木村拓哉 Flow supported by Spotify - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

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2025年07月20日Flow 第三百六十四回目「拓哉キャプテン × 野呂佳代」Part2

今月のマンスリーゲストは、野呂佳代さん。
今週もたっぷりお話を伺います!


木村:びっくりなのがこれ。「M-1」にも出てるじゃないですか。何で「M-1」に出たんですか?

野呂:そうなんですよ。元々アイドルになった時に、最初に自分のキャッチコピーを付けなきゃいけなかったんですよ。「『〇〇』の野呂佳代です」とか、「『〇〇』の大島優子です」とか、そういう自分のキャッチコピーを付けるんですけど、皆は可愛い『〇〇のプリンセス』とか色々付けてて。
でも22歳ですから、そんな可愛いキャッチコピーとか全く思い浮かばないわけですよね。なので、私はお笑いがすごい好きだったんで、『お笑い好き』で、皆『プリンセス』って付けてるから「『プリンセス』にすりゃいっか」みたいな感じで、『お笑いプリンセス』って書いたんです。けど、後に気づいたんですけど、自分が『お笑いの姫』みたいになっちゃってて(笑)。
そこで間違えて、そしたらやっぱりストレートに秋元先生とかからは「この人は面白いこと好きなのかな?」って思われるようになってしまって。まぁ、MCとかも頑張ってやってたんですけど、そういうのを見て頂いて「じゃあ、あなたとあなたはコンビを組みなさい」みたいなことで…。

木村:それで(M-1に)出たんだ?

野呂:そうです(笑)。それで、「これに出てみたら?」ってことで、秋元先生と一緒にネタ考えたりして。すごいスペシャルな日々でした。

木村:へ〜! 秋元さんと一緒にそういうのを考えたりしたんだ。そこにも向き合ってくれるんだね。

野呂:思いっ切り向き合ってくださって。本当は期待に応えたかったんですけど、やっぱり若かったのか、「アイドルだし」とか色々余計なことを自分で考えてしまって、ちょっと上手くいかなかったんですけど。ただ、すごくいい経験をさせてもらったなって思ってます(笑)。

木村:いや〜、それこそInstagramのリールで流れてくる動画あるじゃないですか。あれで…。

野呂:朝日奈央ちゃんですか?

木村:あーそうそう。彼女が「やんのかーい!」、「やらへんのかーい!」って…。

野呂:「ドリルすんのかーい!」(笑)。

木村:あれのテンポヤバいよね。

野呂:ヤバい…! あれを観てくださったんですか?

木村:観たら、ちょっと「えげつねーな、この2人」と思って。

野呂:(笑)。あれは、バラエティー番組の完コピシリーズっていうのがあって、奈央ちゃんと私でいつも何かのお題を出されて、それを完コピして披露するっていうのがあったんですけど、その時は、すち子さん…吉本新喜劇のネタをやるっていうので。それでやったら上手くいって(笑)。

木村:佳代ちゃん自体は、AKBがあって、その後にSDN48っていうのがあって。

野呂:そうです。

木村:キャプテンにもなり。

野呂:キャプテンにもなりました。

木村:で、SDNを卒業した。(アイドルの)オーディションを受けてホールインワン狙いに行って、実際に入れて、そこにいた自分から卒業ってなった時に、それこそさっきのドラマの収録現場じゃないけどさ、自分の中で切り替えってどういう感じで切り替えたんですか?

野呂:卒業するってなった時は、「多分、ここにいても私は何の活躍もできない」っていうのと、こういうグループとしてやっていくにあたって、やっぱり「体型が…」とか、その当時も色々あったんですけど、「この中だったらちょっと活躍ができないな。私じゃないかもな」って思ってた時にちょうど解散になってしまって。
だから、結局押されるって言うか、ところてんみたいに押し出されるまま進んでいくしかない、みたいな感じになっちゃって(笑)。準備できないまま。「とりあえず全員卒業になりまーす」みたいな感じで、「おいおい」みたいな。

木村:ところてんなんだ。

野呂:ギューッと押されて「うおー!」みたいな感じで出てっちゃった感じで。

木村:しかもところてんだからね。押されて、押されるがままに、1つの塊じゃなく、皆バラバラになっていく。

野呂:そう、皆バラバラで、全員よく分かんないまま、ポチャーン、みたいな感じで。私はたまたまその時にミュージカルの仕事が1個決まってたので、「とりあえず今決まったことをやるか。」ってなって。
女優になりたいんですけど、その取っ掛かりがなくて「どうすんだろうな?」みたいな、本当に流れていくまま(笑)。例えば「パチンコの番組が決まりました」って言われたら、「そっか。やります…」みたいな(笑)。例えば「ダイエット番組があります。」って言ったら、「そっか。選んでらんないな。やります」みたいな。
で、流れてずっとそういう状態で、パチンコ番組と、ダイエット企画と、あと舞台のお仕事を2年ぐらいやっていました。

木村:その間、メンタル的なバランスは、自分で気を付けてたりしたことあった?

