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新年度を前に気分一新!
身に着けたくなる色といえば、やっぱりこの色。
今日のコードは「White Clarity」です。

■今週のChordは“White Clarity”

Clarity / John Mayer

お送りしているのは、2003年にリリースされたセカンドアルバム『Heavier Things』から、春にもぴったりな心地いいサウンドです。
私はこの曲がジョン・メイヤーの中で一番好きかな。ギターのことはよくわからないし、この曲はギターで始まるわけじゃないんですけれど、ひと弾きすると、何か、あ、ジョン・メイヤーだ!っていうミキシングをしているんですよね。
アコースティックでもエレキでもジョン・メイヤーの音がするから、すごいなぁと。
この曲はタイトル通り、自分まで透明に、クリアになっていくような感じがします。

そんな1曲でスタートした『Yuming Chord』。
風の時代に移行して、人づきあいが軽やかになってきた今日この頃。
2月のバレンタインデーとセットになっている“お返し”の日、ホワイトデーも役割を失いつつあるなかですが、新年度を前に気分一新!
身に着けたくなる色といえば、やっぱりこの色。今日のコードは「White Clarity」です。

「Clarity」は名詞をあらわす英単語で、「明快さ」「明確さ」「透明度」といった意味があります。
ダイヤモンドの品質を表す“4C”が、カラー、カット、重さを表すカラット、そしてクラリティ。
石の透明度は、輝きにも影響を及ぼす、石が内包している物によって決まります。
当然、何も入っていないダイヤモンドが、最高級。
「白」というより「透明」ということになりますかね。ブルーダイヤモンドとかイエローダイヤモンドとかも高価なんですけれど、やっぱりダイヤは「白」というか「透明」が最高かな・・・私にとってはダイヤモンドという感じがします。

ところで、今回のコードで「ホワイト」をとりあげたのは、色見本帳メーカーのPANTONE(パントン)社が、世相やトレンドをもとに選ぶ「カラー・オブ・ザ・イヤー(Color of the Year)」で、2026年・春夏の色に選んだのが、「クラウドダンサー(Cloud Dancer)」という色。

パントン社は、「デジタルな未来と人間らしいつながりの間でバランスを求める私たちの願いを体現した、エアリーな白」と表現しています。
・・・良い呼び方ですね、クラウドダンサー。

せわしない現代社会で、「静けさ」や「穏やかさ」、「余白」の中でインスピレーションや「明晰さ」、まさに「クラリティ」を取り戻したい・・・そう、感じている人のための“白”だそうです。

私が「白」を着たくなるのは・・・自分レフ(笑)。下に白いものを着ていると、反射でクマやしわが目立たない。勝負のときはね、プロが光を当ててくれたりしますが。何か明るい気持ちになりたいとき・・・赤を着るほど攻撃的ではなく。そうですね、今、パントン社の説明にもあったような、ちょっと穏やかで透明な感じが自分に必要だな、というときに着たいですね。

そういえば、日本画での「白」は日本古来の顔料である胡粉。これを使うのをまず習います。
胡粉を擦る・・・どう言ったら良いのかな。白い、細かい粘土みたいなものをすり鉢で粉にして、それを膠(にかわ)でといた薄いのりみたいなもので画面に貼って、和紙でできているキャンバスを補強するんです。
いろんな絵の具を使ってパリッと割れたりしないように、「礬水引き(どうさびき)」というんですけれど、その胡粉で補強することから、まず、習います。
日本画は「余白」の美ですから、その胡粉を塗った白をわざと最後まで残したりする技法も多いです。

ではここで、「White Clarity」にちなんだ1曲を。

好きで、けっこう前から注目していたので、今年2月に発表された第68回グラミー賞で最優秀新人賞を受賞して、やったー!と思いました。
オリヴィア・ディーン。
ヴィジュアルが白いタンクトップに白いカーテン、白い太陽の光のコントラストで、美しいジャケット写真が印象的な1曲です。

