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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.05.07

今さら聞けない円安のメリット・デメリット
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。


今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


「今さら聞けない円安のメリット・デメリット」

吉田:共同通信によりますと6日、午後5時のニューヨーク外国為替市場の円相場は先週末に比べて94銭の円安・ドル高の1ドル=153円、85銭から94銭の水準になっています。ということで、今朝は円安について基本的なことからうかがいます。神庭さん、円安にはメリット・デメリットそれぞれあると思いますが、まずはメリットについて改めて教えてください。


神庭さん:海外から見た時に、「日本がお買い得」になるということです。円安というのは、ドルをはじめとする外国の通貨に対して「円の価値が下がる」こと。逆に言えば、1ドルで買えるものが増えるわけです。1ドル100円の時には、1ドル払って100円のジュースが1本買えた。円安が進んで1ドル200円になったら、1ドルで100円のジュースが2本買えるようになる。話を簡単にするためにジュースで例えましたけど、自動車でも何でも同じことです。海外に商品を輸出する製造業は、それだけ競争力が高まることになり、メリットが大きいです。トヨタ、Honda、日産など日本の自動車メーカーは軒並み過去最高益を記録していますが、円安もかなりの追い風になっています。


吉田:他にはどんなメリットがありますか?


神庭さん:分かりやすいところではインバウンドです。去年、日本を訪れた外国人客の旅行消費額は、5兆2,923億円で過去最高を更新しました。コロナ禍の2019年を上回る絶好調です。その他、経済安全保障の面で日本にとって円安がプラスに働く可能性があります。米中の新冷戦、米中分断の流れのなかで世界のブロック化、保護主義が広がっています。これまで中国が「世界の工場」と呼ばれてきましたが、欧米は急速に中国から距離を置き始めています。一方で半導体の要衝である台湾も中国との間で台湾有事のリスクを抱えています。そうなると、円安で優秀な人材を安く雇える日本の魅力が相対的に増してくるわけです。半導体の受託製造で世界トップの台湾のTSMCは熊本に進出したり、Amazon Web Services、Microsoft、Google、オラクルなどアメリカの大手も、日本のデータセンターへの総額4兆円投資を表明しています。地政学リスクと円安が相まって、生産拠点としての日本が再評価されつつあるということです。


ユージ:なるほど、経済安全保障でもメリットがあるということですね。一方で円安のデメリットはどうでしょうか?


神庭さん:円の価値が下がるということは、海外からモノを輸入する時には割高になるということです。特に日本は資源が少ないので原油や天然ガスなどエネルギー価格の高騰は痛いです。そのまま電気代、ガス代に跳ね返ってきますよね。電気・ガス代の補助も5月使用分(6月請求分)で打ち切られるので、今後さらに高くなります。電気代の明細を見るのが怖くて、家計の負担も大きいですが、企業が何か作る際にも資材・原料の調達から電気代までコストが上昇してインフレと円安のダブルパンチです。日本商工会議所が中小企業約2,000社を4月に調査したところ、歴史的な円安による原材料・エネルギー価格の高騰などもあって、景気認識が悪化しているということです。


ユージ:ガソリン代、高いですよね!やはり円安のデメリットも大きいですよね。


神庭さん:日本商工会議所の小林健会頭は先月の記者会見で「今の円安は非常に困る。困る度合いが日に日に高まってきている」と正直に述べています。経団連の十倉雅和会長も「1ドル150円を超える現在の為替水準は、日本経済の実力を表しておらず、少し円安にすぎる」と表明しています。貿易赤字が拡大するということは国富、国の富の流出を意味します。例えば、ネット広告やITサービスなどのデジタル取引に関して日本は5.5兆円の赤字。GAFAMなどアメリカのプラットフォーマーへの支払いがかさんでいるわけですが、デジタル赤字の5.5兆円だけのインバウンドで一生懸命稼いだ5.3兆円が消し飛んでしまう計算になるわけです。また、円安は日本の国力の低下も意味します。日本のGDPは来年、インドに抜かれて5位に転落する見通しですが、この間ドイツに抜かれて4位に落ちたばかりなのに、あっという間の5位。インドは人口が多く成長力も高いので逆転は時間の問題と言われていましたけど、円安によって逆転の時期が早まったとも言われています。


吉田:円安のメリット、デメリットが分かったところで、今の円安はいつまで続くのでしょうか?


神庭さん:円安の根本原因は、日米の金利差の拡大です。アメリカが利上げする一方で、日本が緩和的な金融政策をとっているので円安が続いているわけです。かといって日本が利上げに踏み切れば、景気を冷やす副作用もあるので日銀は賃上げの動向なども注視しつつ慎重に時期を検討せざるを得ないわけです。朝日新聞は日銀の植田総裁への単独インタビューをもとに「利上げ判断、夏から秋にも」と報じました。またBloombergやロイター通信によれば、アメリカ側は9月にも利下げに動くとみる観測が強まっているということです。夏から秋にかけての日米の金融当局の判断が、円安にも影響を与えそうです。


ユージ:利下げが動きそうなんですね。


神庭さん:もう1つ、トランプ前大統領は歴史的な円安ドル高に対して、アメリカの製造業にとって「大惨事」だと批判しています。この番組でも「もしトラ」の話をしてきましたが、「もしトラ」でトランプ大統領が誕生した場合も円安を是正する動きが強まりそうです。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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