あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で美しいライフスタイルを!

5000年以上の歴史を持ち、クレオパトラも愛した植物との暮らし。ボタニカル・フードのとっておきレシピ。植物と向き合い、植物の声を聞くボタニストたち。そして、世界の人気植物園への旅、ボタニカル・ジャーニー!
	植物の世界からあなたに届く「美しい贈り物」です。

2018.08.31

Botanical Journey9
ニューヨークの街を変えた植物の力、「The High Line-ハイライン」

  • BotanicalJourney
「The High Line-ハイライン」とは、マンハッタンのビルの合間を縫うように伸びる不思議な空中公園。廃線になった貨物鉄道の高架の上に作られたこの遊歩道公園が、ニューヨーカーはもちろん、世界中から訪れる観光客の注目を集めています。

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今月のボタニカルジャーニーは、ニューヨーク・マンハッタンの新たな自然のオアシス、「The High Line-ハイライン」をご紹介します。



「The High Line-ハイライン」
かつてニューヨークのマンハッタン南西地区、ハドソン川に近い12丁目から34丁目付近のエリアには、様々な製造業や倉庫が軒を連ねていました。その地区を南北に縫うように1930年代に作られたのが、貨物専用の高架鉄道。しかし、1950年代にハイウエイが作られ、貨物輸送が車に取って代わられると、高架線は廃墟となっていきました。それから時を経て、再びこの高架線が注目を集めるようになったのは、いつの間にか生い茂った植物や花の存在でした。忘れ去られた高架線の中で自然に植物が育ち、線路のいたるところに緑を増やし、静かに花を咲かせていたのです。

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線路脇の草花


1990年代の終わり、大都市の中で奇跡的に守られていた歴史的建造物と、そこに育まれた豊かな自然環境に注目して結成されたのが、非営利団体の「Friends of the High Line」。メンバーの近隣住民や都市計画を学んだ若者たちは、公園化のアイディアを発信し始め、市当局やデビッド・ボウイなどニューヨークのセレブたちからの支持を得て、ついに2002年に新たな公園の建設計画が進められることになりました。

ハイラインの花や緑は、ニューヨークの自然の環境に育ったものに限り100種類以上。ビルの3階の高さに匹敵する高さ10mに近い場所で、自然を楽しめるようになっています。南側の入り口、GANSEVOORT STREETから北側の入り口34丁目まで、その「空中公園」の長さは約2.33kmに及んでいます。

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ビルの間を縫うように走る緑の遊歩道



ニューヨークの街を変えた植物の力
空中を走るハイラインの植栽デザインを手がけたのは、オランダの世界的なガーデンデザイナーのピエト・オウドルフさん。グラス植物を多用し、植物本来の力と美しさを信じ、自然の野原に近い環境を作り出すことにこだわるのがピエト・オウドルフさん流の庭園デザイン。冬の大雪や寒さで植物が枯れて葉を落としても、それを本来の自然の姿ととらえて、都市と自然と人の共存をメッセージしています。草花の中には線路のレールがそのまま残され、ニューヨークの時代の流れを今に伝える歴史の証言者の役割も果たしています。

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レールのそばに植えられた低木


道路から公園へのアクセスは階段を登りますが、エレベーターも設置され、バリアフリーも徹底。マンハッタンの摩天楼やすぐそばを流れるハドソン川を眺めるウッドステップや、ストリートを見下ろせるガラス窓を設置したり、水の流れるデッキを作ったり、目に入る近隣のビルにはアート作品が置かれていたり壁画が描かれていたり。2km以上続くハイラインは、ニューヨークらしいエンターテインメントに溢れています。

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ベンチの置かれたデッキ


地域住民と若者たちの構想から約20年。ほぼ全区間の完成を迎え、その木々や草花の存在は、周辺の人々の心や都市計画に大きな影響を与えています。2015年には、最南端の入り口の隣にアメリカの近代と現代美術の殿堂であるホイットニー美術館が移転オープン。その後も周辺には続々と、自然環境保護や文化、アートの分野に重きを置く企業や団体がメインオフィスを移し、高級コンドミニアムやホテルの建設も進んでいます。ニューヨークの新たな文化発信の拠点となったハイラインの周辺は治安が改善するなど、地域の活性化に大きく貢献しています。是非、この秋、訪れてはいかがでしょう。

