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2026.06.20

日本チームを牽引する存在へ─アジア競技大会に臨む決意

今週の「SPORTS BEAT」は、卓球の日本代表、トヨタ自動車所属の張本智和選手にお話を伺っていきました。
張本智和選手は、2003年6月27日生まれ、宮城県のご出身。
2021年の東京オリンピックでは、男子団体で銅メダルを獲得。
今年5月の世界卓球ロンドン大会では、日本の大黒柱として男子団体を10年ぶりの銀メダルへ導かれ、今年9月から愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会の日本代表にも選出されています。


──張本選手は、5月25日に発表された世界ランキングで自己最高位タイとなる2位になったと。2位となるのは2022年の12月以来ということですが、やはり世界ランキングはかなり意識されるんでしょうか。

そうですね。大会のシード順を決めるのにすごく大事になってくるので。やっぱり良いランキングでいればアジア大会やオリンピックでメダルが獲れる確率も高くなりますし、すごく意識しています。

──各大会で得られるポイントでキープしていかなければいけないわけですよね。

はい。1年間でポイントが消えてしまうので、本当に毎年毎月、ポイントを稼ぎながら…という感じになります。

──久しぶりに2位に帰り咲いたのはかなり嬉しかったのではないですか?

そうですね。もうあとは1位のみなので、まずはスタート地点じゃないですけど、2位に戻ってきて、いよいよ1位を目指そうという感じですね。

──全てのスポーツでメンタルの影響は大きいとは思いますが、特に卓球はメンタルがすごく要求される競技なんじゃないかなと勝手に思っているんですけれども。

流れがすごく傾くスポーツなので、さっきまであんなにスムーズに行っていたのに途中から大逆転負け、ということもたくさんあります。そういう時はメンタルが崩れたら一気に(流れを持って)行かれてしまいますし、メンタルが強い人は土壇場でも踏ん張れるというところはすごくあります。

──メンタル面でのトレーニングをされたりもするんですか?

僕は普段あまりやっていないんです。練習でどれだけ緊張感を持っても試合の緊張感は作り出せないな、というところに行き着いたので。こればかりは技術と違って練習で培えないし、試合で経験したものはまた次にそこでしか思い出せないと思ったんです。でも、その時の感覚を覚えておくことはできると思うので、その感覚を覚えて、できるだけ忘れないようにとは考えています。

──大事な舞台ってたくさんあると思いますが、“緊張しすぎて手が震えそう”とか、そういうことは試合中はないものなんですか?

今でも全然ありますね。手とか、サーブを出す球とかけっこう震えてるなと思ったりします。

──しかも、テレビカメラとかですごく手の寄りとか抜かれているじゃないですか(笑)。“震えてる”ってバレると思うと、余計に緊張しないですか?

いや、しますね(笑)。緊張しているから震えているのか、撮られているから震えているのか、途中からわからない時はあるんですけど(笑)。

──張本選手ほどの選手なら大舞台はいろいろ経験されていると思いますが、やっぱり緊張はされるんですか?

そうですね。緊張に関しては、少し慣れることはできるんですけど、克服できるタイプではないなと自分では思っています。楽しめる人もいるんですけど、僕は性格的にけっこう緊張を感じてしまうタイプなので、こればかりはしょうがないかなと思います。

──試合のどういう時に緊張するんですか?

入場する前が一番緊張しちゃうというか、名前を呼ばれるまでの間が…早く呼ばれて(会場に)入ったら逆に楽になるんですけど、何か、ギリギリ逃げ出せそうな感じが(笑)。

──(笑)。それは全試合ですか?それとも決勝戦?

けっこう特殊で、1回戦、2回戦の方が緊張しますね。

──そして、張本選手は2022年4月に早稲田大学人間科学部へ進学され、卓球の国際大会やプロツアーを転戦しながら学業を両立させていらっしゃるということなんですが、やっぱり大学に行ってみたいという思いも強かったんですか?

そうですね。僕も思っていましたし、あとは両親から「大学は絶対に出てほしい」とずっと言われていたので、大学に行くのは当たり前のことだと思って行きました。

──ただ、大学になったらレポートなども含め色々やらなければいけないこともありますし、両立は相当大変だったんじゃないですか?

