ブラジルの記念日、「恋人の日」にちなんで、ブラジル生まれのラブソングを特集します。今日のコードは「Brazilian Lovers’ Songs」です。
■今週のChordは“Brazilian Lovers’ Songs”
Love Dance / Ivan Lins
いや~、惚れ惚れする曲ですね。このアルバム『Love Dance』はリアルタイムに聴いていました。
イヴァン・リンスはずっと巨匠ですけれど、この80年代終わりごろ、アメリカでも“ミュージシャンズミュージシャン”という感じでブームを起こして、この『Love Dance』という名盤は、ブラジルの昔からの良さと、そこに革新的なものを持ち込んだイヴァン・リンスの秘密がいっぱい詰まっているアルバムで。
私は、旅先で朝起きたときとか、いまだにこのアルバムを聴くんですけれど、波の間に間に持っていかれるような・・・コード進行とかだけじゃなくて、譜割りにすごく特徴があるだなと思っているんです。
私自身は60年代からブラジル音楽の影響は受けていたと思うんですけれど、教会音楽とかと並行して(アントニオ・カルロス)ジョビンやジョアン・ジルベルトのコード進行は、うわ、すごいなって。洗練とともに「サウダージ」という訳せないような切ない感情を学んだ気がするんです。
『Yuming Chord』。
今日、6月12日はブラジルのバレンタインデーともいわれる、「恋人の日/ Dia dos namorados」なんだそうです。
ちなみに2月のバレンタインデーがブラジルで定着していないのは、カーニバルシーズンだから。
そのかわり、「縁結びの聖人」と呼ばれている、聖アントニオの命日の前日となる6月12日に、ブラジルでは恋人同士や夫婦の間で贈り物をする風習があるそうです。
そんなわけで、今日のコードは「Brazilian Lovers’ Songs」。
ブラジルの記念日、「恋人の日」にちなんで、ブラジル生まれのラブソングを特集します。
続いては、ベベウ・ジルベルトです。
アントニオ・カルロス・ジョビンと共にボサノヴァを世界に広めた、ヴィニシウス・ヂ・モライスが手がけたこの名曲は、「祝福のサンバ」という邦題のタイトルでも知られています。
ジョアン・ジルベルトを父に、シンガーのミウシャを母に持つ、べべウ・ジルベルト。
1986年にソロ・デビュー作をリリースして注目を集め、90年代にはニューヨークへ移住します。
アート・リンゼイ、カエターノ・ヴェローゾ、デヴィッド・バーン、坂本龍一、テイ・トウワなどなど、様々なジャンルのアーティスト達とのコラボレーションを経て、2000年に自身初となるフル・アルバム『タント・テンポ』をリリース。その大ヒットにより、60年代以来、最も売れたブラジルのアーティストの一人としての地位を確立しました。
このアルバムもリアルタイムで聴いていましたよ。
ヴィニシウス・ヂ・モライスは、ブラジル音楽を語るときに決して外せない初期のスターたちの“お兄さん”とか“親父”的な存在で、「イパネマの娘」の作詞も手がけています。
外交官でもあり、詩人でもあり、1959年にカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したイタリア映画『黒いオルフェ』という映画のベースとなった戯曲、『オルフェウ・ダ・コンセイサゥン』の作者でもあります。
この『黒いオルフェ』、めちゃくちゃ格好いい映画ですから機会があったらぜひ観てほしいです。
では、今日のコード「Brazilian Lovers’ Songs」にぴったりな1曲を。
Samba Da Bencao / Bebel Gilberto
この曲の歌詞は、鳥肌が立つような内容ですね。
ヴィニシウス・ヂ・モライス・・・本当に「サウダージ」って、少しの悲しみなんですよね。
お送りしたのは、べべウ・ジルベルトのアルバム『Tanto Tempo』から「Samba Da Bencao/祝福のサンバ」でした。
続いては、今、最も注目を集めるブラジル出身のシンガー、アニッタの曲を。
今年4月リリースの最新アルバム「EQUILIBRIVM」から、「So Much Love」。
So Much Love / Anitta
ブラジル音楽の新星、アニッタですけれど・・・ブラジル音楽に関して、私は保守的なのかな。
さっきから出ている「サウダージ」は、楽器の響きと歌とが呼応してそのメロディーが生まれ、歌声になって・・・という切っても切れないひとつのカタチ、歌になっているので、この打ち込みでそこに合う歌を歌っていることって、今はとても聴きやすいんでしょうけれど、どこか倍音のなかに、ゆらぎのなかに、先ほどから言っている「サウダージ」があるので、サウダージ自体はあまり感じられなかったな、という気はします。
アニッタは、多くの人に自分の音楽を届けたい、という想いから、母国語のポルトガル語のほか、英語やスペイン語で歌うこともマスターして、この曲は、英語とスペイン語を使って歌われています。
ポルトガル語自体の響きが、ある種、悲しみがあるんですね。
今日は「縁結びの聖人」として親しまれる聖アントニオの命日の前日を祝う風習に由来する、ブラジルの記念日「恋人の日」にちなんで、「Brazilian Lovers’ Songs」というコードでお届けしています。
私も、ブラジルのリオデジャネイロに行ったことがあるんですけれど、ボサノヴァの名曲、「イパネマの娘」の舞台になったイパネマの海岸や、アントニオ・カルロス・ジョビンとヴィニシウス・ヂ・モラエス行きつけの店、ヴェローゾにも行きましたし・・・コパカバーナ海岸とかは、遊歩道がいろんなブラジルのアルバムのジャケットに出てきているなぁ、と、ちょっと感動しました。
リオという都会で、「音楽好きの若者たちが集まって新しい音楽をつくりだした」のが、ボサノヴァのなりたち、というのは有名ですけれど、実は私たちも東京でそういう風に集まって音楽を作り出していたかなって、共通点をけっこう感じるんですけれどね。
私も日本語のなかでこの「サウダージ」を感じつつ、これまでたくさんの、和製ボサノヴァといえる曲をつくってきました。
私が思う日本のサウダージは「借景」かな。その景色を借りて、そのなかにいる自分・・・主に都会の片隅の風景をよく登場させます。
では、そんな曲を聴いてください。
Blue Rain Blue / 松任谷 由実
今日の選曲の流れにぴったり、ハマっていました。良かった。
お送りしたのは、1999年リリースのアルバム、『FROZEN ROSES』から、「Blue Rain Blue」でした。
今日は「Brazilian Lovers’ Songs」というコードで音楽特集をお届けしました。
雨が降ったり、じめじめしたりするこの時期のブラジル音楽・・・ここちよく楽しんでいただけたんじゃないでしょうか。
私もひととき、リオのカラッとした潮風や、広々とした青空、光をはねかえす緑・・・そんなブラジルの思い出が脳内に広がった気分です。
つくづく、音楽って旅のようなものだなと思いました。
そして!『THE WORMHOLE TOUR』の旅も、第二期、続行中です!
今週末は四国・高知の2Daysがあって一旦東京へ戻ってきたあと、今月中に、福井と長野へ行く予定。
一つひとつ丁寧に、心をこめて、みなさんへ、歌をお届けしていきますね。
今後のスケジュールや最新情報・近況は、松任谷由実公式ホームページ、XやInstagram、TikTokなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。