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TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。9月1日は、エッセイストの群ようこさんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。


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The High Line
www.thehighline.org




2018.06.29

Botanical Journey8
北海道ならではの花と木々が輝くガーデン「上野ファーム」

  • BotanicalJourney
北海道、旭川にある人気のガーデン「上野ファーム」には、自然の地形を生かした様々なテーマの庭が広がり、敷地内にある丘の頂上からは、雄大な北海道の田園風景が見渡せます。

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今月のボタニカルジャーニーは、北国ならではの景色や植物の魅力を、ゆったりとした時間の中で味わえる「上野ファーム」の魅力をご紹介します。


「北海道ガーデン」を目指して
もともと上野ファームは、100年以上続く米農家でした。「お米を買いにいらっしゃるお客さまをもっとたくさんの花でお迎えしたい」。そんな思いからあぜ道に植えられたルピナスがガーデンへの第一歩となり、その後、一本の道が作られ、その周辺にハーブや一年草を植えて小さな庭が生まれました。さらに、北国で四季折々に咲く宿根草を組み合わせて個性的な庭を造りあげ、広さも当初の600坪から4000坪に広がり、今に至っています。

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マザーズガーデンの始まりの道


現在、上野ファームのオーナーガーディナーを勤める上野砂由紀さんは、東京で会社勤めをしている時、地元で花作りに精を出すお母さまの影響で、ガーデニングを学ぶため渡英。庭造りを学び帰国後、本格的なガーデン造りをスタートさせます。伝統や深い自然観に基づいて造られるのが英国式ガーデン。上野さんは当初はそんな英国式ガーデンにこだわっていましたが、お客さまが北海道ならではの花や植物に感動されるのを目の当たりにし、英国式ガーデンを再現するのではなく、北海道の気候風土を大事にし、ここでしかできない庭造りをすることを決心します。寒暖差の激しい北国ならではの気候が生んだ鮮やかな花や植物の色合い、その植物や木々が一緒になって生み出す自然の庭、「北海道ガーデン」を目指したのです。「旭川は山に囲まれた盆地特有の気候を持ち、冬はマイナス30度、夏は30度を超えるなど寒暖差が激しい環境。この寒暖差こそが、花をより美しく、植物をよりダイナミックに育てるんです」。上野砂由紀さんの言葉です。

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バラの季節を迎えた上野ファーム



花の力が人を呼び、北の地に広がる輪
「花で農場の環境をもっと魅力的にして、都市と農村の交流点にしたい」。そんな家族の思いから始まった庭造りですが、現在では、季節で彩りの変わる10のゾーンや庭に、それぞれ個性的な花や植物との出会いが演出されています。上野ファームの庭造りの第一歩としてスタートした「マザーズガーデン」、緑と白樺の幹の白とのコントラストが美しい「白樺の小道」、そして、野生の野原をイメージした「ノームの庭」。真夜中に庭仕事を手伝うといわれる妖精、ガーデンノームにちなんでつくられました。

nullマザーズガーデン

nullノームの庭


2001年にガーデンとしてオープンした当初は、誰も来ない日が続き悩んだこともあったそうですが、花や庭の美しさが口コミで少しずつ広がり、今では首都圏はもちろん、九州などからもご来場者が絶えません。小さな庭や花たちが、いつしかたくさんの人とのつながりを生み、広がっていった上野ファーム。北国に初夏が訪れる6月から夏にかけてはバラも咲き始め、ガーデンがもっとも賑わう季節です。ご来場された方の「ガーデンに咲いているあの花がほしい!」という希望から誕生した苗の直売所をはじめ、雑貨店、カフェも併設。コミュニケーションの場を増やすことで、花や植物を通して、ガーデンと人、人と人、植物と人との絆をますます深めています。

春は、雪解けとともに一斉に緑が芽吹き、花のリレーのように景色が日々変わっていきます。驚くように植物の背丈が伸びる初夏。鮮やかな色が加わる夏、そしてシックな色に染まる秋。「1年を通じて、花や自然は人を惹きつける力がある」、そう信じる上野さんが、北海道ならではの花や植物と力を合わせて造り上げたのがここ上野ファームなのです。