Touching Toes / Olivia Dean

今日のコードは「White Clarity」。
日に日に光が強さを増してくる、「光の春」という季語がありますが、昔、理科の授業でも習った“光の三原色”、覚えていますか?
赤い光、緑の光、青い光・・・、自ら光るこの3色の光を混ぜると「白」になります。
ちなみに、“色の三原色”は赤と青と黄色なんですけれど、それを3つ合わせると「黒」になるんです。“光の三原色”は、緑と黄色が入れかわっていますけど、「白」になるという・・・これが、宇宙の不思議をいつも感じるんですね。

「白」は色合いをもたない「無彩色」。
つまり、「白」はもともと「光」の色のことで、透明も「白」と呼ぶわけです。そのせいか、白い食器は光を集めて、食材をおいしそうに見せてくれます。

我が家には、気付くといろいろなブランドの白い食器があるんですよ。白といっても、どれも違うんです。ウェッジウッドの白、ジノリの白、マイセンの白・・・だから、そのブランドで揃えないと、違和感があるんです。ほかの柄物とかがくるよりも、白同士が喧嘩してうるさくなっちゃう。

そういえば、このあいだ、レコード会社のスタッフの人に初めて聞いたんですけれど、「ユーミンへお花を贈るとき、決してユリを入れてはいけない」という、レギュレーションがあるそうで。初めて聞いた!
多分、いつか、楽屋とかに送っていただいたユリの花粉がついたので、あー、付いちゃった、って騒いだことがあったのかもしれない。それがだんだん雪だるま式に「ユリを送っちゃいけない」ということになるのかな・・・うっかり騒ぎたてられないですね。

私はね、ユリというと、西洋絵画や宗教画でマリア様とともに描かれるというイメージです。
白いユリは純潔、純粋の象徴だし、ひとつの枝から、というか茎から3つ咲くことが多いんですよね。だから三位一体、トリニティを表すので、キリスト教的な花です。

白い花、いろいろ好きですよ。私が一番香りが好きなのは「水仙」かな。次に「梅」が好き。やっぱり白い花は、先程から出ている「Clarity」をそのまま体現しているような気がします。

それから、私が敬愛する画家、ジョージア・オキーフは「白い花」をモチーフにしているものが多いですね。白いダチュラという、これは毒がある花なんですけれど、あえてそれを選んでいるのがオキーフっぽいかな。
じゃあ、私はどうかというと・・・そんなに白、というイメージでも。そんなホワイトエンジェルな感じじゃないでしょう(笑)。でも、(歌のなかに)白いアイテムが出てきたり、白という・・・けっこうありますね。白い坂道が、とか。

では、そんななかで、白いブーツが出てくる「ベルベット・イースター」を、季節柄お送りしたいと思います。

ベルベット・イースター / 荒井 由実

こうして聴いてみると、この頃の歌は、コード通りClarityな感じかな。歌にClarityをつぎ込んだのね。自分自身は汚濁だけが残っているような気がして気が引けるんですけれど(笑)。


今日は「White Clarity」というコードで、さまざまな「白」にまつわるお話をお届けしてきました。

フランス出身のデザイナー、カール・ラガーフェルドはこんな言葉を遺しています。
―ファッションアイテムの中で、私が生みの親になりたいものは何かと聞かれたら、『白シャツ』と答える。白シャツはすべての基本。他はあとからついてくる。

・・・確かに、実は白シャツほど着こなしが難しいものはないかもしれませんね。きちんとプレスされた白シャツ、洗いざらしの白シャツ、ボタンの位置、襟の形・・・全部ニュアンスが違いますからね。
私のお気に入りの白シャツは、金沢の「金港堂」というテーラーで、本当に細かく採寸して作る勝負白シャツがあるんですよ。

さて、第二期がスタートした「THE WORMHOLE TOUR」は、順調なすべりだし。
ひとつひとつ丁寧に、そして楽しみながら全国各地を巡っていきますので、お互い、体調に気をつけながら、元気でお会いしましょうね。

コンサートチケットに関するお知らせや、私の最新情報や近況は、松任谷由実公式ホームページXInstagramTikTokなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。

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