費」を徴収する制度導入の背景は何でしょうか?


塚越さん:やはり、救急医療の逼迫を防ぐというのが目的です。救急車の出動件数は増加傾向にあって、去年は過去最多の764万件ありました。総務省消防庁は、高齢化や新型コロナの経験もあって、救急車を呼ぶことへの抵抗感が薄れた可能性があると分析しています。ただ、医療現場も人手不足で救急車の到着時間も年々長くなってきています。なので、簡単にいえば「選択と集中」。つまり、軽症患者の方は、なるべく救急車利用を抑制して、本当に必要な患者さんのために対応するための今回の措置かなと思います。


ユージ:実際に導入した自治体では、どういった効果が出ていますか?


塚越さん:三重県の松阪市では、導入後3ヶ月で、救急車の出動件数が前の年と比べて2割減りました。また、実際に軽症だったので療養費の徴収を受けたのは全体の7.4%で、打撲やめまい、胃腸炎の方などがいたということです。茨城県でも、導入一週間の時点で、前の年と比べて出動件数が15%以上減りました。また、徴収が行われたのは、搬送者の5.8%。少なくともこの2つの事例を見る限り、1割〜2割の出動件数が減って、実際の徴収も1割以下と多くないので、多くの人は適切に行動しているとも考えられます。


吉田:これからも検証が必要ですが、一定の効果はありそうですね。ただ、本当に必要な人が救急車を呼ぶのをためらってしまう可能性も出てきそうですね。


塚越さん:そうですね。呼ばなかったことで、最悪の場合、命に関わるケースがどれくらいあったかなど、そのあたりの検証は必要なので、先ほどの数字だけですぐに 良い、悪いを決定すべきでは、まだ早いかなと思います。実際に、色々な自治体で検証が進むも言われています。一方で、この「選定療養費」を徴収するかどうかは病院が判断するのですが、結果的に軽症だったとしても、電話した時点で緊急性が高いと判断された場合は徴収の対象になりません。茨城県は、救急車を呼ぶかどうかの目安を公開しています。まず緊急性が低いので、救急車よりも、地元の病院に行きましょうと勧めるものとしては「37.4度以下の微熱のみ」だったり、「打撲のみ」「慢性的な歯が痛いや腰痛」といった症状の場合は救急車を呼ぶよりは、近くの病院というところです。一方、すぐに救急車を呼ぶものとしては「物をのどに詰まらせて呼吸が苦しい」「痙攣止まらない」「広範囲のやけど」あるいは呼吸困難や意識障害などで、緊急性があると判断される可能性が高いということです。他にも様々な症状が茨城県のホームページに載っています。一度見ておくのもいいと思います。


塚越さん:あとは、救急車を呼ぶかどうか迷った時は、相談できる窓口があります。電話で「#7119」をかけると資格を持った相談員が対応してくれます。あるいは休日や夜間で15歳以下の子どもの症状を相談できる窓口として「#8000」もあります。これを覚えておいてください。


ユージ:塚越さんは、救急車出動の負担金制度、どう思いますか?


塚越さん:世知辛いと言えばそうですが、現場は大変なのかなと思います。こういう自治体が増えていく可能性もありますので、今は2つの自治体という話ですが、皆さん覚えておいた方がいいと思います。ただ、一方で大事なのは、決して救急車が有料化されることではありません。必ずしもそうではありません。本当にまずいと思った時は、あとで費用を払うことになったとしても、やっぱり救急車を呼ぶことをためらわないということです。あなたの命が大事ですし、気になる場合は、先ほども述べましたが「#7119」に電話するのが大事です。


ユージ:余裕がある人が電話すればいいですし、緊急性が高い場合は、お金がかかったとしても、これは緊急自体なので、そこは救急車に力を借りた方がいいのかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。



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