そうですね。僕は今、早稲田の通信制なので、毎週日曜日が提出期限なんです。でも僕は計画性を持ってできないタイプで、全部を日曜日に一気にやるんです。提出期限が朝の5時なんですけど、けっこう、夜中の12時から5時間で終わらせるタイプです(笑)。

──ちなみに、何の勉強をされているんですか?

僕は今ゼミに入っていて、哲学系のゼミをやっているので、“人間とは”とか“生きるとは”とか“幸せとは”みたいな感じですね。

──それは、プレースタイルというか、競技への、卓球への取り組みも変わってきたりするんじゃないですか?

そうですね。今まで、物事を重く捉えすぎる性格だったので、それもあって(試合でも)緊張していたんですけど、“そもそも卓球とは”とか“勝利とは”“敗北とは”みたいなところを突き詰めていくと、“意外と負けるって大したことではない”とか、逆に“勝ってもそんなに大したことではない”とか、いい意味でも悪い意味でもそう捉えられるようになって、それからは少し肩の荷が下りた気がします。

──“卓球に返ってくるだろうな”と思って哲学を選ばれたわけではなく、“面白そうだな”と思ったことが競技に戻ってくるって素晴らしいことですね。
あと、箱根駅伝が好きでいらっしゃるんですか?

箱根駅伝、めっちゃ好きですね。

──昔から観ていたんですか?

4、5年前に、たまたま1月2日にテレビを付けたらやっていたので観て、箱根駅伝という存在は知っていたんですけど、観てみたら“こんなに面白いんだ”と思って。

──惹かれた部分はどういうところでしたか?

10人でタスキをつなぐということがこんなに大変ですごいことなんだなと。“こんな1人で10人ぐらい抜くことがありえるんだ”とか、短距離ではありえない話を知って、すごい競技だなと思いました。

──けっこう長い時間観なければいけないので、それで「観ない」という人もいますけれども、でもあの中にも細かいドラマがいっぱい詰まっていますし、何といっても、今年の早稲田大学はめちゃくちゃすごいんですよ。
山登りの山の探偵、工藤慎作選手が4年生で残っていて、去年1年のスーパールーキーだった鈴木琉胤選手、そして佐々木哲選手が2年生になって、1年生にスーパールーキーが入ってきたんです。増子陽太選手、そして新妻遼己選手、本田桜二郎選手。この3人は高校駅伝の花の1区、エースが走る区間の1、2、3位なんです。それがそのまま早稲田に入ってきた。
箱根駅伝は10区間20キロ近く走らなきゃいけないので、戦士層の厚さでいうと青山学院はやっぱり強いんですけれども、三大駅伝、今年はどれか獲るんじゃないかと思っているので、応援しましょう!

応援します!

──大注目ですね。
そして、張本選手は、今年9月に愛知名古屋で開催されるアジア競技大会に卓球の日本代表として、男子団体、男子シングルス、男子ダブルスの3種目でエントリーされています。
さあ、いよいよ開幕するアジア競技大会。自国開催、そして何といってもトヨタ自動車のお膝元。いつもに増して気合が入っているんじゃないですか?

本当にそうですね。この豊田市で開催されるアジア競技大会も一生に一度だと思うので、自分でもプレッシャーも感じますし、なんとなくトヨタやマネージャーのみなさんからのプレッシャーもちょっとだけ感じています(笑)。

──それが良い方向にプラスになるといいですよね。
でもやっぱり、今までは水谷さんが引っ張ってくださっていた中、今度は張本選手が日本チームを引っ張っていかなければいけないわけですからね。

そうですね。本当にすごすぎる先輩がいらっしゃったので、まずは並べるように。まだ22歳なので、10年経った時には水谷選手と同じくらいかそれ以上になれるようにと思っています。そのためにも、アジア大会や世界卓球は一歩一歩進むための道だと思うので、しっかり結果を残していきたいなと思います。

──そして、卓球といえばやはり中国が相変わらず強いわけですけれども、中国の強さはどういう部分にあるんですか?

まずは普段の練習量がどこの国よりも多い。練習の質が高いのはどの国も当たり前なんですけど、“高い質の練習の量”が多くて、シンプルにそれが一番すごいです。

──あんなに強い中国なのに、でも世界のどこを見渡しても一番練習しているのが中国?

それだけは間違いないです。

──そこは、「じゃあ練習時間を中国みたいに長くしてみよう」みたいな話にはならないんですか?

