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2025.08.16

金メダリストの素顔、そしてこれからの挑戦

今週の「SPORTS BEAT」は、先週に引き続き、柔道のオリンピック金メダリスト、角田夏実選手のインタビューをお届けしました。
角田夏実選手は、1992年8月6日生まれ、千葉県のご出身。
小学2年生の頃からお父様の影響で柔道を始め、八千代高を経て東京学芸大に進学。
大学で寝技の技術に磨きをかけると、2013年の学生体重別選手権で自身初の全国優勝を果たします。
了徳寺大学(現・SBC湘南美容クリニック)に進み、2016年のグランドスラム東京大会で優勝。
2019年に52キロ級から48キロ級に階級を変更。
2021年の世界選手権から日本の女子選手として史上3人目となる3連覇を達成。
2024年、パリオリンピックで金メダルを獲得していらっしゃいます。

──角田選手といえばSNSがよくニュースに流れていますけれども、投稿すると世間の反応があるということで、手応えは感じていらっしゃるのではないですか?

私は誰が見ているかということは気にしていなくて、インスタに最初に載せた時に、すごく遠くの方からLINEで「腹筋すごいね」と連絡が来たんです。それで“何を見て言ってるのかな?”と思ったら、 インスタで(笑)。最初はあまり自覚がなくやっていたんですが、その方はインスタを見たのではなくインスタがニュースに載ったものを見て連絡をくれたみたいで、インスタの発信でここまで広がるんだなってちょっとびっくりしています(笑)。

──様々なジャンルの人との交流も紹介されていますけれども、最近多く登場しているのは髙木菜那さん。

はい。もうめちゃくちゃ遊んでもらっています(笑)。

──遊び友達なんですか?

そうですね。性格は全然違うんですけど、フィーリングが合うんです。お互いに仕事もしていますし、温泉もサウナも好きだったので「行きたいね」とずっと言っていたんですが、なかなか休みが取れなくて「行けないな」となっていた時に、急に菜那ちゃんから「この日にちょっとスケジュールが空いたんだけどどう?」と言われて、私も「その日なら行ける」ということで、3日後に弾丸で仙台まで行って温泉に入ってサウナに入って泊まって帰ってくる、という。そういうことができる人なんです。

──本当に仲が良いんですね。髙木菜那さんはスピードスケートということで冬の競技ですよね。接点があまりなさそうですが、友達になったきっかけはあったんですか?

きっかけは、23区(オンワード)さんの広告の時に一緒になって、同い年だということで菜那ちゃんが話しかけてくれたんです。でも、「あれ、めっちゃ勇気が要ったんだよ」と。私もなかなか自分から話しかけられるタイプじゃないので、「本当に話しかけてくれてありがとう」みたいな(笑)。そこから「今度ご飯に行こう」となって、意気投合しました。

──髙木菜那さんはもう引退されていますがアスリートということで、トレーニングや試合に向かうことについてなど、競技に関するお話もされたりするんですか?

しますね。私は「今後、ロス(五輪)はどうするんだ」という話をされることが多いので、菜那ちゃんに「私は1回のオリンピックで出し切っちゃったんだけど、なぜ2大会頑張れたの?」と聞いたり、引退を決めた理由や、どうやって引退を決めるのかという話をご飯を食べながらしていて、結構ちゃんと話してくれるので、そこが私の次を考えるきっかけにもなっていますね。

──パリオリンピックであんな見事な金メダルを獲ったら、やっぱりやり尽くした感というのもあったりするんでしょうか。

そうですね。オリンピックに出ると決まった後からは、“怪我はあってもしょうがないけれど、手術レベルの大怪我や柔道ができないような病気になったりだけはしないでほしい”と思っていたんです。“怪我をしてもいいから、何とか痛みには耐えるから、試合だけは出させて”という気持ちで、痛くても“痛くない”、怪我も“怪我じゃない”と言い聞かせながらやっていった1年間だったんですけど、でも、本当に寝られない日も多くて。だからそれをやり遂げて終わった時に、“我慢してやってきてよかったな”ということを感じましたし、菜那ちゃんとその話をした時に、菜那ちゃんが「夏実、よく頑張ったな」と言ってくれて、ちょっと泣きそうになりました。

──実際に小さい怪我というのはよくされていたんですか?

そうですね。両肩両膝を怪我していましたし、いつもなら 、小さい試合なら“ちょっと休もう、出場は辞めて次の試合に備えよう”と考えるような怪我は結構していたんです。でも、“オリンピックは4年に一度でもうこんな機会はない”ということで、“これは怪我じゃない、これぐらいならまだ頑張れる”と言い聞かせながらやっていました。その後、いつも駆け込む接骨院に行った時に、「本当にあの体でよく戦ったよな」と言ってもらったりして、自分を騙していたわけじゃないんですけど、目標があると人はこんなに頑張れるんだなと思いましたね。

──そんな満身創痍な状態だったとは、観ている僕らは全く気づかず…。でも、“大きな怪我をしたくない”と思うと、練習も怖くなるし、ましてや試合に出ることも怖くなってしまいますよね。

そうですね。オリンピック前の試合でちょうど怪我をして、怪我をした相手がオリンピックの1回戦の相手だったので、オリンピックの時には“また怪我をしたらどうしよう““1回戦で怪我をしたらどうしよう”という不安がありながら臨みました。

──決勝が終わった後は、“金メダル”というよりは“無事最後まで戦い切れた”という安堵感も大きかったのかもしれませんね。

本当に、ほぼ安堵感でしたね。“終わった”“やり遂げた”という安心感でいっぱいでした。


──ただ、やっぱりオリンピックは国民みんなが注目する大きな大会じゃないですか。そこで金メダルを獲ったというのは、また生活というか人生がガラッと変わったきっかけになったんじゃないですか?

