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2026.02.28

「世界を知らないと世界で勝てない」“世界最高峰”で挑戦し続ける理由

今週の「SPORTS BEAT」は、オリンピックにホッケーで、東京、そしてパリ大会に出場した及川栞選手のインタビューをお届けしました。
及川栞選手は、1989年、岩手県のご出身。
お母様がホッケーの元日本代表キーパーだったこともあり、子供の頃からホッケーを始めます。
強豪国のオランダでプレーし、日本女子初のプロホッケー選手となり、オリンピックには東京、パリ連続出場を果たすなどの活躍をし、現在は、オランダ、オーストラリアに続き3か国目となるスペイン国内最高峰リーグのチームで活躍されています。

──及川選手、お久しぶりです。以前登場してくださったのが2023年5月ということで、もう3年近く前になるんですね。あっという間という気がしますが、この3年間の間にパリオリンピックもありましたし、いろんなことがあったんじゃないでしょうか。

はい。そうですね。いろいろありましたね。

──前回登場していただいた時には東京オリンピックがコロナ禍で無観客だったということで、「次のオリンピックでは自分の両親やお世話になっている人たちに現地に応援に来てほしい」とおっしゃっていました。
そのパリオリンピックでは勝利を挙げることもできましたけれども、実際にみなさんは応援に来てくださいましたか?

そうですね。両親を連れていくという長年の夢は現地で叶えることができましたし、女子ホッケー界では、ロンドン大会ぶりにオリンピックという舞台で白星を挙げたんですが、それが12年ぶりだったんです。私たちとしては、新たな歴史の1ページを刻む現場に立てたその瞬間を、両親や一緒に戦ってきたチームメイト、そして応援してくれている人たちと味わえたことが最高の瞬間でした。

──パリオリンピックで金メダルを獲得したのは、及川選手がかつて所属していた世界一のチームの…。

オランダです(笑)。

──チームメイトや戦っていた相手が金メダルを手にしたわけですよね。

そうです。私たちは負けてしまったので、帰国の時に結果を見て、やっぱりオランダか、と。でも、オランダと最後に決勝で戦ったのが、アジアの中のチーム、中国だったんです。それを見た時に、もどかしさを感じたというか、アジアの国である中国がそこまでいっているということはアジアの強さが上がっているということですし、やっぱりそこで戦えなかったという悔しさもありました。でもそれ以上に、オランダで一緒に戦ってきたチームメイトが優勝したことは心の底から嬉しかったですし、自分自身もあの人たちと一緒に世界最高峰のところで戦っていたんだなと、良い思い出もたくさん蘇ってきました。

──逆にメダルを近く感じることもあったんじゃないですか?

ありましたね。その人たちと一緒にプレーしていたということもありますし、これは裏話なんですけれども、パリオリンピックの選手村で、オランダの時のチームメイトと一緒に写真を撮ったり、交流もしていたんです。なので、その時横にいた選手が金メダルを持って母国に帰ったというのは本当に羨ましいなという気持ちが大きかったですね。

──東京、そしてパリと2度オリンピックに出られましたけれども、オリンピックに対する想いは変わりましたか?

やっぱり東京とパリでは、大会後の気持ちは変わりましたね。
最初に藤木さんもおっしゃってくださったんですけど、(パリオリンピックでは)有観客になった。そこの達成感というか、やっと少し恩返しができたという、自分の中での満足感はあります。そこが一番東京オリンピックで引っかかっていたので、(パリオリンピックでは)家族で心から幸せな瞬間を過ごせたなと思いました。

──そして及川選手は、去年の9月からスペイン国内最高峰リーグのチームUD Taburienteと契約し、また12月から1月にかけてインドのホッケーリーグにも女子の日本選手として初めて参加されていました。
これは今、スペインのチームに所属しながら、さらにインドのリーグにも参加されたということですか?

そうです。スペインのチームが基本的な所属先になっているんですが、インドでは全世界のリーグの休み期間に「ホッケーインディアンリーグ」というものが開催されるので、(その期間に)全世界からホッケー選手をオークション形式で選んでチームが構成されます。

──そもそもインドではホッケーは盛んなんですか?

そうです。インドの3大スポーツが、クリケット、フットボール、そしてホッケー。3大スポーツに入っているんです。国としてもすごくお金をかけていて、活性化やホッケーの普及に力を入れているので、資金が潤沢なリーグになっています。

──世界中から選手をオークションで連れてくるとおっしゃいましたけれども、インド国内の選手もいらっしゃるんですか?

そうです。女子は4チームが総当たりで2周するんですけれども、構成が20人のチームのうち、1チーム最大7人まで国外の選手をオークションで取れるんですが、13人はインド国内の選手です。
一応「ホッケーインディアンリーグ」という名前なので、インドの競技力の向上が目的となっていますけれども、海外の選手も入れてレベルの高いリーグにしたいという思いもあります。

──インドの選手もそのリーグに合わせてオークションで集まるんですか?それとも、元々あるチームに海外の選手をオークションで入れるということですか?

国内の選手もオークションです。

──ということは、毎年メンバーが変わったり、その時に初めて立ち上がるチームということですよね。

そうです。男子はコロナ禍の前からもやっていましたが、女子は歴史的背景もあって、昨年初めてインディアンリーグが開催されて、今年が2度目になります。

──オークションというのは、突然話が来るんですか?それとも、申し込んだりするんですか?

