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2026.06.27

“世界一”への挑戦は続く──10歳から抱き続ける夢

今週の「SPORTS BEAT」は、ボウリングの日本代表・パーフェクトジャパンのキャプテン、佐々木智之選手にお話を伺っていきました。
佐々木智之選手は、1986年生まれ。
長年にわたりナショナルチーム『パーフェクトジャパン』の男子キャプテンを務め、アジア競技大会に過去4回出場し、金メダル3個・銀メダル1個を獲得。
今年3月、全日本ボウリング選手権大会で16大会ぶり2度目の優勝。
現在、パーフェクトジャパンのプレーイングコーチも務めていらっしゃいます。


──まずは16大会ぶりの日本一、おめでとうございます。16大会ぶりの日本一ということで、全日本選手権優勝、率直なお気持ちをお聞かせください。

久しぶりの優勝だったんですけれども、非常に嬉しいです。

──その16大会前の優勝と今回の優勝、一番違うところはどういったところでしょうか?

初めて優勝した時はマスターズ戦という決勝で、1ゲーム目からずっと“トップになりたい”と思って投球をしていたんですけれども、今回の優勝は“12ゲーム終わった時にトップにいればいい”と思って、自分なりにゲームプランを組んで戦いができたので、そこが一番違うかなと思います。
ゲームの流れや周りのスコアを見ながら、途中で自分が悪くなっても焦らずに最後にてっぺんを獲れたらいいと思って、焦らず投げられました。

──佐々木選手は最初に全日本入りしたのが2003年、高校2年生の時ということで、それ以来、基本的に代表メンバーとして活動されてきています。
20年以上の代表歴ということで、代表入りした当時と今、たくさんある変化の中で大きく変わったところはどこでしょうか?

まず、ボウリング界の中で「ツーハンド」といって両手で投球する選手が非常に増えました。私がナショナルチームに入った頃はツーハンドのスタイルはほとんどいなかったんですけれども、今はユース世代ですとか、大人でも3分の1近くがツーハンドで投げるようになってきています。

──そんなに両手投げが増えたんですね。

高校選手権とかジュニアの年代だと半数以上、下手したら7割か8割ぐらいの選手が両手投げになっているぐらい、日本でも世界でも増えてきています。
今、アメリカのプロなどでは、上位を占めるのがツーハンド、両手投げのプロが多いので、それを真似て日本人も両手投げに転向したり、もしくは始めた時から両手投げという選手が増えてきているんです。

──佐々木選手もツーハンドに挑戦されていますか?

指導する時に役立てようと思って練習でやったことはあるんですけれども、競技ではワンハンドの普通のスタイルでやっています。

──やっぱり難しいですか。

ツーハンドのメリットとして回転数を上げることができるので、非常にボールもよく曲がるんですけれども、スピードを出すことが難しかったり、コントロールの仕方がワンハンドのスタイルとは全く別物なので、その辺の難しさは感じています。

──今年の4月から、ボウリングのナショナルチームの愛称が「パーフェクトジャパン」となりました。名前がとってもカッコいいですが、このパーフェクトジャパンという名前に込められた意味は何でしょうか?

“ボウリングが上手いだけではなく、日々の生活において人としてパーフェクトであること”というところがパーフェクトジャパンにふさわしいと思っています。今までもそのような思いはあったんですけれども、この名称がついたことでより一層メンバーの意識は高くなったと思います。

──心、技、体、礼、技術の上手さだけではなく、人間性も含めてパーフェクトなところを目指すというボウリング日本代表ですけれども、佐々木選手は2015年、28歳の時に男子キャプテンに就任されまして、現在はプレーイングコーチ兼キャプテンを務めていらっしゃいます。
キャプテンに必要な資質は、ご自身では何だと思われますか?

今までメンバーの時には“自分のボウリングに集中して自分で頑張ろう”という思いが強かったんですけれども、キャプテンになったことで自分以外のメンバーにも目を向けるようになりましたし、考え方などぶれない姿勢が大事だなと思っています。

──キャプテンに就任されて10年以上経つわけですけれども、チームをまとめる時に意識していることはどういったところでしょうか。

今、ユースのメンバーも含めると、自分の年齢の半分以下の選手がいたりして年齢層の幅が広いので、僕の今の考えを押し付けるのではなく、若い選手の考えを聞きながらメンバーと意見交換して、みんなでチームの方向性を示すようにしています。

──佐々木選手はご自身から話しかけられるタイプですか?それとも、もともとは周りとコミュニケーションを取るのは苦手な方でしたか?

