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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.05.16

情報流通プラットフォーム対処法、成立
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「情報流通プラットフォーム対処法、成立」

吉田:インターネット上の中傷投稿への迅速な対応を事業者に求める改正プロバイダー責任制限法が10日、参院本会議で可決、成立しました。SNSを運営する大手事業者に対し、投稿の削除を申請する窓口の整備や手続きの公表などを義務付けます。改正を機に、法律の内容に沿って法律名も「情報流通プラットフォーム対処法」に変わります。そこで今朝は、”情報流通プラットフォーム対処法”について塚越さんに解説いただきます。


ユージ:塚越さん、昨日もプロ野球の複数選手にSNSで誹謗中傷があり、発信者情報の開示請求を行ったというニュースがありましたが、誹謗中傷への対応について現状はどうなっていますか?


塚越さん:今もインターネット、とりわけSNSでの誹謗中傷は大きな社会問題です。特に2020年、プロレスラーの木村花さんが、SNSで中傷された後に亡くなった事件を契機に法改正が進み、2022年7月には刑法が改正され、侮辱罪が厳罰化されました。同じく2022年の10月には「改正プロバイダ責任制限法」も施行されて、中傷した発信者を特定する手続きが簡単になりました。一方、総務省が運営を委託する「違法・有害情報相談センター」に寄せられた相談件数は、2022年で5,745件と8年連続で5,000件を超える状況が続いています。2014年までは、3,400件だったものが2015年になって一気に5,000件台になっています。相談件数のおよそ8割は個人からのもので、大学の学生の中にもちょっとしたSNSの投稿で誹謗中傷が寄せられたといった経験のある人はそれなりにいます。


吉田:では、今回成立した情報流通プラットフォーム対処法が施行されると、どうなるのでしょうか?


塚越さん:今回の法改正では、メタやXといったSNSの事業者が対象になる見通しで、一言でいえば「削除に関するルールを強化する」ということです。不適切な投稿の削除申請があった際に、事業者には迅速な対応、削除基準の公表などが義務付けられます。また削除申請の窓口の設置をしたり、削除申請から原則1週間程度で、削除できるかできないかの結果を依頼者に通知する必要があります。違反した場合、総務省は是正勧告や命令を出すことができて、命令に応じない場合は1億円以下の罰金が科されることになります。総務省は今後、さらなる運用ルールの詳細について検討を進めるということです。


ユージ:塚越さん、今回の改正法は、大きな一歩になるでしょうか?


塚越さん:まず、今回の改正法は他者の権利を侵害するネット上の情報への対処が目的なので、最近番組でも取り上げた、有名人になりすましてお金を騙し取るような詐欺広告も対象になるとのことです。というのも、SNS企業側はこれまで独自の運用ルールを定めて、場合によっては投稿の削除などしていたのですが、やはり不十分だったと言わざるを得ません。東京新聞が報じた総務省の担当者によれば、これまでSNS事業者に対する削除に関する法律はなかったということ。ただし今回のような削除の義務付けは、表現の自由の侵害にもなりかねないので、削除と同時に行き過ぎた対応がないように透明化を求めるとしています。法律では、毎年一回削除申請の状況などを公表させるということなので、こうしたところでチェックするということです。なぜこうしたチェックが重要かといえば、誹謗中傷対策は非常に重要なのですが、一方で企業や政治家に対する、いわゆる「クレーム」や「批評」レベルのものでも削除させるといったことが懸念されるからです。「何が誹謗中傷になるか」が、より問われていくので、法律も大切ですが社会全体で議論されていく必要があると思います。


ユージ:今後、インターネット上の誹謗中傷への対策として進めていくべきことは何でしょうか?


塚越さん:先ほど述べたような、特に力を持つ政治や大企業による「削除申請の濫用」がないかのチェックが必要だと思います。その上で、やはり個人ベースの削除申請が多く、今回の改正法で負担を軽くするために機能するということで定期的な運用状況のチェックを行い、改善していって欲しいです。一方で、いわゆるヘイトスピーチやLGBTQ、障害者など、属性に対する不特定多数の誹謗中傷はまだ手つかずの状態です。こういったヘイトスピーチへの対応は、EUの(デジタルサービス法)で厳しく取り締まったりしているので参考にして、先ほど言った表現の自由も兼ね合いがあるので、日本は日本としてやり方があると思います。SNS事業者への規制強化はこれからも重要になるかなと思います。バランスをみつつ我々も考えていく必要があります。


ユージ:特にSNSのプラットフォームを運営している会社が日本の企業じゃなかったりして、日本から困ってますとメッセージを届けても向こうの解釈と少し違ったりします。日本で起こっている悲しい誹謗中傷などは日本のルールで対応して欲しいなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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