24.10.16
選挙ポスター条例、鳥取県であす施行その内容は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「選挙ポスター条例、鳥取県であす施行その内容は?」
吉田:選挙ポスターの掲示板に、支持を呼びかける目的以外のポスターの掲示を禁止するなどとした、鳥取県独自の条例案が先週木曜日の県議会で可決成立しました。17日に施行され、衆議院選挙も適用の対象となります。塚越さん、こちらがどういった条例なのか教えてください。
塚越さん:まず多くの人が思いつくことだと思いますが、この条例のきっかけは、今年7月の東京都知事選です。この時は、掲示板に貼るポスターの内容をお金で買えてしまう方法が取られたり、1つの掲示板に同じポスターが大量に貼られたり、またほぼ裸の女性の写真のポスターが貼られることなどがありました。これらは明確な法律違反ではありませんが、想定外の方法ですしグレーゾーンというより、「一線を越えた」ものとして問題になりました。こうしたことを受けて鳥取県は、適正な選挙のために選挙ポスターに関するルールを明記した独自の条例案をつくり、10月10日の県議会で全会一致で可決成立しました。今度の衆議院選挙でも適用されることになります。この条例では、選挙ポスターの掲示板で禁止するものとして、財産上の利益を得る目的のもの(お金目的)、複数の同じポスターの掲示、また「候補者と無関係な第三者による掲示」などがあります。要するに、選挙で支持を呼びかける目的以外のポスターは掲示してはならないということです。この条例、罰則規定などはありませんが、禁止されたポスターが掲示された場合は、県などの選挙管理委員会が撤去命令などの措置を取るとしています。総務省によれば、こうした条例が地方自治体で制定されたことは「聞いたことがない」とのことなので、全国初かなということです。
吉田:選挙ポスターのあり方をめぐっては、与野党が公職選挙法の改正を協議していましたが、この協議はどうなりましたか?
塚越さん:自民公明の両党は、選挙ポスターに「品位保持規定」を新設する「公職選挙法改正案」を国会に提出することは見送りました。野党とも対応を協議していたのですが、解散が早くなり時間切れとなりました。これまでの与野党の5党はポスターの品位保持と候補者氏名の記載を義務付けることで合意しています。この問題は選挙後に改めて議論するということですが、現状では、鳥取県の例もありますし、細かい点でどうなるかは分かりません。法改正の方向に向いていることは確かだと思います。ただ1点注意しておきたいことは、次の選挙は鳥取県以外、従来通りと同じ、ほぼ「ノールール」ということですね。このあたりは注意が必要かなと思います。
ユージ:選挙ポスターをめぐる動きについて、塚越さんは、どうご覧になりましたか?
塚越さん:多くの人が、この話を聞いて規制は「まあ妥当」だと思われると思いますし、私も基本的には仕方ないよなと思います。ただ、野党の一部が反対している「表現の自由」の侵害になってしまうということを言っています。私も基本的には仕方ない。そうだよなと思います。これがどういうことかと私なりに解釈すると、それは「権力の恣意性(どうとでもなる力)」が発揮されてしまうということです。どういうことかというと、「品位保持」といいますが、「品位」はかなり抽象的ですよね。品位という時代にも左右されますが、権力者によっても左右されます。例えば既存の政治や選挙に対して批判的な表現が選挙で行われたとしても、今後はそうした表現が「品位がない」と丸ごと撤去される可能性になります。結局、得をするのは既存の政治権力です。グレーゾーンを狙って社会を改革しようという動きが全面的に排除される可能性があります。例えば、ポスターとは異なりますが、7月の都知事選でもかなり強引な選挙妨害が行われた結果、警察が厳重に警戒する中で候補者が演説することになりました。物々しい雰囲気では、周囲の熱気も分かりませんし、聞く方も萎縮して冷めてしまいます。とりわけ無党派層の一票がなくなれば、多くの国民の多様な声が反映されないわけで、これも結局は既存の権力者の有利になるのかなと思います。考えてみると社会を改革したいなら、やりすぎはダメなんだと私は思います。前回の7月の都知事選でのポスターは間違いなくやりすぎです。やりすぎた結果、権力者にとって都合が良い結果を生むという負の側面もあります。このように考えてみると、みんなが賛成できる条例1つとっても、そう単純じゃないことが分かります。1つの政策をつくることは、100%良い/悪いというものは基本的にありません。作って良いのですが、ある種、権力者が有利な方向に動いてしまいます。でも仕方ありませんよね。「やりすぎない」ということも大事ですし、そういうのを私たちは見ていく必要があります。あとは、ポスターというのは今後を考えてみるとお金がかかるなど色々ありますよね。ただ、ネットをもっと使おうとなるとやりすぎがもっと増えるという可能性があります。そう考えると、制度1つとってもなかなか難しいということです。
ユージ:ネットはやはり進めていくべきかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 16, 2024
『選挙ポスター条例、鳥取県で あす施行 その内容は?』について…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 16, 2024
自民・公明の両党は、選挙ポスターに「品位保持の規定」を新設する「公職選挙法改正案」の提出を見送りました。衆議院の解散が迫って時間切れのためでしたが、これまでの与野党間の 5…
#ユジコメ③…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 16, 2024