秋の休日のおともに聴きたい。今日のコードは「秋空プレイリスト~洋楽編」です。
■今週のChordは“秋空プレイリスト~洋楽編”
Stick Season / Noah Kahan
お送りしているのは、1997年生まれのシンガーソングライター、ノア・カーンで「Stick Season」。「Stick」はこの場合、“枯れ木”ですね。
アメリカ・バーモント州出身で、木々に囲まれた農場で育った彼は、この曲のミュージックビデオでも木立の間をドライブしたりしながら、自然の中でリラックスした表情を見せています。
そんな1曲でスタートした『Yuming Chord』。
来週の月曜は国民の祝日「スポーツの日」なので、明日から3連休という方もいらっしゃいますね。
暑すぎた夏もようやく落ち着いて、今なら出かけてもいいかな・・・っていう気分になれそうです。
私自身は、11月18日にリリースされる40枚目のオリジナルアルバム、『Wormhole / Yumi AraI』のプロモーション中ということもあって、カレンダーに関係なく、日々、あちこち忙しく出かけているんですけれど、今日は、秋の休日のおともに聴きたい「秋空プレイリスト~洋楽編」というコードです。
移動は事務所の車か、タクシーか・・・という感じなので、その間は、変わってゆく外の景色を眺めながら、気分転換に音楽を聴いたりもします。
ところで、「爽やか」という言葉は本来、秋の季語。空気が澄んで、晴れた空が高く感じられるのも、秋ならでは、だそうです。
乾いた移動性高気圧に覆われて湿度も低いから、からっとしている。
でも、変わりやすさもあるので、私の「秋の空」のイメージは、ちょっとアンニュイ寄りかな。
では!「秋空プレイリスト~洋楽編」、続いての曲を。
この曲はもともと、フランスで生まれた曲で原曲タイトルは「Les Feuilles morte」。シャンソンの名曲「枯れ葉」ですけれど、今日は、アメリカに渡ってジャズの名曲になったバージョンでお送りします。
1945年、ローラン・プティ・バレエ団のステージの伴奏音楽として、ジョセフ・コズマが作曲したメロディーが原型。
翌年、マルセル・カルネ監督の映画『夜の門』の挿入歌として使われることになります。
作詞は、映画の脚本にも携わった詩人、ジャック・プレヴェール。
ジャック・プレヴェールのずっと暮らしていたピガールという・・・パリのすごい下町なんですけれど、そこのアパルトマンを訪ねたこともあります。プレヴェールの娘さんが案内してくれましたけれど、小さな屋上からはムーランルージュの裏側が見えて、うわ、パリど真ん中だな、と。ど真ん中というのは、例えば東京だったら浅草ロックとか。今は東京の中心地じゃないかもしれないけれど、かつて東京の中心が浅草だったという感じがするような、かつてパリの中心だったなと。
ジョセフ・コズマにしても、ジャック・プレヴェールにしても、粋なパリっ子だったわけですよね。この「枯れ葉」の作品にもすごくそれが表れています。
映画にも出演したイヴ・モンタンによって劇中で歌われました。
その後、シャンソン歌手、ジュリエット・グレコが歌ってこの曲が広まって、アメリカに渡ります。英語詞を書いたのはキャピトル・レコードの創立者でもあった、ジョニー・マーサー。
彼は、原曲のヴァースの部分には歌詞をつけず、後半のコーラス部分にのみ詞をつけたので、原曲より短いものでしたが、大ヒットしました。
秋を代表する名曲を、今日はサリナ・ジョーンズの歌声でどうぞ。「Autumn Leaves」。
Autumn Leaves / Salena Jones
これは本当によくできた曲で、ジャズアレンジがピッタリなんですけれど、ジャズになると代理コードになってわかりづらいです。元の曲の構造がシンプルなのに、この映像がちゃんと浮かんでくる・・・発明のような進行なんですよ。
どんなアレンジになっても、誰が歌っても、ある映像、脳のその部分が刺激される・・・香りもしてくるというような、憧れのナンバーです。
『Yuming Chord』、「秋空プレイリスト~洋楽編」。
続いては、カナダ出身のシンガーソングライター、アレッシア・カーラで「October」。
October / Alessia Cara
良い声ですね。こういう紗がかかったような少女のような声は大好きです。
