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26.07.06

自動車保険と海外旅行保険、大幅値上げの背景は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターはダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


【自動車保険と海外旅行保険、大幅値上げの背景は?】

吉田:自動車保険や海外旅行保険の保険料が2027年以降、大幅に値上げされる見通しです。損害保険料率算出機構は6月23日、損害保険会社が保険料を算定する際の目安となる「参考純率」を引き上げることを発表しました。そこで今朝は、保険料アップの背景について神庭さんに解説してもらいます。今回、かなり上がるんですか?


神庭さん:そうなんです。損害保険料率算出機構が示した「参考純率」は、自動車保険で平均14.4%、海外旅行傷害保険で平均40.3%上昇した。両方とも過去最大の上げ幅で、自動車保険は2年ぶり、海外旅行保険の方は10年ぶりの引き上げとなります。金融庁の審査を経て、損害保険各社はこの数値を参考に、来年か再来年にも保険料を引き上げていくものとみられます。


ユージ:これが何故こんなに上るのでしょうか?


神庭さん:まず、自動車保険についてですが、「自動車事故が減っているのに、保険料が上がるのはおかしいんじゃないか?」と思う人もいるかもしれないです。確かに安全性能は上がっていますが、高性能になった分だけ部品代が高騰しています。朝日新聞によると、対物賠償責任保険で事故1件あたりの総修理費用は、2022年度から2024年度に約15%上昇しています。自動車整備士不足による工賃アップの影響も大きいです。


ユージ:私はよく車に乗るので、これは人ごとではないです。


神庭さん:そうですよね。保険会社も別に意地悪で吹っかけているわけではないです。日経新聞によれば、大手損保4社の自動車保険事業の収支は悪化しており、3月期の保険引受利益は前期比で9割減りました。今回の発表前から各社が既に引き上げに動いており、損保ジャパンは7月に平均1.8%上げます。東京海上日動は10月に平均6.5%。合併によって誕生する「三井住友海上あいおい損害保険」も来年4月に約6%の引き上げを予定している状態です。


吉田:海外旅行保険のほうは、何故40%以上も上がるのでしょうか?


神庭さん:これはもう円安のひと言に尽きます。海外旅行傷害保険の支払い保険金の多くは現地での医療費が占めますが、円換算した治療費が急上昇しています。朝日新聞によれば、2014年度から2024年度の10年間で、海外での治療費は円換算で1.5倍に膨らんでいます。世界的な物価高騰で現地の医療費も上がっているうえ、そこに円安も重なってダブルパンチになっています。


ユージ:夏休みに海外旅行を検討している人もいるかもしれませんが、こうなってくるとダメージが大きいでしよね?


神庭さん:なかなか辛いですよね。航空機の燃油サーチャージも上がり方がエグいです。中東情勢の悪化を受けて、ANAとJALは7月からサーチャージを大幅に引き上げました。日経新聞によると、ハワイ行きの場合、4月はANAが20,400円、JALが17,800でしたが、7~8月はともに40,400円まで上がりました。ロンドンはもっとすごいです。4月はANAが31,900円、JALが29,000円でしたが、7~8月はいずれも65,000円に倍増しています。航空券の額じゃなくて、サーチャージの額というのが驚きです。加えて7月からは出国税も1人1,000円から3,000円にアップしています。


吉田:値上げの話ばかりでちょっと残念ですが、良いニュースも何かありますか?


神庭さん:そうですね。パスポートの発行にかかる手数料は下がりました。大人で有効期間10年、電子申請の場合、これまでの15,900円から8,900円に。窓口申請なら16,300円から9,300円に7,000円安くなりました。ですが、サーチャージの爆上げ具合に比べると焼け石に水かもしれないです。様々な負担増が重なることもあり、今年の夏は海外旅行者数がコロナ禍の2020年以来、6年ぶりに前年同期を下回る見通しだとJTBが予測しています。


ユージ:今回の保険料の値上げ、私たちにできる対策は何かありますか?


神庭さん:そうですね。なかなかないのですが、強いて言えば自動車保険はネットのダイレクト保険がお薦めです。代理店を挟まない分、保険料が2割ほど安くなります。現場駆けつけサービスはありますか、夜間事故にも対応してくれるかなど補償内容もよく吟味して決めてほしいです。AIに相談しながら比較するのもありです。海外旅行保険は高いからといってケチらない方がいいです。渡航先で思わぬ怪我をしたり、パスポートを盗まれたりして大変な思いをしている日本人を見てきました。海外では結構な頻度でアクシデントが起こります。下手をすると数千万円単位の治療費を請求されて、クレジットカード付帯の保険だけではカバーしきれないこともあるので、気をつけてほしいです。今は1ドル160円台の歴史的な円安水準です。この円安を何とかしないことには、あらゆるものの値上がりが止まらないです。為替介入は一時的な時間稼ぎにしかならないので、本来は歯を食いしばってでも、少しずつでも利上げしていく必要がありますが、経済を冷やしたくないのでなかなかそれが進まない状況があります。しばらくは円安とインフレが続くという覚悟のもとで家計の防衛に努めるしかないと思います。

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