あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で美しいライフスタイルを!

5000年以上の歴史を持ち、クレオパトラも愛した植物との暮らし。植物と向き合い、植物の声を聞くライフスタイルや、ボタニカル・フードのとっておきレシピ。植物の世界からあなたに届く「美しい贈り物」です。

―この番組は、2021年3月で終了しました。―

2016.04.08

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満開の桜に隠された植物の「知性」の秘密!?

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春の訪れを告げるように、関東の桜が満開を迎えました。街中の木々が、足並みを揃えて一斉にピンク色に染まる姿を見ると、心が洗われます。

桜が同じ時期に開花したり、同じ畑で同じ作物が同じように成長するのは、よく考えてみると、とっても不思議な事。まるで、植物には〈知性〉があり、自分の生き方を知っているかのようです。

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「ボタニカル・ブックス」では毎月1冊「植物」に関しての名著や新刊書、写真集などをご紹介。今回この「ライブラリー」に収められた記念すべき最初の本は、私達の身近にある植物が、より魅力的に見えてくる一冊です。

『植物は〈知性〉をもっているー20の感覚で思考する生命システム』(著:ステファノ・マンクーゾ、アレッサンドラ・ヴィオラ、訳:久保耕司/NHK出版)


植物が持つ〈知性〉
私たち人間よりももっともっと太古の昔に、地球に生まれた植物は、地球の歴史を見ても「人類」の大先輩、そして、この地球のすべての生物の命を支えている「縁の下の力持ち」です。

私たちは緑の観葉植物を愛でて癒されたり、野菜を食べて、健康的な体を保つ事が当然の事実と思っていますが、そのパワーの秘密が、植物の持つ〈知性〉にあったとしたらどうでしょう。

植物は、環境に適応して、種を未来に繋げるため人生を歩む、という行為を実践して生きながらえてきました。世界中を渡り歩くことができる人間と対照的に、植物は、大地に根を張り一生をそこで終えます。住みやすい場所に自由に転居できる人間と違って、たとえそこが雨の少ない乾燥地帯や外敵の多い場所であっても、どうにかして暮らしていかなければならない植物たち。そのために植物にはコミュニケーションや社会性という〈知性〉が備わったのです。

音楽を聴いて育ったブドウ
植物の持っている感覚も、実は人間よりもずっと鋭く、私たちの持つ五感以外に、少なくとも「15」の感覚を備えていると言われています。たとえば、植物は、音を「聴く」のではなく、「振動」としてとらえています。そのうえ、人間のように耳だけでとらえるのではなく、根、茎、葉など体全体で感じ取ることができるため、地中、地上、水中など、様々な場所の音を同時に聴き取ることができているのです。

フィレンツェ大学国際植物ニューロバイオロジー研究所(LINV)では、ブドウ農家の協力を得て、5年以上にもわたり、ブドウに音楽を聴かせ続けるという実験を行いました。すると、驚くべき結果が得られました。音楽を聴きながら育ったブドウは、まったく聴かずに育ったブドウに比べて、成熟が早く、味、色、ポリフェノール含有量といった点で優れていたという結果が得られたのだそうです。心地良い音楽を全身で感じ、それを自らの成長へと結びつけたブドウたち。美味しいスイーツやワインができる過程には、まさにブドウの〈知性〉が重要な役割を果たしていることがわかりました。

〈知性〉を持ち、かしこく優れた生き方をする植物たちが、私たちの健康や美容、生活のあらゆる場面で、思いもよらない素敵な効果を与えてくれている!そう、わくわくさせてくれる一冊です。

TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。4月は新パーソナリティーの唐橋ユミさんがアーティスト/アートディレクターの清川あさみさんをお迎えしてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。

植物は私たちの一番身近にいる、同じ地球に生きるエイリアン!
「植物は<知性>をもっているー20の感覚で思考する生命システム」(著:ステファノ・マンクーゾ、アレッサンドラ・ヴィオラ、訳:久保耕司/NHK出版)

マンクーゾ,ステファノ(Mancuso,Stefano)氏はイタリア・フィレンツェ大学農学部教授。共著のヴィオラ,アレッサンド(Viola,Alessandra)氏はフリーランスの科学ジャーナリスト。

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