24.11.14
“106万円の壁”の解消も議論されている年金制度改革

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「“106万円の壁”の解消も議論されている年金制度改革」
吉田:厚生労働省が2024年7月に公表した「国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者のおよそ4割の収入源が年金のみとなっています。貯蓄がない高齢者にとっては、物価高によって家計が苦しく感じる場面が多くなっていると思います。2024年の財政検証結果によると、年金財政の持続可能性は確認されていますが、将来世代の老後所得への安心をより確かなものとするため、さらなる対策が必要とされています。そこで今朝は、年金制度改革について、塚越さんと考えていきます。
ユージ:塚越さん、まず厚生年金に関係する「年収106万円の壁」について改めて教えてください
塚越さん:まず、最近報道が多い「103万円の壁」と「106万円の壁」は、違うので重要です。103万円の壁は、所得税の発生ラインのことで、これを178万円にして手取りを増やそうという議論がされています。今回の「106万円の壁」の議論は、「社会保険」、特に年金に関する議論です。何かというと、現在は「年収が106万円以上」、「従業員51人以上」、「週20時間以上の労働」、この3つの要件すべてに該当すると、厚生年金や健康保険といった社会保険の加入義務が発生します。これが「106万円の壁」で、これについて政府の規制改革推進会議は、一昨日も首相官邸で会合を開いています。
ユージ:「106万円の壁」が解消されると、厚生年金に加入できる人が増えるということですか?
塚越さん:そうなんです。事情は、結構複雑です。まず、会社員などの扶養に入っている配偶者がパートで働く場合など、106万円を超えると社会保険を支払うことになるので、壁を超えないように調整する人も多いです。でも、それだとあまり働けないので人手不足を招いていることが問題になっています。今、政府が議論しているのは、この106万円の壁の要件を取り払うことで、新たに200万人を厚生年金の加入対象にしようということを議論しています。具体的には、先ほどの3要件のうち「51人以上の従業員がいる企業」と、「年収106万円以上」を撤廃して、「週20時間以上の労働」に一本化する方針です。週20時間以上の労働をしていれば、5人以上の従業員がいるような個人事業所でも、すべての業種で加入の対象とする方向で検討しています。ただ報道によると、来年の通常国会に改正法案を提出する方針ということですので、あくまでも現段階の考えではこう考えています。働き方の多様化が進む中で、短期間で働く人も厚生年金に入ってもらって、将来の年金を増やそうということで、加入者が増えると、年金財政がより安定するという側面もあると思います。壁が解消されると、短期的には手取りは減ることになるので、賛否両論という感じです。
ユージ:今まではいくら以下だったら、減らなかった手取りが今は全員減るということですね。
吉田:「106万円の壁」の解消、塚越さんはどうみますか?
塚越さん:将来のことを考えて、老後も厚生年金が貰えるといった側面もありますが、話した通り短期的には今の手取りが減ることになります。そうすると、新しい要件で週に20時間以内で抑えようとする人も出てくるかもしれません。例えば高齢で働く人にとっては、「今さら厚生年金に入ってもな」という人もいるでしょうし、結構様々な事情もあると思います。そうなると、色々社会保障の観点、今後の将来が分かると思いますが、今まさに負担が多すぎるということが国民の不満になっているなかで200万人くらいの方が壁を取り払われたら厚生年金を払わないといけません。じゃあ、どうするんだろうということで、例えば、極端に言えば壁を106万円から、200万円近くまで高くするとか、逆に一定のボーダーラインを超えた収入の人限定で、社会保険への加入を選べるようにするとか、もっと柔軟な対応があってもいいのかなと思います。財政的に色々な問題があると思いますが、そうでもしないと、不満のある国民への対応にはならないということもあります。もう1つは、この企業の壁は企業にとっても大きな負担です。厚生年金の負担は、従業員と会社が折半するので、新たな加入者の厚生年金負担の半額は企業が払うことになるのも課題です。51人以下の中小企業の人が多くなるので、特に中小企業の経営者の方は、さらに負担になるかなと思います。
ユージ:「106万円の壁」を含め、様々な年金改革が議論されていますが、塚越さんは、どう思いますか?
塚越さん:色々な話が出てきています。今、こういう感じで与党だけが強いというわけではないと思います。いろんな党がいろんな話を出しています。実は、年金改革や社会保障に。今は、社会が変わるときなので細かくは色々な議論があると思われるのでみなさん各党の政策をみてここからは政治家はどのようなことをいうのか注目してみていくのが大事だと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 14, 2024
『#106万円の壁 の解消も議論…どうなる年金制度改革』
現行制度では「年収が106万円以上」「従業員51人以上」「週20時間以上の労働」などの3つの要件を満たすと社会保険の加入義務が発生しますが、今この「106万円の壁」の見直しが議論されています。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 14, 2024
実現された場合、年収を問わず「週20時間以上の労働」が該当するだけで社会保険の加入義務が発生し、今の手取りが減る懸念があります。
長期的な側面では効果的かもしれませんが、物価高に加え、実質賃金が低下している現在において、果たしてプラスに働くのかが心配です。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 14, 2024
また、けさのテーマである「106万円の壁」の他に「103万円の壁」「130万円の壁」などが存在し、ややこしく感じます。…