そうですね。今は(オリンピックで金メダルを獲る前には)想像していなかったような人生なので、オリンピックってこんなに人生を変えるんだなと思いましたし、人生をかけて頑張れるものだな思いました。

──それこそ、インスタとかのフォロワーとかも増えたりしたのでは?

増えましたね。YouTubeもやっているんですけど、YouTubeの登録者数も増えてくれて、こんなにオリンピックって注目されているんだということは感じます。

──YouTubeのチャンネル登録者数も20万人超え。すごく“のびのびと”というか、赤裸々にいろんなことを話されていて、質問に答えるコーナーでは、「辞めたいと思ったことはないですか」という質問に対して、「しょっちゅう辞めたい」みたいなことをおっしゃっていますよね。

タイミングがあれば「辞めたい」って言ってますね(笑)。何か、ちょっと辛いと「辞めたい」って言っちゃうタイプなんですかね(笑)。

──切り替えて乗り越えよう、続けようと思う気持ちというのはどこから来るんですか?

「辞めたい」と口に出すことで、周りの人と“どうやって柔道に向き合っているか”を話すことができて、話していくことで自分の気持ちを整理できている部分もあるんです。だから“もうちょっとやってみようかな”とか、“今なぜ辞めたいと思っているのか”とか、しっかり自分と向き合うきっかけにはなりますね。

──そして8月6日にお誕生日を迎えられて33歳になられたということで、33歳、どんな年にしたいですか?

オリンピックが終わってから1年経ったんだなと感じているので、(2019年の)階級変更もそうだったんですけど、いろんなチャレンジをしていきたいと思っています。今までは、失敗するのが怖かったりして、基本的に挑戦をしてこなかったんです。“安定でいきたい”というか、監督とかにも「石橋を叩いて渡る」ではなく「石橋を叩きすぎてしばき壊れちゃうよ」と言われるぐらいビビリなところがあるんですけど(笑)、思い切って一歩踏み出したことでこんなにも世界が変わるんだなと思ったので、失敗を恐れずにいろんなことにチャレンジしてみたいなと。失敗を楽しんで、自分の伸びしろを見ていきたいなと思っています。

──YouTubeでは英語とゴルフとおっしゃっていましたけれども、ゴルフはまだ始めていないということですか?

今年に入って初めて、今10ラウンドちょっと行って、ゴルフクラブも揃えています。

──スコアはどれくらいで回られるんですか?

今は最高で111とかで回れました。

──始めたばかりで111と言ったらすごいですよね。

でもやっぱり体の使い方があまり上手じゃなくて、「パワーでやっている」「腕だけで振っている」とかめちゃくちゃ言われるんです(笑)。「もっと力を抜いて」と言われるんですけど、なかなか体が言うことを聞いてくれなくて(笑)。

──とはいえ、やっぱりパワーがあるから、ドライバーなんて相当飛ぶんじゃないですか?

飛ぶ方なのか…まだあまり基準がわからなくて。とりあえず当たることが嬉しいという段階ですね。

──この番組は毎回ゲストの方にCheer up songを伺っています。今週も角田選手の心の支えになっている曲を教えてください。

木村カエラさんの「memories」です。この曲はすごくテンポが良くて、大学の時にこの曲を聴いて、ベンチプレストレーニングをするとめちゃくちゃ調子がいいんです(笑)。

──でも、入ってくる音楽によって力の出方というか出力って変わってくるでしょうしね。

そうですね。本当に気持ちでこんなにパワーが変わるんだなと思うぐらい楽しくできるので、聴くようにしています。

──YouTubeでおっしゃっていましたけれども、最近めちゃくちゃベンチプレスが上がるようになったと。

そうですね。オリンピックに向けて“ここまで上げるようにしよう”、というところも決めていたので、トレーナーさんとそこまで上げるようにしていたんですが、今度はオリンピックが終わった後に“次の目標は”となって、無差別になって、無差別の大会だったらもう1個上ぐらい重りを上げたい、やっぱり大きい相手と戦うのでパワーをつけたいということで、そこもちゃんとクリアしていけたのは、やっぱり目標があったから頑張れたというところはあります。

──この曲を聴くとさらに力が入る?

そうですね。力が入る、頑張れるという感じです。この曲を聴いていると何か“やるぞ!”ってなります。

今回お話を伺った角田夏実選手のサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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