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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.06.12

新紙幣、来月3日に発行 企業の対応は進んでいるのか?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「新紙幣、来月3日に発行 企業の対応は進んでいるのか?」

吉田:およそ20年ぶりの新紙幣の発行が始まる7月3日まで、1カ月を切りました。企業は、自動販売機や券売機などの機器の改修を急いでいるということです。塚越さん、まずはこの新紙幣について改めて教えてください。


塚越さん:7月3日から新紙幣が発行されます。紙幣はそれぞれ人の肖像がデザインされますが、まず10,000円札は「渋沢栄一」。近代日本経済の父と呼ばれ、日本初の銀行の設立に関わったことなどで有名です。5,000円札は、日本で最初の女子留学生としてアメリカで学び、津田塾大学の創始者で有名な「津田梅子」。1,000円札は破傷風の治療法を開発したことなどで知られる、細菌学者の北里柴三郎の肖像がデザインされます。紙幣のデザイン変更は2004年以来20年ぶりで、変更の目的は偽造防止の強化と誰でも利用しやすい「ユニバーサルデザイン」の導入となっています。キャッシュレスも普及しつつありますが、やはり偽造の技術も進んでいくので偽造防止のためにこれまでも概ね20年ごとに紙幣は変更されてきました。


吉田:新紙幣に対する企業の対応は、どのぐらい進んでいるのでしょうか?


塚越さん:財務省が各業界を対象として今年の5月に実施した調査によれば、発行開始までに新紙幣が使えるようになる機械の割合は、金融機関の「ATM」では9割以上でした。また小売店のレジや交通機関の切符の発券機も、8~9割ほど準備が進んでいて、コンビニではお客さんが機械に紙幣を入れる「セルフレジ」だったり、金融機関もほぼ間に合いそうです。一方、対応が遅れているものとしては「飲み物」の自販機で、現状は2~3割程度です。業界団体の「日本自動販売システム機械工業会」によれば、自販機は全国でおよそ220万台あります。大手飲料メーカーの担当者によれば、新紙幣に対応させるには一台あたり数万円かかるということで、使用頻度の高いところから手をつけているものの、このメーカーでは2025年度末になっても対応できるのは8割程度とのことです。お金も時間もかかるということですね。


吉田:新500円玉がまだ使えないところがありますよね。


塚越さん:また飲食店の発券機や駐車場の精算機も、今のところ対応できているのは5割程度でとりわけ個人店や小規模チェーンの飲食店は厳しいです。そもそも人手不足等への対応で食券を導入している店舗が多いのですが、昨今の食材高騰など、どんどんコストが上がっているなかで、新紙幣に対応する余裕はないし優先順位も低いということです。


ユージ:発券機を新紙幣に対応するものに替えるとしたら新たな出費になるので、特に個人経営のお店は影響を受けそうですね?


塚越さん:そうですね。共同通信が取材した都内のラーメン店の経営者は、およそ800万円かけて経営する店舗全店(4店舗)の券売機を新調したといいます。国の補助金を考慮しても半分の400万円は持ち出しで、ラーメンを一杯50円値上げしたのですが、8万杯売らないとその資金は回収できないということです。人手不足の影響もあり、発券機は店にとって必需品ですが、値上げによる客離れと板挟みの状態にあるということです。同じく共同通信が伝えているバス業界も、人手不足や燃料費の高騰で大変な状況にあります。日本バス協会の担当者によれば、バスの運賃箱は1台100万~200万で、新紙幣対応は、事業者によっては億単位のお金がかかる可能性があるといいます。お金がかかるので無理という場合は、運転手が手作業で新札を旧札に交換しなければならないので、こうなると時間的なロスを含めて労働コストがかさみます。


ユージ:新紙幣の発行によって、キャッシュレスが進むという見方もありますよね?


塚越さん:これだけコストがかかるので、事業者や特に個人店の場合は、もう両替機や自動販売機の新札対応は諦めて、導入費用の少ないキャッシュレスに切り替える可能性が考えられます。日本は来年の6月までに(クレジットカードやQRコードを利用する)キャッシュレス決済の比率を全体の40%にする目標を掲げているのですが、去年の段階で39.3%まで増えており、この流れを促進すると見られます。ただし、韓国は9割を超えて中国も8割アメリカでも5割を超えています。どんどん進めていこうということです。新紙幣が登場するのにキャッシュレスが増えるというのも皮肉な話ですが、副産物としてキャッシュレスが普及するという可能性は考えられます。


ユージ:新紙幣の発行について、塚越さんはどうご覧になっていますか?


塚越さん:日銀は来年3月までに現在発行されている紙幣の46%を印刷する予定なので、思ったより新札の普及がはやいです。そうなると、ビジネスのことを考えるとキャッシュレスという判断は、分かるなと思います。一方で、現金を使う方もいますし特に公共交通機関は現金の方もいるので全部一気に変えるのはなかなか難しいところです。そして、1番気を付けていただきたいのは詐欺の可能性もあります。気をつけてください。20年前と比べてSNSが発達しています。財務省も注意喚起を行っていますが、旧札が使用できるのにSNSで旧札が使えなくなるので交換するといった詐欺が広がる可能性があるので必ず近くの方に言ってください。旧札は使えますし、そういった詐欺が出てくる可能性がありますので気を付けましょう。みなさん、覚えておいてください。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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