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。6月30日は、トータルビューティークリエイターの川邊サチコさんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。


上野ファーム
〒079-8431 北海道旭川市永山町16丁目186番地
www.uenofarm.net

2018.03.30

Botanical Journey7
可憐で黄色い春の誘惑、一面の菜の花と出会う

  • BotanicalJourney
春の訪れとともに、景色一面を彩る菜の花。その可憐で黄色い花はさまざまな場所で、春を迎えた喜びを実感させてくれます。

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今回のボタニカルジャーニーは、ちょっとお出かけしたい菜の花の名所をご紹介します。


都心に広がる菜の花のじゅうたん
遠出をしないと一面の菜の花に出会えない、と思ってはいませんか?ビルに囲まれた東京の都心でも、菜の花の黄色いじゅうたんを楽しめる場所があります。江戸時代を代表する大名庭園、浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)です。寛永年間(1624〜1644年)までは、将軍家の鷹狩場で、一面の芦原でした。四代将軍家綱の弟の松平綱重が初めて屋敷を建てて以来、歴代将軍によって幾度かの造園、改修工事が行われ、十一代将軍家斉のときに、ほぼ現在の姿の庭園が完成しました。3千平方メートルの敷地に咲く菜の花は、約30万本。菜の花のじゅうたんの向こうには高層ビルがいくつも望め、都会の隠れたオアシスになっています。菜の花の見頃は毎年2月後半頃からになりますが、種を撒く時期をずらすことで、4月上旬まで菜の花を楽しむことができます。黄色く輝く菜の花に囲まれると、元気をもらえますね。

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浜離宮恩賜庭園



房総半島の菜の花畑を走る列車の旅
列車の窓の外に広がる菜の花畑を楽しめるのは、南房総を走る千葉県のローカル鉄道、「小湊鉄道」と「いすみ鉄道」です。五井駅から「小湊鉄道」に乗り、上総中野駅で「いすみ鉄道」へ乗り継いで大原駅まで、房総半島を横断できます。「小湊鉄道」では、養老渓谷駅と上総大久保駅間にある石神の花畑が特におすすめです。3月中旬から運行される「里山トロッコ列車」には、窓なし車両もあり、春のお花畑の景色を開放感たっぷりに楽しめます。

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小湊鉄道 里山トロッコ列車


また、「いすみ鉄道」は、全線26.8kmのうち約15kmで、菜の花が楽しめます。一時は赤字が続き存続が危ぶまれていましたが、さまざまなアイデアで話題を呼び、経営危機を乗り越えました。たとえば、ムーミンと仲間たちのイラストが車両を飾るムーミン列車。まさにムーミン谷を思わせる景色の中を走るローカル列車は人気も上々です。また、地元住民によるボランティアの方々も種まきや草刈などの手入れを行い、心のこもった菜の花を咲かせています。ちなみに、「いすみ鉄道」の黄色い列車の色は、千葉県の県の花である「菜の花」をイメージして決められたもの。菜の花カラー列車の窓から見える四季の田園風景は、懐かしい日本の原風景そのものです。

null菜の花畑を走るいすみ鉄道

nullいすみ鉄道 ムーミン列車


房総半島を横断するローカル鉄道、「小湊鉄道」と「いすみ鉄道」。この2つの路線を利用するなら、「房総横断記念乗車券」がおすすめです。五井駅と大原駅の間で後戻りしなければ、何度でも途中下車が可能。毎年3月中旬〜4月中旬にかけて沿線は菜の花で埋め尽くされ、特に桜の開花の時期は、黄色と桜色のコントラストが絶景です。途中下車して菜の花の道をゆっくり散歩するのも、贅沢な時間となりますね。


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。3月31日は、ファッションデザイナーの稲葉賀恵さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。


浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)
■お問い合わせ
浜離宮恩賜庭園サービスセンター 
TEL 03-3541-0200

