24.05.06
広がる小学校の早朝登校

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
「広がる小学校の早朝登校」
吉田:大阪府の豊中市では今年度から、すべての小学校で午前7時から子どもを受け入れ、見守る事業を始めています。神庭さん、改めてこの早朝登校が広がっている背景について教えてください。
神庭さん:夫婦共働きの家庭が増えていることが大きいです。小学校は教育機関という前提があるので、保育園に比べて子どもを預かってくれる時間が短いです。一方で小1の子どもはまだポワポワしていて、保育園児と大して変わらないわけです。家で1人にしておくには不安があります。放課後に関しては、学童や放課後児童クラブに入れないと親が詰んでしまい、退職や転職、時短勤務を余儀なくされるという問題が以前から指摘されてきました。朝に関しても同様で、保育園では早い時間から預かってくれたけど学校では難しいというギャップがありました。そういった保護者のニーズを埋めるために早朝登校を始める自治体が広がっているニュースです。
ユージ:先ほど吉田さんが紹介してくれた豊中市のケースでは、どんな風に運用されていますか?
神庭さん:読売新聞などの報道によれば、豊中市では小学校の登校時間が以前は朝7時半~8時だったそうですが、それより早く子どもが集まってしまい100人近く行列しているような学校もあったそうです。そこで約7,000万円の予算を計上し、警備会社に見守りを委託。朝7時から子どもを受け入れる事業を始めました。市内で640の家庭が早朝サービスを使っており、このうち1年生が半数ほどを占めるということです。早く学校に行って子どもは何をしているかというと、読書や自習、軽い運動などしてるとのこと。この読売の記事では、毎朝7時半前に子どもを学校に送り届けているという保護者の声が紹介されています。「仕事が朝8時からなので本当に助かります」と話していて、この保護者の方は保育士のお仕事で保育園も朝の早い仕事なので、このようなサービスはありがたいと思います。
吉田:他の地域でも同様の取り組みはありますか?
神庭さん:朝日新聞によると、東京都三鷹市では去年11月から市立小学校の校庭を開放する時間を朝7時半に早めました。八王子市では、市内70校のうち4校で朝の時間に校庭を開放しています。神奈川県大磯町の2つの町立小学校では、7時15分から学校に併設された学童保育の施設を使って、地域の有償ボランティア、指導員らが子どもを見守っているということです。都心で働く人が多いベッドタウンだと、通勤時間の関係で早めに家を出ざるを得ない、とはいえ子どもを家に1人にするのは心配だというご家庭も多いので、早朝受け入れのニーズも大きいのではないかと思います。
ユージ:聞いてると、とてもいい取り組みだと思います。早朝登校の課題もあるのかなと思うのですが、どんなところでしょうか?
神庭さん:やはり、教員のブラック労働の強化にならないか?というのが一番の心配なところです。豊中市のケースでは、きちんと予算計上して1校につき民間スタッフを2人置くなど、教員の労務強化にならないように一定の配慮をしています。適切な予算措置や人員配置がないまま「保護者のニーズがあるのだから」「みんなで頑張ろう」みたいな感じで、なし崩しで現場教員の負担を増やすようなことがあってはいけませんね。
吉田:それだと先生にとっては辛くなってしまいますよね。
神庭さん:実質的な早出残業ということになっても、教員は残業代が出ません。教員給与特措法(給特法)という法律によって、公立学校の先生には残業代を払わずに代わりに「教職調整額」として基本給の4%を支給することになっています。この4%という数字は、月の残業時間を8時間ほどと見積もって導き出されたものですが、実際には皆さん数十時間残業していて、まったく実態に見合っていません。最近、文部科学大臣の諮問機関の中央教育審議会が教職調整額を4%から10%以上に引き上げるように提言しました。多少手取りは増えるとしても、「定額働かせ放題」の状況は変わりません。仕事が増えるばかりで、先生の残業を減らそうという意識が働かないわけです。早朝登校、保護者目線では非常にありがたいし、総論では賛成ですが給特法の廃止なり抜本改正なりもセットで進めていかないと、先生の仕事がまた1つ増えてしまうリスクがあるかなと思います。
ユージ:ただでさえ、先生の労働に関して問題視されている中での話なので、ちょっと心配ですね。
神庭さん:早朝の時間に教員以外のスタッフを置いたとしても「A君とBちゃんがケンカした」「Cちゃんが遊具から落ちてケガをした」みたいなことが起これば、担任の教師が保護者に説明する手間が生じる可能性もあります。その辺りの連絡体制も含めて、事前にしっかりと交通整理をしておかないといけません。保護者の側も朝は人が手薄にならざるを得ないし、先生の仕事は現状でもめちゃくちゃ大変だということは理解しておかないといけません。この問題を引いた目で見ると、保護者が働く企業の硬直化した「働き方」のしわ寄せが、学校現場に行っているという側面もあります。もちろん早朝出社がマストの職場もありますが、出社時間を固定しないフレックスタイム制やリモート勤務の拡大など、社会全体でやれることもまだまだあるのではないかと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンDTREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 6, 2024
テーマは「広がる小学校の早朝登校 」
夫婦共働きの家庭が増えたり、親の出勤時間が早くなってしまうなど、
後から子どもが家を出ると心配だったり危ないこともあるので、僕は賛成です。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 6, 2024
しかし、その分先生の仕事が増えてしまうということが現状です。 ただでさえ人手不足と言われていて負担が大きいので、先生に協力してもらえるように、 仕事が増える対価として給料もその分上げることが必要だと思います。
#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 6, 2024
何度も言ってますが、僕は、学校の先生は子供の将来を作る基盤を作っているためもっと給料が上がってもいいと思っています。
先生の質も上がって先生を目指す人も増えたりすると思うので、給料を上げることが一つの解決方法だと思いました。#ワンモ