24.05.22
2024年問題対策で『自動物流道路』を整備へ その課題は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「2024年問題対策で『自動物流道路』を整備へ その課題は?」
吉田:国土交通省は先週火曜日、人手を使わないで荷物を運ぶ「自動物流道路」の実験線を設ける考えを示しました。これは、物流の停滞が懸念される「2024年問題」への対処策の一つということです。塚越さん、この「自動物流道路」とは何なのか教えてください。
塚越さん:無人のカートが荷物を運搬するため、スイスなどで検討が進んでいます。日本でも10年後を目途に実現する構想が検討されています。この自動物流道路ですが、例えば高速道路の土方だったり中央分離帯、あるいは地下空間の利用が想定されています。自動で動く無人のカートが荷物を運搬するということなので道路を整備して、物流の効率化を目指します。またカートは再生エネルギーを使う案も出ていてC02排出量を削減して脱炭素も目指すということです。
吉田:日本の「自動物流道路」について今はどのような状況ですか?
塚越さん:まずは国土交通省が「実験線」をつくるということで、その場所は荷物が集まる拠点を結ぶ路線などが考えられています。実際にそこでカートの制御や電気の供給、荷物の積替えの自動化を検証研究します。その上で、実際に自動物流道路を整備するのは東京~大阪間を想定しています。
ユージ:この「自動物流道路」、海外でも検討が進められているようですね?
塚越さん:そうですね。スイスでは主要な都市と都市を結ぶ地下トンネルで自動運転カートを走らせる構想を掲げており、実際2021年に成立した「地下貨物法」で正式に計画が進んでいます。スイスでは地下に24時間体制で自動輸送カートが走る専用トンネルを建設して、主要な都市を結ぶ総延長500キロのシステムが構想されています。2031年にチューリッヒ~ヘルキンゲンという都市の間、およそ70キロの運用を開始して、2045年までに全線を開通予定です。今のところ500キロの全線開通にかかる総費用は、約5兆円です。なぜここまで費用がかかることをするかというと、国土交通省の資料によればスイスは2017年に850万人だった人口が2030年に950万人に増えると予想されています。また2040年には、2010年と比較して貨物量がおよそ40%増えるといった予測があり、現状の輸送に限界を感じたということですね。自動運転カートはトンネル内にある3つのレーンを、時速30キロで24時間体制で稼働させます。また将来的に自動カートは100%再生可能エネルギーにするといいます。他にも、物流ターミナルから直接自動レーンに接続するなど、様々な工夫が考えられていますし、早くて2031年です。他にもオートメーション化などまだまだやれることが増えてくるといいます。他にもイギリスでは、鉄道レールの横に「リニアモーター」を活用した物流専用道をつくる計画(Magway system)を進めています。その名の通り、電磁気力を動力として、輸送専用に開発した低コストのリニアモーターによる完全自動運転による物流システムです。こちらはロンドンの既存の鉄道内に、16キロの専用レーンをつくるというもので2021年から検討しており、2025年に許可が取れれば目標として2028〜30年には稼働したいということです。これは、もう少しコンパクトな方法ですね。
ユージ:僕のレーダーに全くなかった情報だったので興味深いです!「自動物流道路」について、塚越さんはどうご覧になりましたか?
塚越さん:物流問題ではいつも言っていることですが、人口減少が進む日本で費用対効果を考える必要があります。スイスは人口が増えています。そして気になる工事費用ですが、現在の技術を前提にすると10キロが当たりで地上の場合およそ250億円、地下の場合は70億円から800億円かかるという試算があります。10キロですが、物価高騰でもっと価格が上がるかもしれませんし、東京~大阪間はだいたい500キロです。
ユージ:10キロは物流の世界でいうとすぐそこの話ですから、基本トラックの運転手さんも長距離の方がすごい多いですから。
塚越さん:それで、最低でも70億で最大800億かかるということです。実際、完成した場合もトラックで輸送してる荷物のうち最大26%程度を振り分けられます。もうちょっと何とかならないかなと思いますね。個人的には厳しいですし、イギリスのような形なら何とかできるかなという気がしますね。
ユージ:今のトラック運転手の負担が26%減ということですね。なかなか、お金がかかるということですね。ここまでお金をかけて頑張ったとしても26%しか賄えないのですね。
吉田:賃金上げて貰った方がありがたいですね。
塚越さん:だから、思うのはオートメーション化は大事だと思います。今いるドライバーさんを大切にすることだったり、あるいは一律に賃金を上げること。僕らもやっぱり、物の値段は上がるけどそれはいいと思います。そうしないといけないということで、そうじゃないといま物流問題で輸送能力がどんどん下がると言われているのでこれをつくるのかドライバーさんを大事にして賃金を上げてそれから我々も負担するのかその意味では我々に問われている問題でもあります。
ユージ:どちらかというと、物流による渋滞緩和などそっちが目的なら1つ解消するのかなと思います。人手不足は賃金を上げて何とかなるんじゃないかなと思いました。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 22, 2024
「2024年問題対策で『自動物流道路』を整備へ その課題は?」について
無人のカートなどで荷物を自動で運搬する構想で、日本でも10…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 22, 2024
物流問題が抱える、人手不足や労働時間など、その専用レーンができれば、交通渋滞の解消にも繋がり、人が怪我をするリスクも減ります。しかし、実現させるためには、莫大な予算が不可欠な点と、現状の交通網を乱さずに工事作業を進めていけるのかなど、課題が多くあります。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 22, 2024
仮に目標通りに自動物流道路ができたとしても、最大26%までしか賄えないことに驚きました。これだけの整備をするならば、少なくても50%以上補える整備をしてほしいし、今後の費用対効果が一体どれくらい見込まれるのか、注目したいです。#ワンモ