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24.06.10

東京都がマッチングアプリ提供へ
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。


今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


「東京都がマッチングアプリ提供へ」

吉田:先週1人の女性が産む子どもの数の指標となる出生率が1.20となり、過去最低となったというニュースをご紹介しました。最も低かったのは東京都で、初めて1を下回っています。そうしたなか、東京都では婚活支援のために独自のAIマッチングアプリの開発を進めており、夏にも提供を始める予定ということです。


神庭さん:どんなものかというと東京に住んでいるか、都内で働いている、学んでいる人で結婚を希望している18歳以上の独身の人が対象です。登録には、年収や最終学歴などを入力する必要があります。朝日新聞によると、お相手に開示するための情報として、仕事内容や年齢、身長、結婚歴、子どもの有無、喫煙の習慣といった個人情報の入力も求められます。


ユージ:結構、細かい情報を入力しますね。年収も学歴も書くんですね。身長は、自治体のアプリにしては生々しいですね。


神庭さん:そこは議論のあるところで、行政が税金をかけてまでやるべきことなのか?という批判や疑問の声は根強くあります。人間は年収や身長だけじゃありませんよ、というエクスキューズのつもりなのか分かりませんが、AIによるマッチングもウリにしています。価値観診断をもとにAIがマッチングするそうで、東京都のサイトには《見た目や条件だけでは測れないものが思わぬ出会いをもたらすかもしれません》と書かれています。


吉田:民間のマッチングアプリとの違いは何ですか?


神庭さん:入会審査がかなり厳格なのが一番の違いです。「独身証明書」を本籍のある自治体で取得して、源泉徴収票などの年収を確認できる書類、プロフィール写真を提出する必要があります。


ユージ:いわゆる嘘プロフィールは作れないんですね。それはいいですね!


神庭さん:冷やかしではなくて、結婚前提の真剣交際を希望していることの証として、誓約書も出さないといけません。さらに入会前に担当者との面談も必須です。民間でそこまでやるマッチングアプリはあまり聞いたことがないので、マチアプというより結婚相談所に近い印象ですね。


ユージ:なぜそこまで厳しく審査するのですか?


神庭さん:逆に言うと、民間のマッチングアプリがガバガバすぎます。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの2021年の調査によると、マッチングアプリの利用に伴ってトラブルや困ったことがあったと答えた人が6割弱います。複数回答ですが、最も多かったのが「顔や体型等の見た目が写真のイメージと明らかに違った」の4割くらいあります。この他にも「サクラがいた」「年齢・収入・職業・居住地等のプロフィールを詐称された」「商品やネットワークビジネス、投資、宗教等の勧誘を受けた」「交際や婚姻の状況を詐称された」といった声も多く、なかには「詐欺にあった」「ストーカー行為をされた」という人もいます。こういった民間のアプリとの差別化で審査を厳しくしているわけです。今のところ否定的な意見が多い都のマッチングアプリですが、この点に関しては「安心感がある」と評価してる人もいます。


吉田:他の自治体でもこうした例はありますか?


神庭さん:埼玉県は2018年10月にマッチングシステム「恋たま」を開設しています。これまでに476組の成婚に結びつきました。登録料は2年分で一般1万6,000円。宮城県は2021年11月に「みやマリ!」をスタートし、166組が結婚しています。登録料は2年で1万1,000円、20代は半額の5,500円です。京都府も「きょう婚ナビ」というAIマッチングサービスを提供しています。料金は格安で実費相当の3,000円です。ちなみに、東京都も有料での提供を視野に入れている報じられていますが、今のところ金額は不明です。


ユージ:こうした自治体の官製マッチングアプリが広がっているのはやはり少子化への危機感からですか?


神庭さん:1番はそこだと思います。去年、2023年の合計特殊出生率は1.20で過去最低でした。1番低かった東京都は0.99で1を割りました。出生数の方も72万人余りで過去最低です。参考までに30年前の1993年が約119万人。10年前で約103万人ですから、この10年だけで、いかに急激に落ちているか分かります。


吉田:マッチングアプリに効果はあるのでしょうか?


神庭さん:残念ながらありません。いま50代前半の団塊ジュニアが20代だった30年前にマッチングアプリがあったら、効果があったかもしれません。実際には、就職氷河期世代の方々は結婚・出産どころではありませんでした。今さら大騒ぎしても遅いです。これまでも何度かお話しきてきましたが、少子化の大きな原因は未婚化であって、結婚した夫婦から生まれる子どもの数はそこまで落ちていません。なので、「婚姻数を増やそう」という方向性は間違っていないですが、マッチングアプリという手段が絶望的にまずいです。


ユージ:どういうことですか?


神庭さん:年収や身長が高くて、若くて安定した仕事にもついているなら、アプリの力など借りなくてもとっくに結婚しています。一部の恋愛強者のところにたくさんお相手候補が集まり、婚活格差が拡大するだけになると思います。わざわざ役所がアプリをやらなくても、民間のマッチングアプリの審査を厳格化すればいいだけの話だと思います。お金や仕事がなくて結婚・出産ができない、都心では子育てが嗜好品になりつつあるという大もとの原因ですから、そこに目を向けるべきだと思います。マッチングアプリ事業の予算分だけ若年層に減税して可処分所得を増やしてあげる方がよっぽどマシだと思います。


ユージ:確かに、上手くバラけないんですよ。バレンタインでも、チョコレートを貰う人は1人で大量に貰いますね。みんなが均等に貰えれば苦労しません。いい人同士が会えるような仕組みになればいいなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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