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24.11.12

様々な形がある連合政権について
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「様々な形がある連合政権について」

吉田:石破総理はきのうの衆議院本会議での首相指名選挙で、決選投票の末、第103代内閣総理大臣に選出されました。少数与党の石破政権は、政策ごとに野党と連携する「部分連合」を模索しています。神庭さん、最近ニュースで「部分連合」や「パーシャル連合」という言葉をよく聞きます。具体的にはどういう意味ですか?


神庭さん:実はあまりハッキリした定義はありません。与党が過半数を割り、自分たちだけで思うように予算や法案を通せない状況では、野党にも協力を求めざるを得ません。そこで、個別の法律や政策ごとに野党と協議し、連携していくことを部分連合とかパーシャル連合とメディアは呼んでいます。


吉田:「部分連合」以外には、どのような形の連合政権があるのでしょうか?


神庭さん:複数政党によってつくられる政権を「連合政権」といいますが、その中でも比較的よく耳にするのが「連立政権」です。自由民主党と公明党の関係が典型的な連立政権で、それぞれ閣僚を出す「閣内協力」を含みます。立法府である国会だけでなく、行政府である内閣でも常に協力し合う関係です。連立政権のもう1つの形が「閣外協力」。閣僚は出さないけれども、政策協定を結ぶなどして、内閣の外で恒常的に政権運営に協力します。今回、話題になっている「部分連合」は、案件ごとの協力関係なので「閣外協力」よりも、さらに結びつきが弱いと言えます。


ユージ:それぞれの形にはメリット、デメリットがありそうですね。


神庭さん:産経新聞の『不安定さ残る「部分連合」難しい政権運営続く自由民主党・国民民主党との協議を本格化』という記事に詳しくまとまっています。連立政権の最大メリットは、政権運営が安定すること。デメリットは政策的な違いがあっても妥協せざるを得ないケースがあることです。「閣外協力」のメリットは、各党の自由サイドがある程度、確保できること。デメリットは連立に比べると政権運営の安定度が落ちることです。


ユージ:石破政権が模索してる「部分連合」のメリット、デメリットは何でしょうか?


神庭さん:「部分連合」のメリットは、閣外協力に比べてより自由裁量が大きいこと。しかし、デメリットとしては、政権基盤がさらに不安定になることです。少数与党が「部分連合」の相手方の主張を丸呑みしないといけない状況では、例えば国民民主党が主張する「103万円の壁」の見直しや、ガソリン税、ピンポイントで特定の政策を通しやすくなるのは大きな利点だと思います。一方で、与党が人気取り的な政策を何でもかんでも取り込んでいくと、野放図な歳出拡大につながりかねないという心配もあります。ちなみに、当の国民民主党は「部分連合」という呼称をあまり歓迎していません。玉木代表はXで《マスコミや評論家の方が使いたがる「部分連合」という言葉。私には、どうもよく分かりません。案件ごとに反対したり賛成したりするのは、政党として当然のことではないでしょうか?》と投げかけています。政策本位で各党との等距離外交を進めるなかで、「連合」という言葉の響きから、与党に肩入れしている、延命を助けているというイメージがつくのは避けたいのかなと思います。


吉田:なかなか駆け引きが大変そうですが、今後の国会はどうなっていくのでしょうか?


神庭さん:どの政党も単独過半数を取れていない状況をハング・パーラメント(宙吊り議会)といいます。石破政権は、少数与党としてハング・パーラメントとしての難しい舵取りを迫られています。読売新聞によると衆院選前の段階では衆議院の常任委員長ポストが「与党15、野党2」でしたが、「与党10、野党7」に激変しました。しかも、予算委員会の委員長という重要ポストまで自由民主党から立憲民主党に明け渡すことになりました。国会運営の要である議院運営・予算委員長ポストを自由民主党側で握るのと引き換えに、予算委員長は泣く泣く手放したということのようです。さらに、法務委員長のポストも立憲民主党が得ました。野田代表は党の公式Xで、選択的夫婦別姓の採決に持ち込みたい考えを表明。《野党全部一致協力できると思いますし、公明党も多分賛成。自由民主党を揺さぶるという意味では非常に効果的な委員会だ》と意気込んでいます。


ユージ:今の国会の状況、目が離せないですよね!神庭さんは、どう見ていますか?


神庭さん:僕は割と好意的に捉えています。選挙で与党にお灸を据える一方で、野党に政権交代まではさせない。与野党伯仲という絶妙な民意。天の配剤のようです。これまでは官邸主導で物事が決まり、自由民主党と公明党の党内決裁さえ済めば予算でも法律でも何でも通るという状況でした。これだと国会の存在価値が低下して、シャンシャンにもなりかねません。これからは、与党と野党の丁寧な合意形成がカギになります。国会での委員会審議も一層、実りあるものにしていかないといけないですし、これこそ熟議の国会、THE民主主義なのかなと思います。一方で、野党の責任も重大で委員長ポストなどを任されたということは、それにしっかり応えていく義務があります。反対、反対ばかりではない建設的な議論にも期待したいと思います。


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