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2022.06.25

姉妹で支え合って掴んだ銅メダル

今週の「SPORTS BEAT」は、北京オリンピック・スノーボード女子ハーフパイプで銅メダルに輝いた冨田せな選手をゲストにお迎えしました。
冨田せな選手は、新潟県妙高市出身の22歳。
3歳からスノーボードを始めます。
エアの安定感を武器に、2018年、高校生にして平昌オリンピックに出場し、8位入賞を果たします。
今年1月にコロラド州で開催されたXゲームズでは、スーパーパイプで初優勝。
北京オリンピックのスノーボード女子ハーフパイプでは、日本勢初となる銅メダルを獲得しました。



──高校生の時に出場された平昌オリンピック。今回の北京オリンピックは2度目の出場となりましたが、心境の変化はありましたか?

2回目だったということもあって、大会自体はわりと落ち着いて楽しみながら出ることはできました。

──北京オリンピックは、妹さん(冨田るき選手)も一緒に出場することができましたから、その分、よりリラックスというか、いつもの雰囲気で臨めたのでは?

そうですね。今回、選手村での生活も妹とずっと一緒だったので、いつも以上にリラックスしながら大会に挑めたんじゃないかなと思います。

──頼りになる部分もあるけれども、逆に、ずっと一緒にいるとぶつかったりケンカするようなことはなかったんですか?

(大会期間中)ケンカもしてました(笑)。本当に小さいケンカで、洗濯物は誰が回しに行くのかとか、部屋が汚くてちょっとケンカするとか(笑)。本当に小さいことでのケンカばかりです。


──今回の北京オリンピックは、2019年に大怪我を負ったのと同じ会場だったんですね。やっぱり、その時のことを思い出されたりしましたか?

そうですね。どういう風に転んだとか、(転倒して)どういう風になったか、ということは、記憶がちょっと飛んでしまっているので今も思い出せないんですけど、でもやっぱり、“またここで怪我をするんじゃないか”という不安はすごくありました。

──2019年に大怪我をされて、そこから復帰される時、恐怖心も当然あったと思うんですが、どうやって克服をされたんですか?

やっぱり恐怖心はずっと残ったままで、今も怖いんですけど、でも、そういう時はコーチの方に正直に話したり、あとは基礎の部分の練習をすごくやってきて、1つの技ができなくなったら、ちょっと下の似たような技を、練習の仕方、レベルを下げて練習して、慣れてきたらまた戻して…という風にずっと繰り返し練習していたので、「自信をつけてから練習する」ということを覚えて、そこからちょっとずつできるようになってきた感じです。

──ご自身の状況、コンディションを見ながら、無理はせず、難しい時には技の難易度を下げて、もう一度確認し直すと。
今回の北京は、決勝で1回目からわりと攻めた難しい技を出されましたよね。

そうですね。「決勝の時はルーティンを1本目から絶対にやる」と決めて北京に入っていたので、そこは曲げずに、悔いが残らないようにしたいと思って、やりました。

──アメリカの金メダリストのクロエ・キム選手は、会見の際に、お腹が空きすぎてその場でお菓子をおねだりして、冨田選手が分けてあげたというシーンが話題になったんですが、やっぱりメダルを獲得すると、その後インタビューなどでタイトなスケジュールになるんですか?

そうですね。想像以上にハードで、ご飯も会見の時にはまだ食べてなくて、私もすごくお腹が空いていて、“これが終わらないと食べれないんだよなぁ”と思っていたら、クロエ選手が「お菓子持ってない?」って記者の方に聞いていて(笑)、(記者から)分けてもらっていて(自分もあげた)。

──今回は、妹のるき選手と一緒に臨んだ北京オリンピックでしたが、大会期間中、お互いにどんなことを言い合っていましたか?

決勝の時は、たまたま出走順も、るきが先に行って、その後ろを私が滑る感じだったんですけど、(るき選手が)最初の2本とも転んでしまっていて、もうあと1本しかない、という時に、るきのところに行って、「次、決めようね」みたいな話をしながら、4年に1度のオリンピックなので、なるべくプラスな気持ち、ポジティブになれるように、お互い声をかけながら大会に挑んでいました。

──せな選手が銅メダルを獲得されて、妹さんも喜ばれたんじゃないですか?

そうですね。後からテレビかSNSで知ったんですけど、妹がインタビューを受けている時に私のメダルが決まって、インタビューを受けてる途中なのにすごく喜んでいるシーンがあって、嬉しかったです。

──その瞬間の妹さんの表情を見れるってなかなかないですから、貴重ですね。
前回と違って、今回はコロナ禍で、その中で姉妹で掴んだ切符だったので、ましてや滑走順が次ということで、そうやって妹さんを支えることができたということも、すごく印象的ですよね。

やっぱり、家族1人がいるのといないのとでは全く違うので、コロナ禍だったけど、こうやって一緒に出場できて、すごく良かったなと思います。

──ただ、「同じ競技で戦う」という意味では、大変なこともあるんじゃないですか?

そうですね。やっぱり“負けたくない”という気持ちもあるし、“でもお互いベストを尽くしたい”みたいな気持ちはあります。

──お互いの滑りについてアドバイスというか、意見を言い合ったりすることもあるんですか?

そんなに多くはないんですけど、でも、それぞれ得意な技が全然違うので、ちょっと見て、話を聞いたりすることはあります。
やっぱり自分だけじゃわからないこともあるので、そうやって色々話せると、自分にもプラスになるし、良かったなと思います。

──冨田せな選手の今後の目標を聞かせてください。

メダルを獲ったこともあって、今、スノーボードがすごく盛り上がっている中なので、このまま盛り上がりがずっと続くように、私なりに活動できたらいいなと思っています。

──このあいだ表彰式があった「スノー・アスリーツ・オブ・ザ・イヤー」で現役続行を宣言されていましたよね。

はい。正直、(今後)競技をどうするか、ずっと迷っていたところはあって、でもやっぱり“大会に出たい”という気持ちはあるので、まずはとりあえず1年、楽しみながら大会に出て、楽しいシーズンにして、みんなに見てもらえればいいなと思っています。
北京までの間に怪我の量もすごく多かったので、まだ少し恐怖心も残ったままだし、ちょっと“リフレッシュ”ではないけれど、気持ちを1回リセットして、楽しく大会に出れたらいいなと思っています。

──さあ、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。冨田せな選手の心の支えになっている曲を教えてください。

Awichさんの「Poison (feat. NENE)」です。
ちょっと前からずっとヒップホップにハマっていて、その中でAwichさんを聴くようになって。最近、私の中でまた“ブーム”というかハマり始めて、その中の好きな1曲です。

──試合の時に、イヤフォンのスイッチを入れてからスタートしているなと思っていたんですが、毎回聴く曲は(事前に)決めているんですか?

決めていないですね。スキー場に着いて、準備をして、もう滑りに行く…という時に決めています。

──どんなタイプの曲を聴いてるんですか? やっぱりアップテンポの?

そうですね。ヒップホップとかがやっぱり多いですね。(北京オリンピックの時にも)ヒップホップを聴いていました。

──最後に、大ケガを乗り越えて銅メダルを獲得した冨田選手が思う、「逆境を乗り越えるための秘訣」をお聞かせください。

“私なりの”にはなりますが、今シーズンを通して、やっぱり反復練習だったり、あとは、コーチなどがいれば“自分が思っていることを正直に話してみる”ということはとても大事なのかなと思いました。



今回お話を伺った冨田せな選手のサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。 ご希望の方は、番組公式ツイッターをフォローして指定のツイートをリツイートしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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