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オンエアレポート

AIの今の時代のアートについて、語り合いたいですね。
今日のコードは「Yuming×Takashi Murakami~時を超えるアート~」です。

■今週のChordは“Yuming×Takashi Murakami~時を超えるアート~”

今日は、2026年、初ゲストをお迎えしています。
現代美術界の最前線で活躍しながら、ジャンルを超えて各方面で才能を発揮されている、この方!

村上:村上隆でございます。恐縮でございますよ、本当に。

ユーミン:実は私たち、初対面というわけではなくて、何度かお会いしているんです。
今回なぜ、村上さんを『Yuming Chord』にお招きしたかというと、昨年リリースした私の最新アルバム『Wormhole / Yumi AraI』を、ご自身のラジオ番組で紹介されていたという情報をつかんで、ぜひ感想を直接、きいてみたいな!と思って来ていただきました。

村上:ありがとうございます。(ラジオ番組の)1時間枠をもっておりまして、昨年、ユーミン特集を2回やりました。勝手に(笑)。

ユーミン: うれしい!

村上:いや、もうね・・・パンデミックから。

ユーミン:5年、6年前ですね。

村上:パンデミックと、SpotifyとかYouTubeとかが生活に密着し始めたのが同時期で。それで、アルゴリズムがユーミンのことを紹介してくれるんですよね。

ユーミン:えらいぞ、アルゴリズム。

村上:(笑)。それでずっと聴いていて、週に2回くらい泣いているんですよ。

ユーミン:おお。

村上:『魔女の宅急便』とか、宮崎駿さんのアニメ(の主題歌)を2本やっていらっしゃって、多分、それを契機に世界中の人が日本語のユーミンの歌を聴いていると思うんですよね。
で、この『Wormhole / Yumi AraI』に出会って。ちょっとアレですけど・・・ユーミンや僕が死んだ30年後、40年後とかに世界中の人が聴くものを作っていらっしゃるな、と思ったんです。

ユーミン:うれしいな。いつかきっと、もっと深くわかってくれる日が来ることを信じて作っていました。
村上さんもずいぶん前から創作活動でAIを駆使されていると伺っているんですけれど、AIの今の時代のアートについて、語り合いたいですね。
今日のコードは、「Yuming×Takashi Murakami~時を超えるアート~」です。
あらためて今日のゲストをご紹介しましょう。
現代美術界の未来をひらく、村上隆さんです!よろしくお願いいたします。

村上:よろしくお願いいたします。

ユーミン:あらためてご説明するまでもないくらいの方ではありますが、プロフィールをご紹介しますと・・・日本を代表する現代美術家でキュレーター・コレクター・映画監督としても活躍する村上隆さん。
昨年、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションが20周年を迎えて、リエディションのコレクションが発売されたり、カニエ・ウェストやビリー・アイリッシュのミュージックビデオを制作されたり、ご自身もミュージシャンとしての活動をスタートされたり、各方面で才能を発揮されています。
そんな多忙な村上さんが、私の最新アルバムを聴いてシンパシーを感じてくださったそうで、とても光栄です。

村上:シンパシーじゃないです。感動ですから。そんな身近な感じではありません。畏敬の念。

ユーミン:ありがとうございます。

村上:これを聴いて、一番最初にパーンと頭に浮かんだのは、クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』。
『インターステラー』のブラックホールからお父さんがモールス信号でトン、トン、トン・・・といっているような感じが、パンッと伝わってきて。

ユーミン:はい。制作しながら、それをすごく思い出しました。思い出したというか、ああいう“温かさ”に行きつけたらいいなと思ったんです。

村上:でも、よく考えてみると、ユーミンさんって、ずっと同じテーマというか。

ユーミン:そうですね。

村上:ここ15年くらい、ラノベ業界では異世界ものが流行って、そこから、アニメも異世界ものだらけ。世界のアニメシーンを席巻している異世界もの・・・からの、宗教と異世界が混濁としている感覚。
だから、ユーミンの、ずっと同じテーマというか、時空を超越しているテーマ。「あの日にかえりたい」も、若い頃なのに、なぜ?みたいな感覚ですし。

ユーミン:そうですね。

村上:あの頃からもう時間をジャンプしていたのかも。

ユーミン:デビューのアルバム『ひこうき雲』がある種、異世界なんですよね。霧だったり、雲だったり、雨だったり・・・もやっているところのなかに日常とは違う世界がある、みたいな。自分で説明しちゃうとダサいんだけれど。

村上:そんなことはないですよ。

小鳥曜日 / 松任谷 由実

村上:本当に今回の・・・ボーカロイドみたいなものですかね?

