24.12.09
石破総理が推す『短時間正社員』は浸透するのか?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【石破総理が推す『短時間正社員』は浸透するのか?】
吉田:東京都の打ち出した週休3日制の導入が話題ですが、国政で今注目されているのが『短時間正社員』制度です。石破総理は先日の所信表明演説で、「時間に余裕を持ちながら正社員としての待遇を得る短時間正社員という働き方も大いに活用すべきです」と述べています。そこで今朝は、この『短時間正社員』制度について、神庭さんに解説していただきます。
神庭さん:一般的に正社員というと、1日8時間、週5日出勤というフルタイム正社員を想像される方が多いと思います。それに対して短時間正社員は、週2日、3日からでOK、1日4時間でOKなど、勤務時間が短いです。パートやアルバイトのような非正規雇用とも違い、社員と会社員の間で無期限の労働契約を結ぶ形です。時間あたりの基本給やボーナス、退職金などの算出方法もフルタイム正社員と変わりません。厚生労働省の調査によれば、導入している事業所は17%で、まだまだ広がっているとは言い難い状況です。
ユージ:こういう制度があったんですね。いい制度だと思うけど、確かにまだまだ浸透していなさそうですね。
神庭さん:今回、なぜ総理がこの制度を推しているのか?というと、石破さんは所信表明で、男女間の賃金格差があるなかで、非正規雇用の正規化を進める必要性に言及しています。短時間正社員を活用すべきだと述べました。女性の年齢別の正規雇用率の推移は、よくL字カーブと言われます。折れ線グラフにするとアルファベットのLの文字を横倒しにしたような、山なりの形になります。正規雇用で働く女性の比率は高校・大学を出て上昇して、25〜29歳で59.7%とピークになります。ただ、その後は30代前半で47.6%、40代前半で35.8%と右肩下がりで落ちます。結婚・出産で会社を辞めると、今度再就職する際も正社員ではなくて、パートや非正規で働く方が多いです。そこで石破さんは「女性の雇用におけるL字カーブの解消に取り組む」と訴えています。
吉田:いい制度だと思うのですが、ネットやSNSの反響というのはいかがですか?
神庭さん:いくつか読み上げると、「パート、アルバイトとどう違うの?」「何がなんでも働かせたい感じ」「こんなの肩叩きに使われるだけ」「バイトを短時間正社員ということにして、社会保険料を取りたいのか」と、このような感じで少しネガティブな意見が出ています。非正規社員が増え始めた時もいいことばかり言われていたので、警戒してしまう気持ちも分からないではありませんが、実際にはマイナス面ばかりではなく、メリットもあります。
ユージ:具体的にどんなメリットがありそうですか?
神庭さん:働く側からすると、ライフスタイルに合わせて多様な働き方を選べるようになります。子育てや介護でフルタイムで働くのは難しいけど、1日4時間、週に数日だったら働きやすいという方がいますし、副業として、夜だけとか週末だけ短期間正社員の仕事をやりたいという人もいます。これから独立して事業をやりたいけど、いきなり今の仕事をすべて手放すのは不安なので、一定の収入基盤は持っておきたいという方もいらっしゃいます。働く方の数だけ様々なニーズがあります。パート、非正規に比べると安定性があり、うまくハマれば将来的にフルタイム正社員に移行するといった青写真も描けるのかなと思います。雇用する側としては、とにかく人手不足を何とかしたい。短い時間でも働いてくれるならありがたい。非正規や業務委託に比べて、会社に対する帰属意識が高まりやすいというメリットも期待できます。
吉田:デメリットは何でしょうか?
神庭さん:当然ですが、トータルの給与はフルタイムに比べれば安くなります。そして、限られた時間の中で成果を出さないといけないので、時間に追われて、労働密度が上がって大変というのはあるかもしれません。あとは、短時間正社員から管理職になるのは、もしかしたら難しく、仕事の範囲が狭まるかもしれません。あとは、短時間社員に割り振るための仕事をうまく切り出さないと、こぼれた仕事をフルタイム正社員が尻拭いしないといけない。カバーする側の仕事が増えちゃうリスクはあるかなと思います。
ユージ:この短時間正社員の制度について、神庭さんはどう思いますか?
神庭さん:働き方の選択肢が増えるのはいいことかなと思います。フルタイムで働きたい人や「私はパートがいい」という人に、無理やり短時間正社員になれという話ではありません。「しゅふJOB総研」の調査によると、主婦・主夫層の65.9%が条件さえ合えば短時間正社員で働いてみたいと考えているそうです。一方で、実際に働いた経験がある人は11.6%しかいない。こういうニーズに応えていかなければいけない。もう10年以上、同一労働・同一賃金が言われていますが、正社員と非正規社員の格差は全然埋まりません。現代の身分制度みたいになっている状況は、非常に問題だと思います。本来なら正社員と非正規社員の格差をなくすのが筋ですが、なかなかそれが進まないとなると、正社員=フルタイムという固定観念を壊して、「一口に正社員と言ってもいろんな働き方の人がいるね」という既成事実をつくってしまう。その方が、社会全体として格差是正が進みやすくなるんじゃないのかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンDTREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 9, 2024
テーマは「石破総理が推す『短時間正社員』は浸透するのか?」
この短時間正社員は週2日〜3日の勤務や、
1日4時間労働でも正社員として働くことができます。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 9, 2024
この働き方はパートやアルバイトに近いものの、
基本給に加えてボーナスや退職金があるなど
正社員と同じような待遇を受けることができます。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 9, 2024
特に出産や育児などでフルタイムで働くことが難しい人でも、
バランスを取りながら働ことができる可能性があるので、
僕はこの制度がとてもいいと思いました。#ワンモ
#ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 9, 2024
この制度は懸念点もあります。
企業側には働く時間が短い人に対しても、
福利厚生などのフルタイムの正社員と同じコストがかかってしまいます。
しかし人手不足で人材を集める広告や採用にかかるコストを考えたら、…