24.05.20
Google、検索サービスに生成AI導入

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
「Google、検索サービスに生成AI導入」
吉田:先週アメリカのOpenAIがチャットGPTの性能向上を発表し、話題になっていましたが、その後すぐにGoogleは、生成AI「Gemini」の検索サービスへの導入を拡大すると発表しました。神庭さん、改めて今回のニュースの概要を教えてください。
神庭さん:Googleの生成AIを使った検索機能「SGE」は去年から試験運用が始まっていたので、使ったことがある人もいるかもしれません。調べたいことを検索すると検索結果の一番上にAIによる概要が出てきます。あわせて出典となる複数のサイトのリンクも表示され、情報のソースがわかる仕組みになっています。SGEの試験運用から1年経ったので、「AIオーバービュー」と名前を変えて広く一般にも提供しよう、というのが今回のニュースです。まずアメリカでスタートして、順次広げていくということです。日本での開始時期は未定ということです。
吉田:検索が便利になるということですか?
神庭さん:私が使っているのは試験運用段階のものなので、使用感は厳密には違うかもしれませんが、便利は便利です。1つ1つのワードに区切って、「ユージ」「JOY」「関係性」みたいに検索しなくても「ユージとJOYって兄弟なの?」みたいなざっくりした会話文で聞いてもちゃんと答えが返ってきます。実際、2人は兄弟ではないのですが、そういうのをちゃんと教えてくれます。あと、個別のニュースサイトなどに飛ばなくてもオーバービューだけで事足りることもあります。求める答えを得るのに、これまで2クリックしていたものが、1クリックで済むわけです。ただ、正確性にはやや難がある。少し複雑なことを聞くとズレた答えが返ってきますし、出典が間違っていることも結構あります。
ユージ:他にはどんな発表がありましたか?
神庭さん:Googleの生成AI「Gemini」の最新版「Gemini1.5Pro」日本語を含む35以上の言語で提供することも発表されました。最新版では一度に読み込める情報量が100万トークンに増えまして、具体的にどんなシーンで役に立つのか?Google側は・賃貸契約書のペットに関する規定を探し出す、複数の長い研究論文の主な論点を比較するなど、情報量の多い文書について、スピーディーに回答や分析を得られると説明しています。
ユージ:すごいですね。GoogleのAI検索の課題はありますか?
神庭さん:Geminiに聞いたら、こんな風に答えました。1つ目は、情報の正確性と信頼性です。AIが生成する情報は、必ずしも正確であるとは限りません。2つ目は、WEBサイトへのトラフィック減少です。AIが検索結果を要約してしまうため、ユーザーがWEBサイトにアクセスする機会が減る可能性があります。3つ目は、著作権の問題です。AIが生成する情報には、既存のコンテンツからの引用が含まれる場合があり、著作権侵害の問題が発生する可能性があります。4つ目は、多様性の欠如です。AIが生成する情報は、アルゴリズムによって決定されるため、多様な視点や意見が反映されない可能性があります。5つ目は、プライバシーの問題です。AI検索を利用する際、ユーザーの検索履歴や行動データが収集される可能性があり、プライバシー保護の観点から懸念があります。以上がGeminiの回答です。おいおい、よく分かっているじゃないかという回答。「AI検索の情報を鵜呑みにせず、情報の真偽を自分で確認する習慣を持つことが重要」と他人事のように説明していました。
ユージ:自己分析ここまで言える奴すごいですね!GoogleのライバルのOpenAIも「GPT-4o」を発表しましたね。
神庭さん:「GPT-4o」はChatGPTの最新版です。全体的に機能がアップしているのですが、特に音声機能が素晴らしいです。人間とほとんど変わらない速度で会話ができます。ちょっとしたことであれば、文字検索よりも音声検索の方が手っ取り早いですから、検索で正しい結果を得るにはそれなりのスキルがいるのですが、そうしたハードルを引き下げてくれそうです。GoogleのGeminiにも聞いてみたら、「GoogleにとってOpenAIのChatGPTは間違いなく脅威」と呑気に語っていました。
ユージ:Geminiに聞いたんですか!?素直でいいですね!Google検索はこれからどうなりますか?
神庭さん:Googleの親会社Alphabetは売上高の7~8割をネット広告が占めています。要は広告屋さんです。検索がAIに置き換わり、2クリックが1クリックに減るということは、検索連動広告がダメージを受けるということでもあります。Googleは既存の様々なビジネスを破壊してイノベーションを実現してきたのですが、AIを推進することは、そうやって築き上げてきたGoogle自身を破壊することでもあります。「そんなこと自分で検索しなよ」という時に日本のネットスラングで(とても良くない言葉だが)「ググレカス」と言います。英語だともう少しお上品で「GIYF」(Google Is Your Friend)「Googleは君の友達だよ」という言い方をするらしいです。下手するとこれが「GPT Is Your Friend」にもなりかねないので、生成AI競争で遅れをとったGoogleもいま必死に巻き返しを図っているわけです。Googleが自分自身を破壊して前に進めるか、イノベーションのジレンマを乗り越えられるか注目ポイントかなと思います。
ユージ:このAI競争がどんどん活発化して楽しみですね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 20, 2024
テーマは「Google検索サービスに生成AI導入」
生成AIといえば、オープンAIの「ChatGPT」を思い浮かべる方が多いと思います。
今回は検索エンジンとして知られているGoogleが、生成AI「Gemini」を導入しました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 20, 2024
神庭さんが実際に「Gemini」にAI検索の課題について聞いてみたところ、信ぴょう性や著作権の問題点について指摘し、客観視していて優秀だと思いました。
また、「ChatGPT」や「Gemini」に追随する形でオリジナルの生成AIが増えて激化していくのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 20, 2024
また、Googleは検索エンジンでもあるので「Gemini」によって広告収入が減って自分たちの首を絞める結果になってしまうのではないかといった個人的な心配点もあります。
そのため、この生成AIでどれぐらいお金を稼ぐことができるかが1つ注目ポイントだと思いました。#ワンモ