ユーミン:いや、ちょっとそれとも違うんですよね。

村上:違うんですか。

ユーミン:ソングライティングにAIは使っていないんですよ、一切。

村上:はい。

ユーミン:ボーカルなんですね。“ボーカロイドのようにボーカルを使う”んじゃなくて、“私の声”なんですよ。「Synthesizer V」というソフトを通して、私の荒井由実時代の声、90年代にたくさん出した声とかを今の声と合成して、「第3の松任谷由実の声」というものを作ったんですけれど、すごく複雑に絡み合っています。
タペストリーを織るように、プロデューサーは組んでいきました。

村上:なるほどね。

ユーミン:私も千本ノックで歌いました。

村上:そうなんですか。

ユーミン:ロボティックなものじゃないんですよ。もっと流麗に、本当に肉体があるようなボーカルまで高めたと思うんですけれどね。

村上:なるほどね。

ユーミン:全部「Synthesizer V」で出来ているボーカルの曲もありますし、部分的だったり、さまざまです。その曲の世界観に合わせて。
だから私は、AIを使ってはいるけれど、それを前面に出すのではなく、あくまでも今まで通り、その歌が心に届くといいな、と思って作っていました。
村上さんがAIをアートにお使いになるときって、どういう使い方ですか?

村上:2年くらい前かな・・・高松塚古墳の、亀と蛇が合体した玄武というものを描こうと思って。でも、(壁画が)かすれていたんですね。

ユーミン:はい。

村上:それをなんとか再現したくて。で、AIで線を再現できないかというところから本格的にやり始めました。

ユーミン:AIだと少しのヒントでバッと再現できたりするんですか?

村上:フロントでやりますけど、現場は千本ノックで。もう何百通り、千通りとか出て、僕に見せてくれる。で、僕が、「ここだけ入れよう」といって、それを合体してくんです。

ユーミン:それは感覚?

村上:それこそ僕が聞きたいです。感覚ですか?

ユーミン:もちろん私の感覚だけじゃないんですけれど。

村上:なるほど。

ユーミン:松任谷正隆が総指揮しているんです。この曲はこの世界観にしたい、というところで。
でも、両方とも映像人間かもしれない。色とか風景とか、そこから来るストーリーとか。同じものを結んだときにできる、という感じですかね。

村上:美大でしたし。

ユーミン:はい。で、しかも、おこがましいですけど、村上隆さんは藝大で、私は多摩美で日本画なんですよ。

村上:そうですよね。

ユーミン:それで、1にも2にも、3にも4にも、まずテクニックじゃないですか。そこをマスターしないと描けない。

村上:そうだったかも・・・しれないですけど(笑)。

ユーミン:本当?でも、ヴィトンのアートワークとかで、すごく細かい作業・・・何版も重ねるわけでしょ?

村上:はい。

ユーミン:日本画のテクニックがないと、そこまでいけない。

村上:おっしゃる通りです。画面の構成は、やっぱり日本画の、人間ゆえの例案の作り方みたいなのものは影響があるなと思っています。
ユーミンさんは、さっきの色の話ではないですけれど、絵とかよく鑑賞されますよね?

ユーミン:そうですね。好きですね。

村上:僕は最近・・・ここ3年くらい印象派の絵を見て、やっとわかってきたというか。

ユーミン:え、本当に?

