中村敬斗選手は、2000年7月28日生まれ、千葉県のご出身。
高校時代にガンバ大阪とプロ契約を結び、18歳でJ1デビュー。
2019年からオランダ、ベルギー、オーストリアのクラブを渡り歩き、2023年にはフランスのスタッド・ランスへ移籍。
また日本代表としても2023年3月の初招集以来、国際Aマッチ出場18試合で8得点を記録する活躍をなさっています。
そして6月にはご自身のフォトブック「Natural」が発売されました。
──中村選手は2023年からフランスのリーグ・アン、スタッド・ランスでプレーされています。チーム選びというのは順調だったんでしょうか?
そうですね。オーストリアからフランスに来る時にいくつか選択肢があった中でスタッド・ランスに入って、本当に良かったなと思っています。
──その際のチーム選びで重視していたことは何だったんでしょうか?
(チームが自分に)合う、合わないで探してはいたんですけれども、結局オファーは同じタイミングで来ることはないので、他のチームから(オファーが)来て、でも「このチームに僕は行きたい。だから(結果が出るまで)ステイしてほしい」となると、やっぱりオファーをくれたチームも違う選手を獲りに行ってしまったりするので、そういうこともあって最終的にスタッド・ランスになりました。タイミングはめちゃくちゃ大事だと思います。
──スタッド・ランスには同じ日本代表の伊東純也選手もいらっしゃいます。伊東選手は中村選手にとってどんな存在でしょうか?
来た当初はずっと面倒を見てもらっていましたし、本当に兄貴的な存在だったんですけど、今はもう、先輩ではあるけれども“親友”みたいな感じで仲良くさせてもらっています。
──何でも、ご飯は伊東選手がおごってくださって、中村選手はその代わりにカフェをご馳走するというお話を伺いましたが、今はどうですか?
シーズンが始まる前なんかは、伊東選手も一緒にご飯に行ってくれて、毎回ご飯代を出してくれるんです。なので、カフェはめっちゃ安いから申し訳ないなと(笑)。しかも1日だけじゃないんです。その時はほぼ毎日のように連れていってもらったので、申し訳なかったです(笑)。
──そんな伊東選手がおっしゃるには、中村選手はチームに馴染むのが早かったということですが、積極的にチームメイトと話したりということは意識されているんですか?
僕は結構移籍を繰り返してきて、フランスは4カ国目なんですが、毎回新しいチームに馴染まなければいけなかったので、そういった意味でコミュニケーションは自分の中で意識的にやっています。なので、“新チームだからなかなかコミュニケーションが取れない”ということはなかったですね。
──雰囲気だったり、ご自身のプレーだったりで、チームに馴染めたなと思ったのは、移籍してどのくらい経ってからですか?
チームには伊東選手がいて、伊東選手はチームの中心で一目置かれている存在なので、その選手と一緒にいることで他の選手からも話しかけられましたし、多分、本当に1日2日ぐらいでスッと馴染めたと思います。
“チームの一員になれたな”と思えるようになったのは、試合をしていく中で(徐々に)という感じです。
──そんなスタッド・ランス、どんなチームなんでしょうか?
陽気な選手が多くて、黒人の選手が多いので、アフリカ系の選手がすぐダンスしてわちゃわちゃしている、という感じですね(笑)。
──そして2024年シーズンはヨーロッパ主要リーグで日本人初となる5試合連続ゴールやリーグ戦で11得点2アシストと、こちらも日本人として初めてリーグ・アンで2桁得点と飛躍の年になりましたが、振り返ってみていかがでしょうか?
5試合連続ゴールはチームのパスあってのゴールなので。でもやっぱり、自分の目標だった“5大リーグで2桁得点を取る”ということを達成できたので、チームは降格してしまいましたけど、その点については自分自身では良かったなと思います。
──これだけ活躍した2024年シーズンの結果を受けて、何かご自身の中で気持ち、意識の変化はあったんでしょうか?
去年(2023-2024年シーズン)1年試合をしてきて“フランスリーグに慣れる”というところにフォーカスしてきたので、今シーズン(2024-2025年シーズン)が始まった時から自信を持ってやっていましたけれども、点を取るにつれてチームメイトからの信頼もどんどん厚くなってきて、最後の方ではボールも集まるようになりましたし、試合にもフルで出られるようになったので、そういった意味で、やっぱり自信やチームメイトからの信頼というのは公式戦で点を取ることによって変わりましたね。
──そして、中村選手の特筆すべき武器として、シュート力、シュートの上手さがあると思います。フォトブックの帯にも「シュートの魔術師」と書いてありましたが、そのあたりについてご自身ではどのように成長してきたと思われますか?
シュートに関しては“質より量”で打ってきて、プロに入る前までは本当にたくさんの本数を打ってきました。プロに入ってからは、練習などでコントロールされる部分があるのであまりやっていないんですけど、体に染みついている部分はあります。
──先ほどご自身でも自信がついたとおっしゃっていましたが、来シーズンに向けての目標を教えてください。
来シーズンも2桁得点を取って、得点をできるだけ多く取れるように頑張るのと、今シーズンはなかなかチームとして結果が出なかったので、自分のゴールとアシストでチームを勝利に導けるように頑張りたいです。
──そして中村選手は、6月にご自身のフォトブック「Natural」が発売されました。こちらのフォトブックにはどのような思いを込められたんでしょうか?
2年間かけて作ったフォトブックで、自分のルーツだったり、プライベートだったり、表ではなかなか見えないようなところも記載されているので、サッカー以外の部分の僕も知ってほしいというところもありますし、本当に多くの人に読んでほしいですね。
──中村選手は小学生の頃から、自主練習の内容だったり、試合や練習で気づいた改善点などを書いたサッカーノートをつけていらっしゃるということで、今回のフォトブックも発売にあたり、ご自身のこれまでを可視化することで改めてご自身を振り返る良いきっかけにもなったんではないでしょうか。
そうですね。本を書いているうちに自分自身も原点回帰できたというか、初心にかえることができたので。サッカーは“前に前に進んでいく”というところで、普段はあまり振り返ったりしないんですが、この本を書いたことで昔の自分を思い出して、“何のために頑張ってきたのか”という根本の部分を思い出したので、本当に自分自身にとっても良い機会になったなと思います。
──ご自身で何度も読まれましたか?
そうですね。結構読みましたし、昨日もちょっと目を通したんですが、本当に良い出来だったので、満足ですね(笑)。
──点数をつけるなら?
難しいですね(笑)。100点と言いたいですけど……じゃあ、100点で(笑)。
──100点満点。本当に、とても読みごたえのある1冊になっております。さあ、この番組ではゲストの方にCheer up songを伺っています。中村選手の心の支えになっている曲を教えてください。
試合前はEXILEの「Yell」という曲を必ず聴いています。
EXILE全般好きなのでいろんな曲を聴きますけど、何か試合前にこの曲を聴くと落ち着くんです。
──中村選手は今月頭に母校をサプライズ訪問して、吹奏楽部の生徒さんがEXILEの曲を演奏されたと伺ったんですが、その時の曲は?
この曲です。サプライズでやってくれて、めっちゃ感動しました。
──そのサプライズは嬉しいですね。母校の生徒のそういう声援も力になりますか?
元々人数が多い中学校なんですが、男女問わずみんなが応援してくれていて、僕のことも知ってくれていたんです。正直あまり知られていないと思っていたので、本当に多くの人が知ってくれていたことを知って、本当に心の底から行って良かったなと感じています。
来週も中村敬斗選手にお話を伺っていきます!お楽しみに。
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