WEBに申し込みフォームがあるので、インディアンホッケーリーグに参加したい人はそこから申し込みをします。
一応、国の代表選手などの条件はありますが、本当に世界からたくさんの人が応募してきます。
オークションは昨年の10月に行われましたが、全部YouTubeで生中継するんです。私はその時スペインにいたんですが、時差の関係上、トレーニング中だったので(中継を)見れなくて。でも、終わったら「sold」だけ来ていて、そういえばリーグに申し込みしたわ、みたいな(笑)。


──ご自身が選ばれたことを知った時はどうでしたか?

すごく自分自身を誇りに思いましたし、こうやって世界から注目されているということは、選手として自分自身の価値を認められているということなので、本当に嬉しい以外の言葉はなかったです。まだ自分は世界で戦えるチャンスがあって、世界から認められているんだと。それとともに、責任感といいますか、もっともっと自分自身のパフォーマンスを向上させていきたいという良いモチベーションにもなりました。

──各チーム、外国人選手は7名までしか落札できないということを考えると、全部で28名。世界中で28名しかいない中に選ばれたわけですから。
実際に参加されたインドのリーグはどうでしたか?

本当にワールドカップ並みのレベルの高さで、すごく楽しかったです。
また、英語の大切さも新たに実感しました。第1言語が違う人たちが集まって英語でコミュニケーションを取ってパフォーマンスするのは面白いと思いましたし、ホッケーの深さも感じましたし、スティック1本でこうやって同じ競技、同じ瞬間を味わえるって本当に素敵なリーグだなと、そこに行けたことに幸せも感じました。

──もちろんプレーも大変だけれど、言語もそうですし生活もそうですし、いろんなご苦労をなさった。でもその経験が今度は日本代表に返ってくるわけですし、日本代表の若い選手たちもいろいろ聞いてくるのではないですか?

そうですね。やっぱり海外に興味がある選手はすごく聞いてきますし、私も海外でプレーする選手が増えてほしいという願いはあるんです。やっぱり世界を知らないと世界で勝てないと思うんですよね。

──若い選手たちは積極的に海外に出ようという感じなんですか?

現状はなかなかそういう選手はまだ少なくて、やっぱり“まず日本で経験を積んでから”という、いい意味でセーフティというか、それを選ぶ選手がまだ多いかなと思います。でもやっぱり、ぶち当たってでもその壁を越えていってほしいという思いはあります。

──でもやっぱり、及川選手がこうやって海外のいろんなリーグに挑戦しているというのは必ず今後に繋がっていくんじゃないかなと思います。

自分もそう信じて、いつかは自分を超えていってほしいなと思いますし、他の国でもいろいろ活躍して、“日本人にこんな選手がいたんだ”と世界を驚かせていってほしいなと思います。

──そして、今年の秋、第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)が開催されます。及川選手は2014年の韓国インチョン大会、そして初優勝した2018年度インドネシアジャカルタ大会、そして前回は2023年中国の杭州で行われた大会に出場されています。
今回は自国開催。東京オリンピックも自国開催でしたけれども、コロナ禍ということで、せっかく日本で開催できたのに見てもらえないというもどかしさがあったわけですけど、今回は日本ということで、いろんな方に来て見てもらえるんじゃないですか?

そうですね。ホッケー会場は岐阜になっていて、私は大学卒業後、岐阜県を拠点としたソニーHC BRAVIA Ladiesに所属していたので、その拠点の地域で行われるということは、私にとっては本当に第2の場所といいますか…。

──ホームゲームじゃないですか。

そうなんです。本当に私の中で思い出のたくさんある場所なので。
アジア大会は「アジアのオリンピック」という位置づけにもなっているので、アジアのオリンピックを今までお世話になった人たちに自国開催で見てもらえるチャンスがあるのは本当に光栄だなと思います。

──今、ライバルとなるアジアの国はどこになるんですか?

中国、インド、韓国、日本の4カ国のどこが勝つか、という感じです。やっぱりパリオリンピックで銀メダルを獲った中国は、今、アジアの中でちょっと抜けているかなと思いますが、これらの国に勝って上がらないとアジアの王者としてオリンピックに臨めないので、(日本のライバルは)この3カ国(中国、インド、韓国)ですね。

──及川選手のアジア大会への意気込みを聞かせてください。

アジア大会は母国で開かれるので、自分がチャンスを得たのであれば、やっぱりそこで金メダルを獲って、いち早くロサンゼルスオリンピックの出場権を獲得するということが自分の中での目標ですし、チームでの一番最初の目標になっています。また、私たちが2018年のアジア大会で初優勝して、それが日本のホッケー界で初の金メダルだったので、その時の感覚は私もすごく鮮明に覚えていますし、そういう気持ちを後輩たちにも味あわせてあげたいという思いもあります。

──さあ、この番組は毎回ゲストの方にCheer uo songを伺っています。及川栞選手の心の支えになっている曲を教えてください。

Mrs. GREEN APPLEの「ケセラセラ」です。
「ケセラセラ」の意味はご存知ですか?

──「大丈夫」「何とかなる」?

そうです。スペインで「何とかなるさ」という意味なんです。ネガティブじゃなくてポジティブなミーニングで、もし壁にぶつかった時にも、「ここを乗り越えたら何とかなるさ」ぐらいのポジティブなマインドになれるので、この曲が好きです。

今回お話を伺った及川栞選手のサイン入り色紙を1名のリスナーにプレゼントプレゼントします。
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さらに、今日お送りしたインタビューのディレクターズカット版は、「TOKYO FMポッドキャスト」として、radikoなどの各種ポッドキャストサービスでお楽しみいただけます。
聴き方など詳しくはTOKYO FMのトップページをチェックして、そちらも是非、お聴きください!
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2月28日(土)OA分の放送はこちら