小湊鉄道
■お問い合わせ
鉄道部運輸課 
TEL 0436-21-6771

いすみ鉄道株式会社
■お問い合わせ
TEL 0470-82-2161

2017.09.29

Botanical Journey6
苔の緑に癒される初秋の京都の1日

  • BotanicalJourney
夏も終わり初秋の季節を迎えた京都。古都京都の神社仏閣の森や日本庭園で見られる苔の風景は、悠久の時の流れを感じさせ、柔らかな空気感を漂わせます。その自然の緑の絨毯には誰もが思わず心癒されることでしょう。

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国指定名勝 東福寺本坊庭園 北庭

9月のボタニカルジャーニーは、ゆっくりと巡る古都の苔の風景をご紹介します。


苔は悠久の時を伝える植物
苔は約4億年前、海から最初に陸にあがった植物として知られています。原始的ながら独特の構造を持っているため、厳しい環境にあっても、長く滅びることなく生き続けてきたといわれ、生命の先駆けともいえる植物です。日本では約1800種の苔の種類が確認されていますが、苔が好むのは適度な雨や清らかな水に恵まれた森、そして湿気を含んだ清らかな空気のある環境。苔は日本の気候風土にもっとも適した植物の一つであり、その景色は日本人の心の中の原風景と言えるかもしれません。


東福寺で楽しむ苔の庭との対話
苔が醸し出す風景を、様々な場所で楽しめるのが京都。その中でも苔の豊かな表情を、独特の景色の中で見せてくれるのが臨済宗大本山・東福寺です。創建は鎌倉時代。火災により何度か再建されますが、京都五山の一つにふさわしい偉容を持つ寺です。

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国宝 東福寺三門


境内にある通天橋は京都の紅葉の名所として有名で、晩秋の頃には多くの人で賑わいます。しかし、この時期に是非訪れたいのが昭和の作庭家、重森三玲による印象的な本坊庭園「八相の庭」です。完成は昭和14年。東福寺の創建年代にふさわしい鎌倉時代の質実剛健な風格が特徴ですが、苔の緑が随所に印象的に配置され、庭に描かれた禅宗の世界観と静かな対話を楽しむことができます。

庭園は東西南北に四つの名庭をもっていますが、苔を印象的に楽しむことが出来るのは西、東、そして北の庭です。まず西は、直線的なサツキの刈り込みと砂地の白に、柔らかな曲線の苔の緑の盛り上がりが配置され、まるで空から私たちの住む世界を見るようです。

null国指定名勝 東福寺本坊庭園 西庭(井田の庭)


東は円柱で北斗七星を表現した「北斗の庭」と呼ばれ、宇宙の広がりを鮮やかな苔の緑で感じさせてくれます。

null国指定名勝 東福寺本坊庭園 東庭


そして、北は市松模様の敷石の白さにウマスギゴケの深く厚い緑が映えて、無機質なデザイン空間にも関わらず自然の生命力を強く感じさせてくれます。四つの庭は廊下で繋がっており、まるで美術館で絵画を楽しむように、回廊を巡りながら多様な苔の景色を楽しむことができます。


心洗われる苔の景色が広がる法然院
秋の雨の中で特に趣があるのが、浄土宗捨世派の本山、法然院です。京都の人気エリアである銀閣寺や哲学の道の近くにありながら、静かな佇まいを持っています。深い森の緑に囲まれた石の階段と坂道を登ると苔むした山門があり、境内には水を表す2つの砂盛りが作られ、この間を通ることは、心身を清めて浄域に入ることを意味しています。

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法然院 山門と白砂壇(びゃくさだん)


また「善気水」と呼ばれる名水の泉があり、池の水辺を囲む瑞々しい苔の緑は時が止まったような感覚さえ感じさせてくれます。こちらも紅葉の人気スポットですが、この時期は比較的ゆっくりと静かに、苔むした緑の景色を味わうことができます。京都旅行でもし雨の1日となったら、最優先で法然院を訪れてはいかがでしょう。

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法然院 境内の池と苔


苔の深い緑と穏やかな雰囲気は、長い歴史を持つ京の風情には欠かすことのできないもの。苔のある景色を訪ねて、秋の古都を巡ってみませんか。


臨済宗大本山 東福寺(りんざいしゅうだいほんざん とうふくじ)
京都市東山区本町15丁目778
http://www.tofukuji.jp

法然院(ほうねんいん)
京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30
http://www.honen-in.jp


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。9月は歌手の森山良子さんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。
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