network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.05.29

二酸化炭素を地中深くに貯める技術『CCS』 地球温暖化対策になるのか?
null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


【二酸化炭素を地中深くに貯める技術『CCS』 地球温暖化対策になるのか?】

吉田:工場などから出た二酸化炭素=CO2を回収し、地中深くに貯める取り組みが日本でも本格化しています。「CCS」と呼ばれる技術で、温暖化対策の柱の1つとして、官民が一体となって事業化を目指しているということです。塚越さん、「CCS」聞き慣れない言葉ですが、こちらが何なのか教えてください。


塚越さん:CCSとは、工場や発電所から排出されるガスや、空気中のCO2を分離して回収。それを地中に埋め込む技術で、英語の二酸化炭素、回収、貯蓄の頭文字をとって「CCS」といいます。CCSの研究はアメリカなどの海外で1970年代から始まっています。日本では現在のところ、実証実験を行っているのは北海道の苫小牧市だけですが、経済産業省は去年、国内5か所を事業者として重点的に支援する方針を決めており、2030年の実用化を目指すとのこと。さらに2050年には20~25か所で実用化したいということです(そういう意味ではまだ先の話になります)。また経産省は、この2050年までに、現在のCO2排出量の10~20%にあたる、年間1億2,000万~2億4,000万トンを貯蓄する計画です。今月17日には、CCSの事業環境を整備するための新たな法律が参議院本会議で賛成多数で可決成立しています。


吉田:北海道苫小牧で、この「CCS」の実証実験を行っているということですが、どのようにして二酸化炭素を地中に閉じ込めているのですか?


塚越さん:「苫小牧CCS実証試験センター」は、日本で初めての本格的な実証実験施設で電力会社や石油元売り会社などが共同で出資する「日本CCS調査」が運営しています。この施設で、まず火力発電所などの排ガスからCO2を分離回収します。その後、CO2を液体のような状態にして、圧力をかけて地中1,000~1,200メートルの場所に送り込むということです。また、地中で貯蔵するCO2が漏れ出さないように、空気を通さない蓋の役割を果たす水分を含んだ泥岩(ドロが固まった小さな岩)などのある地層が必要ということで、これに適している沿岸部(海岸近く)に実験施設はあります。この施設では2012年から事業がはじまっており、これまでにおよそ30万トンのCO2を閉じ込めており、異変が起きないかモニタリングを行っているとのことです。担当者によると、地中に貯蔵するCO2は1000年後も地層にとどまるとのことです。


ユージ:この「CCS」。官民が一体となって事業化を目指しているということですが、この背景についても教えてください。


塚越さん:まず日本は現在、電力のおよそ7割を火力発電に依存しており、日本が排出するCO2のおよそ4割はこの火力発電に由来します。昨今は生成AIなどが目立ちますが、実は生成AIを利用するには大量の電力が必要なこともあり、電力需要は増加が見込まれています。ただ、火力発電を大幅に減らすのはすぐには難しい。そこで政府は、CCSによって火力発電からの排出量を抑えたいと考えているわけです。


ユージ:地中に閉じ込めた二酸化炭素は、そのままで大丈夫なのかなと心配になったのですが、塚越さんは「CCS」についてどうご覧になりましたか?


塚越さん:はっきり言って、私はもっとやることはないのか?という疑問を持っています。まず、課題としてはコストの問題があります。苫小牧の施設は整備費用だけでおよそ300億円に達していて、CO2の回収から貯蔵までのコストも、1トンあたりで1万円を超えたということです。2050年までに少なくとも1億2,000万トン貯蔵したいなら、1.2兆円かかることになります。複数箇所につくるなら整備費用だけでさらに費用がかかります。さらにCO2が漏洩したとしても、CO2はどこにでもあるので、漏洩したのかどうかを見分けるのが難しかったり、原子力のゴミならまだしもCO2がバーッと当たると中毒症状が出たりします。管理費もお金がかかります。今の再生エネルギーが議論されているなかでゴミというわけではありませんが、CO2を地中に留めるのはお金もかかりますしそもそも発想としてちょっと古いんじゃないの?と思います。それだったら、問題はありますが再生可能エネルギーの方にもっとリソースをふっていかないと限りあるお金なので僕はもう少しやることがあるのかなと思います。色々なやり方を考える中で1つの手というのは分かるのですが実際70年代から色々研究があります。そうなってくると、海外でも貯蔵のものをやろうとして日本が輸出する計画もして環境団体が反対する意見もあります。聞いたことなかったという人も多かったと思いますが、検索してみていただけるといいかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top