全12曲を思いつくままに解説していく、セルフライナートーク。今週は、後半の7曲目から順番にオンエアしていきます。今日のコードは「『Wormhole / Yumi AraI』セルフライナートーク」です。
■今週のChordは“『Wormhole / Yumi AraI』セルフライナートーク”
小鳥曜日 / 松任谷 由実
今月18日にリリースされた、私の40枚目のオリジナルアルバム、『Wormhole / Yumi AraI』。
全12曲を思いつくままに解説していく、セルフライナートーク。
先週は、オープニングを飾る「DARK MOON」から、6曲目の「烏揚羽」までの前半、アルバムで言うところのA面を聴いてきましたが、今週はB面、後半の7曲目から順番にオンエアしていきます。
アルバムのタイトル「Wormhole」は、過去と未来、あるいは、違う次元をくぐり抜けるトンネル。この「小鳥曜日」は、特にその異次元で・・・鳥とは交信できないけど、愛着があるというそのすれ違いを寓話のようにしています。
これね、切ないって言ってくれる人がとても多いんですけれどね。
あらためて、今日のコードは、「『Wormhole / Yumi AraI』セルフライナートーク」!
アルバムの7曲目「小鳥曜日」に続くのは、ガラッと空気が変わって、この曲です。
LET'S GET IT STARTED! / 松任谷 由実
全12曲のうち、8曲目となる曲、「LET'S GET IT STARTED!」。
この曲は他局で恐縮ですけれど、これはニッポン放送開局70周年テーマソングとして書き下ろした曲です。
周年を記念するからこそ、「ここから始めよう」という歌にしたかったんですね。
「LET'S GET IT RESTARTED!」でもいいかも。自分が始めよう、と思ったときが始まり。期せずして、AIでこのアルバムをつくろうというときの、最初の実験作・・・と言ったら何なんだけど、あ、これはつくれる!という手ごたえを感じた録音方式でスタートした曲です。
そんな1曲、「LET'S GET IT STARTED!」に続くのは、2022年の冬から、テレビCMでオンエアされていたこの曲です。
Let It Rain / 松任谷 由実
アルバムの9曲目、この「Let It Rain」は、ハウス・北海道シチューのCMソングで、先週オンエアした「星の物語」のひとつ前のバージョン。
早くフルバージョンを聴きたい!という声もあった曲を収録しました。
さっきもふれたAIとガチでやっていくというよりも前につくっていた曲なんですけれど、なんとなくおぼろげに、次のアルバムは全編モータウンな雰囲気もいいかな・・・なんて言っていたときなんですね。
30代のカップルの日常で、あとで詞を直してAIに取り込んだときに、もう一度詞を聴いて、当初考えていたものと直したところがミソなんですけれど。
「いつか思い出になるのかな」って私が書きがちな・・・それだったらAIも書いちゃうよっていう。「いつか飽きることもあるのかな」、がカップルのリアルじゃないかと思っています。
文通 -album version- / 松任谷由実×imase
今、お送りしているのは、アルバムの10曲目、松任谷由実×imase、「文通 -album version-」です。これは、スピーカーやイヤフォンを手がけるBOSEの60周年コラボソングで、すでに配信されているバージョンとは違ったアレンジになっています。
この曲に出てくる、会話してイメージして・・・という人間同士の関係の築き方は、AI時代になっても、私は絶対大切にしたいと思っているんです。
imaseくんとデータのやり取りだけで作ったんだけれど、でも2回くらいはミーティングして。そういう無駄話でお互いの特徴がわかって、コラボすることができたと思います。
そういう願いをもろにこの詞にあらわしていると思うので、あなたも普段の生活で効率ばかり追いかけずに、無駄をいっぱいして豊かな日常にしてほしいなと思います。
ひとちがい / 松任谷 由実
続いてお送りしているのは、アルバムの11曲目、「ひとちがい」です。この曲は、セルフカバーになるんですけれど、80'sのすごくスピード感があるスリルが響いてくると思いませんか。
描かれているのは・・・もしかして「メトロポリスの片隅で」(1985)あたりのワーキングウーマンのその後・・・?そんな考察も楽しめるのがこのアルバムで、何しろ、53年のキャリアですから、それを横切りにした集大成、今までやってきたことのエッセンスが全部つまっているようなベスト、最高傑作なので。
思い出の「美しさ」だけじゃなくて、「寂しさ」が人を支えることもある・・・人生って!
『Wormhole / Yumi AraI』セルフライナートーク。
2週にわたる全12曲オンエアのラストは、この曲です。
そして誰もいなくなった / 松任谷 由実
お送りしているのは、リリースされたばかりの私のオリジナルアルバム、『Wormhole / Yumi AraI』の12曲目、最後を飾る曲「そして誰もいなくなった」です。
この曲は、1曲目の「DARK MOON」とともにわりと早い段階から、アルバムの始まりと終わりを締めくくるトータルアルバムをいろどる曲として予定していました。
一編の美しいSF映画の結末を観終えた、エンディングロールを追いながら、現実の世界へ戻っていく心の準備をするみたいな、または、時空も次元も超えた旅から帰ってきたような、そんな曲です。
私にしては珍しい歌詞かもしれません。この歌詞だけみると絶望的なアルバムの終わり方かもしれないけれど、それだからこそ今生きている、今ここにいる私、というのが尊い。
それはAIというものと対極の存在ですね。ポップスの使命を、私なりの方法で、覚悟をもって提示した曲だと思っています。
『Wormhole / Yumi AraI』セルフライナートーク、アルバムの最後に収録した曲、「そして誰もいなくなった」でした。
今日は、40枚目のオリジナルアルバムとしてリリースされたばかりの、『Wormhole / Yumi AraI』セルフライナートーク、その後編ということで、7曲目からラストの曲までを聴きながら、制作裏話や、曲にこめた想いなどなどを語ってみました。話し出すと、色々思い出されるもので、Wormholeをくぐり抜けた感じです。
とにかく、このアルバムはキャリア53年目にして、最高傑作!
長くやってきたからこそ出会えた最先端の技術で、作曲家デビューした頃の初期衝動を取り戻して曲をつくって、荒井由実と私、そして、第三の松任谷由実の歌声でその世界観を表現しました。
ぜひ、アルバム1枚を通して、究極のレコーディングアートをお楽しみいただけたら嬉しいです。
そして、あなただけのWormholeを行き来した旅の感想を、「Yuming Chord」のホームぺージにあるメッセージフォームにお寄せくださいね。
そして、読み物としても楽しめる歌詞集が発売されています。
タイトルは、『ハロー、マイ・ユーミン 荒井由実&松任谷由実&呉田軽穂 歌詞集』。
私自身が監修して、提供曲やコラボ曲も含めて、私がこれまでつくってきた600曲以上を再校正しておさめました。
もちろん、最新アルバム『Wormhole / Yumi AraI』に収録されている曲の歌詞も、網羅してあります!
さらに、私の語り下ろしコメントも掲載。
装丁も素敵な歌詞集は、ポプラ社から発売中です。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
そして、ただいま絶賛ツアー中!
『FORUM8 presents 松任谷由実 THE WORMHOLE TOUR 2025-26』。
来月は兵庫、石川、そして九州地方へと向かいます。
今後の公演日程や、チケットの一般発売に関するくわしい情報は、松任谷由実公式ホームページでご確認ください。
XやInstagramなどでも、随時、最新情報をアップしていきます。
TikTokもスタートしましたので、そちらもあわせて、チェックしてみてくださいね。