24.12.25
税制改正大綱、決定。『103万円の壁』は123万円に引き上げと明記

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【税制改正大綱、決定。『103万円の壁』は123万円に引き上げと明記】
吉田:自民、公明両党は12月19日(金)、2025年度の与党、税制改正大綱を決定しました。年収が103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の見直しについては、会社員らの非課税枠を「123万円に引き上げる」と明記しました。塚越さん、まずは「税制改正大綱」とは何なのか、改めて教えてください。
塚越さん:税制改正大綱とは、来年度以降の増税や減税、新しい税制の導入についての内容や検討事項をまとめた文書のことです。与党である自民・公明両党の「税制調査会=税調」が秋から議論を行って12月に決めます。政府はこれをもとに税制改正法案をつくって、来年1月召集の通常国会に提出します。昨今、色々と報道されることも多くなりましたが、自民党の税調は、「インナー」と呼ばれる議員の非公式の会合が実質的な決定権を持っています(例えば、会長の宮沢洋一議員など)。もちろん、関係省庁や業界団体の要望も踏まえつつ、財務省や総務省と調整します。ただ今回の税制改正は、与党が過半数を割っているので、これまでとは違って国民民主党も協議に参加する異例の展開となりました。
吉田:来年度の税制改正大綱で、最大の焦点だったのは「年収103万円の壁」の見直しです。こちらは、123万円に引き上げることが盛り込まれましたね?
塚越さん:話題になりましたよね。103万円の壁については、基礎控除と給与控除をそれぞれ10万円ずつ引き上げた「123万円」にするとしています。一方、これじゃ納得できないということで、12月17日(火)、国民民主党は協議から一度は離脱しました。その後、協議が再開されることになりました。日程調整ができず、協議は来年になるとみられますが、今後の協議次第では123万円が覆る可能性があります。1回、大綱に書いているのに覆る可能性があるのは、異例ということになります。一方、これは政局になってしまいますが、少数与党となった自公は、維新の会にも接近しています。例えば、来年3月の予算成立に向けて、維新が求める教育無償化を巡って自公と維新の3党で協議をはじめています。少数与党にとっては、いずれかの党の協力がないと過半数で予算を通すことができません。ただ、維新の求める教育無償化は6,000億円程度です。178万円になると8兆円程度の費用が必要になります。お金だけではありませんが、国民民主が無理なら維新と手を組めるぞと、ちらつかせているとも言えますよね。駆け引きが実は水面下で行われているそうです。
ユージ:来年度の税制改正大綱。この他には、どのようなことが盛り込まれたのでしょうか?
塚越さん:大学生などを扶養している世帯の税負担を軽減する「特定扶養控除」というものがあります。現在は親の扶養に入っている大学生などが103万円を超えると親の税負担が重くなるのですが、ここは国民民主党の要望を踏まえ、103万円から150万円に引き上げることになりました。また、学生本人の税負担を免除する「勤労学生控除」というのも引き上げて、150万円までは所得税がかからないようになります。なので、大学生は150万円まではバイトがしやすくなります。
ユージ:そうですね。うちも大学生がいるので。早く150万円になって欲しいなとは思います。他にも、防衛財源を確保するための増税の開始時期について、所得税は決定を先送りにして、法人税とたばこ税は再来年、つまり2026年の4月からとしています。ガソリン税の暫定税率について、もともと自公と国民民主の幹事長は廃止するとしていましたが、結局、税制大綱では「見直しを行う」といった内容にとどまりました。どこまでやるのか、あまり明記できなかったということです。
ユージ:来年度の税制改正大綱。塚越さんは、どうご覧になりましたか?
塚越さん:少数与党になったことで、協議によって動くものは動いたということです。大学生は、バイトがしやすくなりました。ただ123万円ということで、元々178万円から123万円です。これ減税効果は年収にもよりますが、例えば123万円は、年収500万円の人で1万円しかないという試算もあります。全然だめじゃないか、というのが正直なところかなと思います。先ほど申し上げたように色々なところで駆け引きをやっています。政局的な駆け引きばかりやっていて、国民がどこまで減税できるのか国民の方を向いてどこまで議論してくれるのかというのは、大事かなと思います。結構、駆け引きでここでやれるかやれないかは自民党も結局123万と言っているけど、競技次第ではもう少し上げるぞ。ただ178万円にはしないぞと。色々なことを考えている報道もあり、それもどうなのかなと思います。もう1つは、自公も現在抵抗勢力とみられています。「税の世界は、理屈の世界だ」と宮沢会長も言っています。だったら、なぜ123万円なのかということも自公の方も説得して欲しいです。ちゃんと説明して欲しいと。それで納得できるのであれば、私達も覚えます。税の話、どんどん複雑になっていますが、見ていかないといけないし説明して欲しいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 25, 2024
『与党の税制改正大綱』について
来年度以降の増税や減税、新しい税制の導入についての内容や検討事項をまとめた文書を税制改正大綱といいます。政府はこれをもとに税制改正法案を作成して、来年1月召集の通常国会に提出します。自民党の税調は「インナー」と…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 25, 2024
最大の焦点だった「103万円の壁」については、基礎控除と給与控除を10万円ずつ引き上げた「123 万円」になります。これに国民民主党は「納得できない」ということで協議を離脱し、今後の協議次第では123万円…
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 25, 2024
他にも、来年度の税制改正大綱には、大学生などを扶養している世帯の税負担を軽減する「特定扶養控除」や、防衛財源を確保するための増税の開始時期について、所得税の決定を先送りにして、法人税とたばこ税の増税は…