24.07.10
認知症の行方不明者、およそ1万9,000人で過去最多必要な対策は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「認知症の行方不明者、およそ1万9,000人で過去最多必要な対策は?」
吉田:去年1年間に全国の警察に届け出があった認知症の行方不明者は、延べ人数で前の年に比べて330人増えて1万9,039人だったことが、警察庁のまとめで分かりました。統計を取り始めた2012年から11年連続で過去最多を更新しています。塚越さん、まずは認知症の行方不明者の人数について教えてください。
塚越さん:警察庁によりますと、認知症やその疑いがあり徘徊などで行方不明になったという理由で去年届け出があったのは延べ1万9,039人です。2012年の統計を取り始めて以降、1番多くなって2014年と比べても約1.8倍に急増しているということです。ただ、届け出のあった1万9,039人のうち、およそ99%は届け出が受理されてから3日以内に見つかっていて、届け出から1年以上経過して発見された方も2人いました。また全体の95%にあたる1万8,175人は去年のうちに生存して所在が確認されているのですが、一方で502名の方は亡くなって見つかり、250人は去年のうちに発見されなかったということです。
吉田:行方不明になっても、95%の方は所在が確認されているんですね。どのような方法で所在を確認しているのですか?
塚越さん:警察庁が捜索に使われたツールを初めて調べたところ、去年7〜12月にはドローンで3人発見されました。崖下の川岸で身動きが取れなくなっていた70代の男性は、熱を感知するカメラを搭載したドローンで発見されたということです。また、行方不明者の服や靴に取り付けたGPS機器を活用して発見された方が71人いました。例えば、埼玉県の70代の女性が翌日に仙台市内で発見されたケースもあったということで、GPSはこれからどんどん活用されるかなと思います。
ユージ:認知症で行方不明になってしまう方に対して、今、対策としてはどんなことが行われていますか?
塚越さん:早期発見ができたり、また安心して外出できるよう後押しする取り組みが色々と行われています。例えば、アプリです。まず、認知症の当事者が持ち歩くつえやリュックに、10桁のIDや電話番号を書いて貼る、小さなステッカーがあります。このIDは無料のアプリ「みまもりあいアプリ」と連動していて、家族が指定した半径20キロまでの範囲で、ダウンロードしている地域の人たちに捜索依頼が出せます。通知を受けた協力者は、スマホに表示される当事者の顔写真や特徴をもとに近所を見回り、発見した際は電話したり、IDを入力すると居場所などの情報が家族に伝わるというものです。アプリの運営企業によれば、2017年4月に開始して以降、およそ200万件ダウンロードされているということです。2023年度の捜索依頼は4万5,075件に上っており、実際に協力者の連絡で保護されるケースもあるということです。ユーザーが増えれば増えるほど発見の可能性が増え、他にも自治体がGPS機器を貸し出すケースもあります。群馬県前橋市では、ベルトポーチやコインケース、あるいは靴の中に装着できるGPS機器を月額1,000円で貸し出しており、家族がコールセンターに問い合わせると場所を確認できます。8年前からはじまったこのサービス、これまでに計344台貸し出されており、7割以上が1時間以内に発見されたということです。
ユージ:靴の中、いいかもしれないですね。
塚越さん:さらにこの前橋市では、7桁の登録番号を書いたキーホルダーを無料で配布しており、行方不明者が発見された時に番号と照合して人を特定する仕組みもあります。さらに福井県福井市では、登録した人にQRコードがついているシールを配布しており、行方不明の時など発見した人がQRコードから家族に連絡するという仕組みを導入しています。QRコードのシールなどは、簡単でいいのかなと思います。
ユージ:これだけ手軽で、効果があるというのはいいなと思います。認知症で行方不明になってしまう方の現状、塚越さんはどうご覧になりましたか?
塚越さん:当事者や家族が不安なのはよくわかる一方で、だからといってずっと家にいるのは当事者の健康によくないですし、認知症の症状も進んでいます。昨今は認知症の関係当事者たちでつくる団体もつくられており、当事者同士のコミュニケーションだったり、社会との関わりを保つことを重視し、地域社会での交流なども行われています。家族の負担軽減の意味もあり、認知症の当事者が外に出ることを妨げるのはよくないと一方で思います。だからこそ、万が一のことがあってもGPSやQRコードといった情報技術をうまく活用して、何かあっても発見できる仕組みをつくることが大事です。非常にバランスが難しいのですが、ずっと家にいるのは難しいですし、外に出た時は何かあっても何とかできるだという状況をつくる。あとは、住んでいる方々が声かけとかこういうことがあることを知ることが大事だと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 10, 2024
『認知症の行方不明者、およそ 1万9000 人で過去最多 必要な対策は?』について…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 10, 2024
僕の親族にも認知症を患っていた お婆ちゃんがいて、
家にいる時は、物忘れが激しくなってもサポートできますが、居場所が分からなくなってしまうと、どうにもできないので、対処法の一つとして GPSは良い方法の一つだと思います。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 10, 2024
しかし、認知症を患っていても、勝手に居場所を追跡することはせず、しっかり本人と話した上で、家庭内のルールなどを設けた方が良いと思います。また、一緒に暮らす家族の負担が大きいため、周囲の方々と協力しつつ、専用のアプリや、GPSを活用する考えはありだと考えます。#ワンモ