yes!~明日への便り~presented by ホクトプレミアム 霜降りひらたけ

yes!~明日への便り~presented by ホクトプレミアム 霜降りひらたけ 第ニ話 ブレない男であるために -白洲 次郎-

yesとは?

  • 語り:長塚圭史
  • 脚本:北阪 昌人

『自分にyes!と言えるのは、自分だけです』
今週あなたは、自分を褒めてあげましたか?
古今東西の先人が「明日へのyes!」を勝ち取った 命の闘いを知る事で、週末のひとときを プレミアムな時間に変えてください。
あなたの「yes!」のために。

―放送時間―
TOKYO FM…SAT 18:00-18:30 / FM OH!…SAT 18:30-19:00
@FM(FM AICHI)…SAT 18:30-19:00 / FM長野…SAT 18:30-19:00
FM FUKUOKA…SAT 20:00-20:30 /FM軽井沢…SAT 18:00-18:29

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第ニ話ブレない男であるために

 名門『軽井沢ゴルフ倶楽部』に、「PLAY FAST」と書いたシャツを着て現れる、伝説の男がいました。
終戦直後、連合国軍占領下、吉田茂の側近として、堂々と海外と渡り合った官僚にして、実業家、白洲次郎。
彼は「日本のプリンシパル」と呼ばれました。
彼こそが「プリンシパル」すなわち、原則を常に心に刻んでいた痛快人でした。
どんなときも、「PLAY FAST」。
行動することで世を見極め、ふるまいで想いを示した、ブレない男。
彼が残したこんな言葉があります。
「人に好かれようと思って仕事をするな。むしろ半分の人には嫌われるように積極的に努力しないと良い仕事はできない」
そんな白洲次郎のプライベートを支えた場所があります。
別荘があった、軽井沢。
彼が、そこで見つけた、自分へのyes!とは・・・。

 彼、白洲次郎が26歳のとき、父親が経営する白洲商店が、倒産した。
ケンブリッジ大学に留学していた彼は、急きょ、帰国を余儀なくされた。
野蛮で品がよかった。
これだと決めると、すぐ行動した。
英語を活かし、英字新聞の記者になった。
伯爵・樺山愛輔の娘、正子と出会い、瞬く間に結婚。
海外に赴任することが多く、そこでイギリス特命全権大使だった吉田茂に出会う。
戦時中は、一線から退き、町田市で農業にあけくれた。
いつも世の中を俯瞰して観た。先を読む。人に流されない。
終戦後、彼は、再び表舞台に姿を現した。
「マッカーサーを怒鳴りつけた男」として、数々の伝説を生んだ。
官僚、実業家としてキャリアを積む一方、彼は無類の趣味人として、のちの世に、影響を与えた。
白洲次郎は、軽井沢を愛し、軽井沢の上質な空気の中に自分を置くことで、自らの、プリンシパル、自分へのyes!を保ったのかもしれない。
彼が大好きだったイギリスと同じ風が吹き抜ける、軽井沢の小道。

 イギリスには、アフタヌーンティーと、ハイティーという、二つのお茶の習慣がある。
ハイティーは、アフタヌーンティーより、遅めの時間に行われる。
白洲次郎は、軽井沢で、「ハイティーあそび」をした。
彼が愛した娘、桂子との至福のひととき。
庭に大きなテーブルを出し、ホワイトアスパラのサンドウィッチとマフィンをふるまう。
夕暮れどき、「BAR is OPEN」と札を掲げ、シャンパンを飲む。
軽井沢の乾いた風が、彼の髪を揺らす。
ふわっと森の香りがやってくる。
シャンパンを飲み残しても大丈夫。
それを果物にかける『フルーツ・マセドアン』が、ハイテーブルを飾った。
シャンパンの無数の泡に、娘の笑顔が映る。
どんなに厳しい現実に対峙しても、この時間があれば、自分の人生に、yesと言える。
自らのプリンシパルに、忠実でいられる。

 白洲次郎が、唯一、家族を感じた場所。それが軽井沢だったのかもしれない。
夏過ごす、別荘での日常は、家族と向き合える時間だった。
彼は、早起きで、ひとりで朝食を終える。
みんなが起きてくるのが待ち遠しく、部屋の前をうろうろする。
耐え切れず、シーツを剥ぐ。
起きるのが遅い、妻、正子の部屋の前で、芝刈りをする。
激しく響く、モーター音。
「やめて!」という正子の声は届かない。
仕方なく、正子は、次郎に、スリッパを投げた。

 夕暮れ時のテラスが、好きだった。
深い緑の匂い、鳥の声、藍色に浸食されていく、赤い空。
ドライ・マティーニ、ジントニック、自分でつくって飲んでみる。
忙しい毎日に、唯一訪れる、プレミアムな時間。
やがて、あたりが暗くなってもなお、彼はテラスで酒をあおった。
自分の中に、yesを取り戻すまで。
白洲次郎は、心から軽井沢を愛していた。

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PROFILE

  • 長塚 圭史

    語り:長塚 圭史

    1975年生まれ。東京都出身。96年、演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を旗揚げ、作・演出・出演の三役を担う。08年、文化庁新進芸術家海外研修制度にて1年間ロンドンに留学。帰国後の11年、ソロプロジェクト「葛河思潮社」を始動、三好十郎作『浮標(ぶい)』を上演する。近年の舞台作品に、『鼬(いたち)』、『背信』、『マクベス』、『冒した者』、『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』、『音のいない世界で』など。読売演劇大賞優秀演出家賞など受賞歴多数。
    また、俳優としても、NHK『植物男子ベランダー』、WOWOW『グーグーだって猫である』、WOWOW『ヒトリシズカ』、CMナレーション『SUBARUフォレスター』など積極的に活動。

  • 北阪 昌人

    脚本:北阪 昌人

    1963年、大阪生まれ。学習院大独文卒。
    TOKYO FMやNHK-FMなどでラジオドマ脚本多数。
    『NISSAN あ、安部礼司』(TOKYO FMなど全国FM37局ネット)、『ゆうちょ LETTER fo LINKS』(TOKYO FMなど全国FM38局ネット)、『世界にひとつだけの本』(JFN)、『AKB48の私たちの物語』(NHK-FM)、『FMシアター』(NHK-FM)、『青春アドベンチャー』(NHK-FM)などの脚本・構成を担当。『プラットフォーム』(東北放送)でギャラクシー賞選奨、文化庁芸術祭優秀賞受賞。『月刊ドラマ』にて、「ラジオドラマ脚本入門』連載中。
    主な著書に『世界にひとつだけの本』(PHP研究所)、『えいたとハラマキ』(小学館)がある。

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NEWS

OA 100回 記念特別企画 『ジョンとヨーコ、それぞれのyes!』
西田尚美さん長塚圭史さん
風も、雨も、自ら鳴っているのではありません。 何かに当たり、何かにはじかれ、音を奏でているのです。
誰かに出会い、誰かと別れ、私たちは日常という音を、共鳴させあっています。YESとNOの狭間で。 今週、あなたは、自分に言いましたか?YES!ささやかに、小文字で、yes。
明日(あした)への希望の風に吹かれながら、自分にyes!と言ったひとたちの物語をお贈りしている「yes!~明日への便り~」。
7月22日と7月29日の2週にわたり、番組100話記念スペシャルとして、軽井沢にゆかりのある、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの物語をお届けします。
二人のインタビューや数多くの著作物をもとにフィクションでお送りするドラマ『ジョンとヨーコ、それぞれのyes!』。

オノ・ヨーコ役は女優の西田尚美さん朗読は、長塚圭史さんでお送りします。

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