野呂:もうメンタルはボロボロですよね。ありがたいお仕事なんですけど、他にもやりたいことがあったって言うか。「女優をやりたい」、「映画に出たい」、「ドラマに出たい」とかそういうことだったので、「ちょっと夢と違うな。でも舞台はやれてるしな」とか、色んなことを自分の中で納得させながら、でも矛盾しながらやってる感覚があって、「もう辞めた方がいいかも」みたいな。
そしたら、あるバラエティー番組のオーディションに受かって、そっからバラエティーでまた出られるようになった、っていう感じでした。

木村:でも佳代ちゃんの中では、俳優、女優、お芝居っていう目指したい場所があって、その場所は見えてるんだけど、その手前にあるパチンコ番組、ダイエット企画、それこそオーディションで「来てください」って言われたバラエティー番組とか。っていうのは、どういう感覚? 地続きで、目指したい場所っていうのが見えてるのかどうか。

野呂:目指したい場所はブレないんです。ただ、「何でこっちに行けないんだろう?」みたいなことをずっと模索しながらやってたんで。目標は絶対“女優さん”なんですけど。だから、自分がそれを信じてることだけが、救いだったかもしれないです。
でも、芸能界ですから、やっぱ女優ができなくってもしょうがないな、と思うこともあるんですよ。結局、選ばれた人っていうのは、努力した人なのか、そういう素質を持ってた人なのか、っていう人がなれるものだと思うし。私の中では、全員がトップに行けるわけではないと思ってるので。
だから「ここまでやったから、とりあえず違う幸せもあるかもしれない」とか、「もしかしたら私は、もう1回アパレルに戻った方が楽しいかもな」とか、色々思ったことはありました。ですけど、結局「やり切ってないな」っていうのがずっとあったので、ダラダラと「どうしようかな? ああしようかな? やめようかな?」って思いながらずっと続けてたんです。
自分が信じてたものは女優だったので、たまたまバラエティーの番組のオファーが、「こういうの、オーディションだけどうですか?」って言われて行くんですけど、やっぱり自分は女優になりたいから、バラエティーは取っ掛かりを作りたい気持ちで行くので。っていう、自分が一番褒めてあげたいのは、そこかもしれないです(笑)。

木村:だから、“野呂佳代部”みたいな部活があったとしたら、その部活の一番ずっと出続けなきゃいけない選手でもあり、マネージャーでもあり、部長でもあり、顧問でもあり、っていう感じはする。
「目指してるのはそこじゃねーだろ? 何のためにやってきたんだ?」っていう、“野呂佳代部”が(笑)、確実にありそうな感じがするね。

野呂:はい。本当にそうですね。

木村:でも実際、去年…これは恐ろしいんですけど、テレビ出演の本数が、2024年は207番組だって。

野呂:すごいですね。

木村:えげつないですね。
で、結局、バカリズムさん脚本の「ブラッシュアップライフ」だったりとか、「ホットスポット」だったりとか、大河の作品(「光る君へ」)だったりとか、映画「怪物」…。もう、結構現場から求められてますよね。

野呂:いや、もうありがたいです。本当にお声掛け頂いたものは全部答えたいっていう気持ちがあって…ちょっとできないこともありますけど。それのお陰で、話題作に求められたと言うか、もう「全部がやります!」みたいなことで良くなった、みたいなことですかね。

木村:いやでも、求められないとまずそこに行かないですからね。

野呂:だから、コツコツやることだったんですかね…。何だったんですかね、私は(笑)。

木村:“野呂佳代部”を継続した結果じゃないですか? あとは、実は佳代ちゃん単体では絶対できないことも、周りにいっぱいあるだろうし。それは周りのスタッフがいろいろ支えてくれて、今に至ってると思うんですけど。

野呂:そうですね。スタッフさん。

木村:1つ面白いのが、それこそSNSの世界なんかでは、「野呂佳代の出演する作品はハズレなし」って言われてるらしいですけど。

野呂:そうですかねー!

木村:これは胸張っていいんじゃないですか?