YouTubeに投稿したパフォーマンス映像から人気に火が付いて、18歳でメジャー・デビュー。
デビュー・アルバム『Know-It-All』は全米アルバム・チャート9位を獲得、シングル「Here」は全米シングル・チャートTOP5に入るヒットをしました。
2016年にカナダ最大の音楽賞JUNO AWARDS(ジュノー賞)で、最優秀新人賞を受賞。その年の夏にはコールドプレイのライブ・ツアーに、メイン・サポート・アクトとして出演したそうです。
その後、2018年第60回グラミー賞の最優秀新人賞も受賞しました。
この曲について、カーラ本人はこんなコメントをInstergramにアップしています。
「癒しと、ある感情が美しくも儚いものだと気づくことについて、あまりにも切実で、消えゆく前にこの感覚を封じ込めたかった。これで永遠に持ち続けられる。いつでもあの場所に戻れる。」
「全てがここにある。この曲は、今も続く友情と新たに出会った仲間たちへ。訪れた場所、思わず浸ってしまったノスタルジア、そして永遠に思い返すであろう数ヶ月の日々へ。この曲があなたをどこかに連れて行ってくれますように」・・・。
私のニューアルバムのテーマにもすごく通じて、納得のコメントです。まさに、音楽は異なる時空や多次元をつなぐトンネル「Wormhole」ですよね。聴けば、あの頃の、あの場所へ戻れます。お送りしたのは、アレッシア・カーラで「October」でした。
「秋空プレイリスト」のラストは、Stingの「Fields Of Gold」をお送りします。
スティングは声自体が秋のイメージ・・・私が勝手に思っているのかも。もっと冬に思う人もいるのかな。
この曲は、黄金色に輝く大麦畑の情景を歌っていますが、スティングは、こんなふうに語っています。
「来年、自分たちに起こることなんてわからないけど、僕たちの祖先はそんな不安を抱くことなく、同じことを続けようとしてきた。毎年大麦を収穫し、毎年大麦を植えるつもりだった・・・、だからこの“Fields Of Gold”という曲は、死を越えた愛の継続について歌っているんだ」・・・晴れた空の下、金色に輝く豊かな穂の波を想いながらお送りします。
Fields Of Gold / Sting
本当に金色の穂の波が見えるような感じがしましたね。収穫への感謝の祈りが敬虔に聴こえてくるような・・・改めてスティングの奥深さを今日、感じられた気がします。
今日は、「秋空プレイリスト~洋楽編」というコードで、表情を変える秋の空の下で聴きたい曲をセレクトしてお届けしました。
暑さがやわらぐ秋は五感も戻ってきて、音楽をじっくり楽しめますね。私自身、ちょっとした旅気分を味わえました。
そして来週も、「秋空プレイリスト」を続行!
来週は「ユーミン編」です。秋の空を見上げて聴きたい私の曲を集めてお送りします。
しかも!来週は、11月18日にリリースされる40枚目のオリジナルアルバム、『Wormhole / Yumi AraI』に収録される新作を、フルオンエアします。
タイトルは、「天までとどけ」。
この曲は、毎週木曜、午後10時から放映中のフジテレビ系ドラマ、『小さい頃は、神様がいて』の主題歌として書き下ろしたものです。
すでに、ドラマも始まっていて、仲間由紀恵さん・北村有起哉さんが演じる夫婦の、繊細でリアルな令和のホームコメディとして話題になっていますが、主題歌「天までとどけ」も、令和版・ユーミンのスタンダードナンバーです。
ぜひ、来週の『Yuming Chord』も、お聴きのがしなく!
そのほか、最新アルバム『Wormhole / Yumi AraI』の最新情報や、11月17日からスタートするツアー、『FORUM8 presents 松任谷由実 THE WORMHOLE TOUR 2025-26』。
チケットの購入方法など、くわしくは私の公式ホームページでご確認ください。
XやInstagramなどでも、随時、最新情報をアップしていきます。
TikTokもスタートしましたので、そちらもあわせて、チェックしてみてくださいね。

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ユーミンの歌がつなぐ「能登エールアートプロジェクト」
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