日本とか他の国は大会の前にしか合宿がなくて、“アジア大会が始まるから2週間合宿”とか“オリンピックが来るから合宿”とかなんですけど、中国は、ツアーが終わったら合宿。合宿しかない。もはや合宿じゃないかもしれないですけど(笑)、合宿をやって試合、合宿をやって試合。まずはそこですね。

──卓球のというか、スポーツに対する取り組み方、体制自体が違う?

プライベートがほぼない、たまにしかないということはよく聞きますね。
例えばチキータとか1個1個のドライブの質が本当に高いので、目に見えている部分ではそういう技術がすごいんですけど、その裏には圧倒的な練習量があるんだろうなと思います。

──でも、張本選手は中国選手を倒すじゃないですか。そのために必要な部分はどう感じていらっしゃいますか?

まずは自分のできる最大限の練習量ですね。やっぱり大学もありますし、こういうスポンサー(関連の仕事)もあるんですけど、でもそういうところもすごく日本の良さというか、僕にとっても力になっていると思うので。
でもやっぱりそれ以外に、自分がちょっとでも練習できる時間に練習すること。自分が練習している内容はちゃんと質が高い自覚はあるんですけど、あと30分、あと1時間あればもっと質が高くなる自信もあるので、その隙間時間を見つけること。自分が100%練習しても中国の量には並べないですけど、自分ができる100%は絶対やらなきゃいけないとは思っています。

──やっぱり練習は裏切らない?

100%裏切らないわけではないですけど、でも、そもそも練習をマックスやりきらないと始まらないとは思います。

──最初の土台というか、前提として、あれだけ速い展開のラリーの中でお互いの回転まで読み合うわけじゃないですか。ゾーンに入ったらやっぱりあの速い球でも回転ははっきり見えるものなんですか?

ボールの動きとかまでは見えないですけど、打ち方とか音とかでどういう回転のボールが来るのかはわかります。

──中国の応援、大きすぎますよね(笑)。

しかもどこの国でやってもファンが来るので、全部中国のホームみたいな中で戦うことになるんですよね(笑)。

──アジア大会は自国開催なので、日本も応援負けていられないので、頑張って応援しましょう!
アジア大会の張本選手の目標を聞かせてください。

もちろん金メダルは絶対獲りたいものですし、その中でもシングルスの金メダルは本当にアジア1になれるので、シングルスで金メダル、そして団体、ダブルスも金メダルを狙いながら、1個でも多くのメダルを獲りたいなと思います。

──アジア競技大会の卓球は、男女の団体が9月20日から、男女のダブルスが9月21日から、混合ダブルスが22日から、男女のシングルスが23日から、愛知県豊田市のスカイホール豊田で行われます。
さあ、この番組では毎回ゲストの方にcheer up songを伺っています。張本選手の心の支えになっている曲を教えてください。

岡本真夜さんの「TOMORROW」がすごく好きです。

──張本選手はまだ生まれていないですよね。いつも聴かれているんですか?

どの曲が好きかパッと一瞬で思い浮かんだのはこの曲でした。フレーズがすごく好きで、僕は特に負けた後に曲を聴くことが多いので、冒頭の「涙の数だけ強くなるよ」というところの歌詞とも重なりますし、負けてへこんで1人じゃ立ち上がれない時に、この曲に支えられてまた立ち上がっていることが多いです。

──卓球のシングルスは、1対1で全ての力を出し合って、どちらが上かということを突きつけられる場でもありますし、試合で負けて流す涙もあれば練習中に辛くて流す涙もあるでしょうし、その涙の数だけ張本選手も強くなっているんですね。

そうですね。勝った時って、意外と反省することがないというか、“勝ってよかった、また頑張ろう”で終わるんですけど、負けた時って、“あそこがダメだった”とか“ここがダメだった”とか、“悔しい”という気持ちを持ち帰るので、その時の方が強くなれる。練習も頑張れるし、やることも多いので、“負けた時の方が強くなれる”というのは本当にその通りだなとこの歌詞からも思いますし、負けた時に“チャンスだ”と思うように、“負けたから悔しい”で終わらないようにしようと思いました。


今回お話を伺った張本智和選手のサイン入りシャツとサイン入りラケットをそれぞれ1名のリスナーにプレゼントします。
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また、新たにポッドキャストのコンテンツとして始まった『SPORTS BEAT supported by TOYOTA Mixed Zone』。
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聴き方など詳しくはTOKYO FMのトップページをチェックして、そちらも是非、お聴きください!
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