野呂:いや、堂々と言えるアレじゃないです(笑)。自分がもし主役とかで「やっぱりハズレないね」だったら胸張って言えるんですけど、皆さんがいる中に出てるだけなんで。でも、ありがたいはありがたいですよ。そんなふうに言ってもらえるなんて。

木村:いやいや、本当にそうだと思う。“数字”っていう、ちょっと前の世界の評価ではなく、今、実際に本当のリアルな感想っていうものが個人的に提示できる世の中になってるじゃないですか。その個人個人の感想、気持ちを提示できる今において、この「佳代ちゃんが出てる作品ってハズレないよね」っていう言葉が存在してるし、いっぱいあるっていうのは、すごいことだと思いますよ。

野呂:木村さんが“すごいこと”って言ってくれるのは素直に受け入れます(笑)。

木村:受け入れていいと思う。

野呂:はい、ありがとうございます。

木村:いや〜、これはちょっと楽しみですよね。「今度はどんな作品か?」、逆に、「次はどういう現場で佳代ちゃんが求められるんだろう?」っていうのも楽しみだし。

野呂:まあでも、本当に「受けたものを素直にやる」っていう感じですよね(笑)。

木村:いやでも、皆それができないんだって。

野呂:そうですね。でも本当はできてるかは分かんないですよ。

木村:できてなかったら、次は呼ばれねーもん。

野呂:…。ちょっと、今の言葉は刺さっちゃったな(笑)。

木村:(笑)。ごめんね。刺さったやつ抜いてあげる(笑)。

野呂:あー、抜かないでください! しばらくは刺さったままにさせてください(笑)。

木村:いやでも。マジで楽しみですね。

野呂:めっちゃ嬉しいです。憧れの人にそんなふうに言ってもらえるとか。女優さんの仕事をして、そういうふうに憧れの人に話をしてもらえるってことが、もう私は何よりも幸せなことですよ。感謝です。

木村:いやいや。その関係性とか、「私は憧れてました」っていうのは前の話で。俺は今の話をしてるからね。

野呂:そうですよね(笑)。はい。でも、本当に嬉しいです。ありがとうございます。

木村:また現場で会えたら面白いですね。

野呂:私、ものすごい緊張すると思うし、自分が駄目なところも見られたくはないんですけど、「木村さんと共演したい」っていう気持ちがずっとあったので、夢としてはちょっとはあります。
ただ、この駄目なポンコツを見せることになると思うと、「自分見られたらヤバいな」みたいな気持ちになります(笑)。

木村:めっちゃ見ます(笑)。

野呂:見てくださいね(笑)。木村さんは多分、すごい色々視野が広い方だと思うので。

木村:1つだけ。僕と同じ現場に佳代ちゃんが来てくれる時は、絶対自分のことを“ポンコツ”って言わないでください。それだけは約束してください。

野呂:かしこまりました。自信を持って。自信を持った時にして欲しいです…(笑)。

木村:(笑)。(共演するとしたら)設定は?

野呂:自分が中学生とか高校生の何も知らない時は、「木村さんと恋愛ドラマをやってみたい」という気持ちは、ずっとありました。 「いつか木村拓哉さんと恋愛ドラマに出るんだ」っていう気持ちで頑張って高校生までいたんですけど、やっぱ今となってはもう違いますから。仕事で木村さんのサポートをする人間の役…(笑)。

木村:何?(笑)

野呂:分かんないんですけど、今パッと思い浮かぶのが、「月の恋人」の会社員とか、別の会社の人とか(笑)。「月の恋人」じゃなくてもいいんですけど、木村さんの会社の社員か…。

木村:満島ひかりちゃんと濱田岳くんがやってた?

野呂:そういうラフな社員の感じか、もしくは、出代の多い秘書(笑)。木村さんの横で出代の多い秘書の役をやりたいです。

木村:でも、船舶(免許)持ってるよね?

野呂:持ってます。…ヤバい!

木村:だよね? だったらそういうお話もあるね。

野呂:でもやっぱりやっぱ厳しいと思います。もし船舶で何かちょっと変なことになっちゃったら…(笑)。
今女優としてお話させて頂くとすれば、木村さんの作品は、皆きちんとしなくちゃいけないっていうふうにリーダーシップを取ってくださるみたいなことを聞いてますから、やっぱりヘマをしたくないって話なんですよ(笑)。

木村:何だよ、その“ヘマ”って(笑)。

野呂:ヘマはしたくないんで。あと3年ぐらい修行させて頂いて(笑)。

木村:(時間が)掛かるなぁ。

野呂:慣れるまでちょっと噛んじゃいそうなんで(笑)。でも、それを自分の中では夢にして、頑張ります。

木村:是非是非、お願いします。

野呂:はい。頑張ります!

[OA曲]
なし

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