村上:没入して、落涙しちゃうんですよね。

ユーミン:あります、そういう体験。

村上:そこからいろいろ、音楽でもなんでも、作者の脳の中がニョキッと出てくる表現というものに対しての・・・それがちゃんと歴史に残っているものに対する畏怖の念があらためて芽生えてきた、というのがあります。
芸術に身をやつしている身として、本当にこの職業を選んで良かったなと思うのは、今、加齢していく自分にけっこうおののいているんですけれど・・・芸術鑑賞、芸術制作の一番良いところは、加齢とともに熟成度が増してくる自分にちゃんと向き合える、というか。そこはやっていて良かったなと思ったりしますね。

ユーミン:では、ここで最新アルバム『Wormhole / Yumi AraI』から村上隆さんお気に入りの1曲を選んでいただいてオンエアしたいんですけれど、何にしましょう。

村上:「そして誰もいなくなった」。
これはもう、ゴヤの画を観たときのような・・・煉獄のさなかをとぼとぼと歩いている感覚がおそってきて、怖いんだけれど、本当に黄泉の世界を歩いているような・・・でも、結局1人だけだということに気が付くんだが、自分の記憶の断片にある、そうではない自分が今まで出会ってきた人間や事象というものが、煉獄であるにもかかわらず自分の正しき人生みたいなものを・・・・・・何かちょっと、そう解説すると違うなぁ。

ユーミン:いやいや、うれしいです。

村上:何て言うんでしょうか、ユーミンも今にいたるまでの芸術の変遷でこういうところまで連れてきてくれるんだ、という感動でした。

ユーミン:ありがとうございます。
この曲は、ものすごくたくさん風景を描いたんですよ、詞で。推敲に推敲を重ね・・・AIが仮歌を歌ってくれるから、白玉といって、長い、伸ばすメロディなので、これじゃ意味が通じないなとか、印象が違うなというところをAIを活用しながら然るべき詞にしていきました。

そして誰もいなくなった / 松任谷 由実

ユーミン:相変わらずパワフルでポジティブな村上さんとのトーク、刺激的です。
まだまだ、話は尽きないんですけれど、そろそろお別れの時間です。
村上さん、最近、音楽制作を始めたそうで、その話もしていただこうかなと・・・と、いうことで、引き続き来週も、村上隆さんをお迎えしてお話を伺います。
そして、実は今、村上さんが手がけたアートを直接、観る機会もあるんですよね。

村上:ありがとうございます。「村上隆エディション展」が、港区元麻布Kaikai Kiki Galleryにて今月29日まで。「JAPONISME → Cognitive Revolution: Learning from Hiroshige」。
まさにジャポニズムがテーマなんですね。

ユーミン:くわしくは、村上さん率いるアートの総合商社、「カイカイキキ」の公式サイトなどで、ご確認ください!
『Yuming Chord』、ゲストは現代美術家の村上隆さんでした。
どうもありがとうございました。

村上:ありがとうございました。


今日は、「Yuming×Takashi Murakami~時を超えるアート~」ということで、現代美術界の未来を担う、村上隆さんをお迎えしてお話を伺いました。

何度かお会いしてきたけれど、今回、久しぶりにじっくりお話できて、そして会わなかった時間におこった様々なこと、言葉にできたこともできなかったことも、すごく村上さんの変化として成長として、また違うステージに行かれたんだなということをあらためて感じました。
村上隆さんには来週もご登場いただきます!どうぞお聴きのがしなく。

そして、いよいよ迫ってきた、『SURF&SNOW in NAEBA Vol.46』!
ただいま、リハーサルに励んでおります。
チケットはすでに完売してしまったんですが・・・ご安心ください!
Net Resort『Y-topia』2026の開催が、今年も決定しています。

苗場のコンサート映像をインターネット配信!
臨場感たっぷりの《生配信》です。フルハイビジョン・ハイレゾでお届けする《オンデマンド配信》など、ご自宅でリゾート気分を味わっていただけます。
チケットの購入方法など、くわしくは松任谷由実公式ホームページにて、ご確認くださいね。

また、最新アルバム『Wormhole / Yumi AraI』や、ツアーの感想などを、『Yuming Chord』公式サイトのメッセージフォームへお寄せください!
随時、ご紹介していこうと思っています。

そのほか、私の最新情報や近況は、松任谷由実公式ホームページXInstagramTikTokなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。

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