24.09.24
立憲民主党の新代表が決定。求められる野党 第1党の役割とは?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
「立憲民主党の新代表が決定。求められる野党 第1党の役割とは?」
吉田:立憲民主党の代表選がきのう投開票され、野田佳彦元総理が新代表に選出されました。神庭さん、この結果をどうご覧になっていますか?
神庭さん:野田さんが元々リードしていると言われていましたが、そのまま押し切った横綱相撲のようだったなという感じです。
ユージ:素朴な疑問ですが、いま自民党の総裁選が話題になっていますが、どうして立憲民主党の代表選が同じタイミングだったのでしょうか?
神庭さん:完全に狙って行っています。実質的に次の総理が決まるということで、メディアも有権者もどうしても自民党総裁選の方に目が行ってしまいがちですが、それだと立憲民主党の存在感が薄れてその後の解散総選挙の影響が出てしまいますから、野田さんが以前から自民党総裁選でメディアジャックされていると話していました。近い時期に代表選をぶつけるのも、危機感の表れかなと思います。
吉田:ところで新代表の野田さんは、元総理ですが改めてどんな方か教えてください。
神庭さん:千葉県船橋市生まれの67歳。松下政経塾を経て、1987年に千葉県議に初当選。1993年の衆院選に日本新党から立候補して初当選して、2011年には民主党政権で3人目の総理大臣になりました。総理を経験してからも、毎朝のように駅頭に立ってビラ配りをしているのは有名な話ですよね。2012年に民主・自民・公明の3党で消費税を5%から段階的に10%に引き上げることに合意して、その後の解散総選挙でボロ負けし、自民党に政権を明け渡しました。この一件に関しては、いまだに野田さんを批判する声も根強いです。政治的なモットーとしては「極論の先に、真の解決はない」と話していて「中庸の政治」を掲げています。その言葉通り、政治スタンスは中道寄り。立憲民主党のなかでは保守的な方だと言えると思います。安全保障や原発政策なども現実路線をとっています。
ユージ:実際に元総理経験者でもある、野田さんが代表になって立憲民主党に何か変化ありそうですか?1番気になるのが、他の野党との距離感の変化です。立憲民主党は、選挙で共産党と共闘してたときに立憲共産党と揶揄されてきました。一方、野田さんは7月の段階で維新や国民民主との関係が野党連携の軸足になると話しています。日経新聞によると代表選の討論会ではこんな風にも語っています。立憲民主単独で取れるという現状ではない。野党勢力の議席を最大化し自公を過半数割れに追い込む。穏健な保守層に支持を拡大したときに、はじめて政権交代のチャンスがあります。現状、党としてはやや左に位置付けられていますが、これを中道寄りに移してウィンクを広げていくようなイメージですね。党内の左派とどうやって折り合いをつけていくかというのが、注目だと思います。
吉田:今後の立憲民主党に求められるものは何でしょうか?
神庭さん:これは野党の役割をどう考えるかによりますが、単に与党に関する批判勢力と考えるのなら、例え万年野党になったとしても、とにかく反対というのがいいと思います。岩盤支持層を固めて、コア支持層にウケのいいことを言おうという話になります。ただ、私としては野党はただの反対勢力にとどまらずに政権交代可能なまとまりであるべきだという風に思います。それができると与党の側からもおごりが消えていつ取って変わられるか分からないという健全な緊張感が生まれます。そういう視点で考えると野田さんは自民にとっては手強い存在なのではないかなと思います。
ユージ:与党にプレッシャーをかけられる野党になるために、野田さんが持っている強みは何かありますか?
神庭さん:安倍元総理の弔辞が評判になりましたが、野田さんは立憲支持者以外の保守層からもウケがいいです。自民の総裁選を制するのは、43歳の小泉進次郎さんがなっても初の女性総理になるかもしれない高市早苗さんでも反主流派の石破さんでも自民党側は刷新感がキーワードになります。迎え撃つ立憲としては、同じような方向性でやっても仕方ないですからベテランの安定感でどんと構えておくということです。総理経験者の野田代表であれば、刷新感の自民と安定感の立憲民主党という対立軸ができるのではないかと思います。
吉田:一方で、自民党の総裁選は9月27日に投開票が迫ってきていますね。
神庭さん:自民党は総裁選の勢いを駆って近々にあるとみられている衆院選でも議席を取りたいところだろうが、来年の夏に今度は参院選があります。政界、一寸先は闇。その時に自民党内がどうなっているかは誰にも分かりません。仮に党内に強い支持基盤を持たない非主流派候補が新総裁になった場合、冷や飯食いに転落した勢力が不満を溜め込んで党内がゴタつくこともおかしくありません。立憲の課題としては、そのタイミングで「野田立憲は安定感があるね」「任せても大丈夫かもね」と有権者に思ってもらえるかどうか、衆参のねじれを生み出せるかどうかというところで、恐らく野田さんはその辺りも見据えていると思います。自民の総裁選と立憲の代表選の「答え合わせ」というのは実は衆議院選ではなくて来年の参議院選になるのではないかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 24, 2024
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 24, 2024
立憲民主党の今後の注目すべきポイントは、まずは政権交代を見据えられるほど与党と対抗できる立場になれるかです。これには野党同士がきちんと連携して立ち向かえるかが鍵になります。その上でも、経験豊富な野田さんは大きく貢献するのではないかと思います。 #ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 24, 2024
与党と対立する立場を明確にする意図もあって、総裁選のタイミングを自民党に合わせたという解説にも納得感がありました。野田さんと実りある討論を繰り広げる自民党側のトップが誰になるのか、注目していきたいと思います。#ワンモ