コミュニケーションを取るのは苦手ではないんですけれども、見た目の問題なのかあまり喋りかけられるタイプではなかったので(笑)、キャプテンになったことでそこを少しでも和らげられたらなと思い、普段、ナショナルチームの合宿とかの時には、「いつでもを声かけてね」というオーラを出すように努力はしています(笑)。

──佐々木選手の真面目なお人柄の中に垣間見える柔らかさが若い選手のみなさんにとってもすごく親しみやすいのかなと感じます。
そして、佐々木選手はアジア大会金メダル3つ、銀メダル1つと国際大会の経験が豊富ですけれども、世界で戦うために必要な要素って何なんでしょうか。

技術はもちろんなんですけれども、体力と強い精神力が必要だと感じています。

──“もうここで決めないと”というところではすごくプレッシャーがかかると思いますが、そこで平常心でいられる方がいいのでしょうか。それとも、ある程度緊張も味方につけた方がいいのか、佐々木選手の場合はどちらの方がご自身のパフォーマンスが上がりますか?

僕は普段、国内の大会でもあまり緊張するタイプではないんですが、世界選手権など国際大会だと普段感じることのできないワクワクや気分の高揚がありますので、そういう意味では緊張感があった方が自分のパフォーマンスを出せると思っています。

──あまり緊張しないタイプなんですか?

ボウリングを始めた頃やナショナルチームに入った頃はけっこう緊張していたんですけれども、ある時から試合でもあまり緊張することがなくなったので、逆に、決勝とか優勝が決まる一投になった時に緊張感があると、自分の中でも嬉しくなります。

──私はとても緊張してしまうタイプで、どうしたらいいでしょうか(笑)。そういう相談は後輩の方からあったりしませんか?

けっこう相談はされるんですけれども、自分の経験では、緊張があった方がいいパフォーマンスが出しやすかったりしますし、逆に何も緊張がない、気分の高揚がないと、いい意味で常にフラットな気持ちで臨めるけれども何か面白くない部分があったりするので、緊張を味わえるのは逆にすごくいいことなんじゃないかなと。ネガティブなイメージを持たれがちなんですけど、緊張は人にとってすごく良いものなんだなと思っています。

──常に練習をして“これだけやったんだ”という自信があるから、そこまで緊張されないんでしょうか。それとも、もともとの性格なんでしょうか?

ボウリングを始めた時から世界一になりたいという目標、夢があるので、“ここで倒せなかったら、ここで勝てなかったら世界では絶対に勝てない”“世界で勝つためにはまずここで勝たなければいけないんだ”と思って戦っているので、そういう意味では緊張はあまり感じていないのかなと思います。

──世界の選手と戦ってみて、日本と海外の選手の違いはどういったところに感じられますか?

ボウリングのスタイルとしては日本人も海外の選手もあまり変わりはないんですけれども、普段の練習の仕方とか戦略とか、生活環境とかがかなり違うなと思っています。
全選手ではないですが、海外の選手はナショナルチームになると国や連盟から給料をもらって、普段からボウリングだけして、ボウリングに向けてトレーニングをする日々を送っているんですね。でも日本にはそういう制度がないので、日々仕事をしながら、仕事の後に練習をするという環境でやっていますので、そういう生活の環境、ボウリングに向けての環境の違いはかなり感じています。

──ボウリング選手は海外に留学とかはあまりされないんですか?

日本の選手が海外に留学というのは、今まであまりないです。ただ、僕自身海外で戦いたいと思っているので、オープン大会といってメダルがかかっていない大会に出場するなど、年間に何度か自分のお金で海外の試合に行って、海外の現状を学んだり、その中で今自分がどの立ち位置にいるのかということを確認したりしています。

──佐々木選手の夢や今後の目標についてぜひ聞かせてください。

ボウリングを始めた10歳の時から常に変わらず“世界一になる”という夢がありますので、自分が何歳になってもこの夢を追い続けたいなと思っています。

──その佐々木選手のお人柄がまた背中を押してくれると思います。世界一目指して頑張ってください。応援しております。
さて、この番組ではゲストの方にCheer up songを伺っています。佐々木智之選手の心の支えになっている曲を教えてください。

Superflyさんの「Wildflower」です。
2010年のアジア競技大会の時にこの曲をずっと聴いていたんですけれども、その大会ではメダルを獲得することができずに、その時は“負け歌”のようになってしまったんです。それが非常に悔しくて、2014年のアジア競技大会でもこの曲を聴き続けて、2010年の悔しかった気持ちを思い出しながら自分を鼓舞させて、それで2014年に金メダルを獲ることができたという非常に思い入れのある曲です。

──初めはこの曲を聴くと負けてしまった悔しい気持ちが蘇っていたのが、今では聴くとどういった気持ちになりますか?

うまくいかなかった時の思い出とうまくいった時の思い出、両方思い出す曲となっているので、そういう意味では試合前に聴くことで強い気持ちになれているなと思います。この曲が世界一になった時に喜びの気持ちで聴けるといいなと思います。

今回お話を伺った佐々木智之選手のサイン色紙を1名のリスナーにプレゼントします。
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また、新たにポッドキャストのコンテンツとして始まった『SPORTS BEAT supported by TOYOTA Mixed Zone』。こちらは、radikoなどの各種ポッドキャストサービスでお楽しみいただけます。
聴き方など詳しくはTOKYO FMのトップページをチェックして、そちらも是非、お聴きください!
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