今月ご乗船いただくのは、作家の椎名誠さんです。

椎名さんは「さらば国分寺書店のオババ」で作家デビューをされ、純文学からSF小説、紀行文、エッセイなど幅広い作品を発表。
世界各国を巡る旅の達人であると同時に、写真の達人でもあり、旅にまつわる書籍を数多く発表されていらっしゃいます。


ー やがて分かってきたのが軍隊だったんですよ ー


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干場「この船に乗っていただいたゲストの方々には、ご自身の旅のお話をしていただいているんですけど。
今日はどちらへ行かれたお話を聞かせていただけますでしょうか?」

椎名「思い出深いところはトルコのイスタンブールですね」

干場「いつ頃行かれたんでしょうか?」

椎名「30年くらい前ですね。なまず釣りに凝っていて」

干場「椎名さんと言えば、『イスタンブールでなまず釣り。』という本を出されていますよね」

椎名「その通りの本を出したんですけど(笑)。
アマゾンにしょっちゅう行っている仲のいい探検家に誘われて『椎名さん、3メートルの大なまずがいるんだよ』と言われて」

干場「3メートルですか!」

椎名「すぐに郊外に流れている川に行って、なまずが捕れそうなところを調べて仕掛けて、仕掛けるのもニワトリ一匹がエサですからね」

干場「ケタ違いですね(笑)」

椎名「ちょうどいい場所にテントを張って、2本の竿で、夜行性なので夜かかるんですよ」

干場「投げっぱなしですか?」

椎名「投げっぱなしで、それも糸じゃなくて細いワイヤーを使ってました」

干場「それだけ大きいからですね」

椎名「端っこを木に縛り付けて、安心して酒飲んで飯食って、寝たんですよ」

干場「それ、釣りなんですか(笑)」

椎名「夜中に寝てたんですけど周りがうるさくて。
“もう釣れたのか”と思ってね、テントから出たら僕の頭に銃が突きつけられていて」

干場「え!?なんでですか?」

椎名「寝ぼけてるからわからないじゃないですか、何人も人がいてテントを囲んでいるんですよ。
やがて分かってきたのが軍隊だったんですよ、『怪しい日本人がユーカリ林の中で何かやってるぞ』と通報が入ったらしいんですよ」

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干場「ええ〜!」

椎名「当時ヨーロッパは日本の赤軍があちこちでテロをやっている頃だったので、日本人と言うとすぐ警戒というね」

干場「間違えられちゃったんですね」

椎名「『我々はなまずを釣りに来ただけだ』と、その方が怪しいじゃないですか(笑)。
でも、すぐ釈放されましたけどね」

干場「一応捕まっちゃったんですか!」

椎名「その時の通訳がいい奴で。トルコ人だったんですけど、たぶん賄賂か何かを渡したんですよね」

干場「なるほど」

椎名「場所を変えて湖の方に入っていって、ボートがないので胸ぐらいまで入っていくんですよ。
そこにはヘビがいっぱいいて、見渡すと12、3匹が立ち泳ぎしてるんですよ」

干場「それ噛まれないんですか!?」

椎名「わからない、誰も噛まれなかったからね(笑)。気持ち悪いじゃないですか」

干場「気持ち悪いですよ!」

椎名「それも1時間もったかな、惨敗ですよ(笑)」

干場「すごいご経験をされてますね(笑)」

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「日本発着で海外の方が多く乗船されている船はありますでしょうか?」

くぼこまき:海外の方が多く乗船してるとなるとやっぱり外国の船ですね。
外国船籍の日本発着のクルーズはここ数年で増えているんですけど、今年度は欧米でも人気の高級ラグジュアリー船であるウインドスター「スター・レジェンド号」ですとか、フランス船籍の「ポナン・ロストラル」など8隻の外国船が日本発着クルーズを行います。

初めて日本発着を定期的に行ったのがプリンセスクルーズ社なんですけど、現在は「ダイヤモンドプリンセス」という船が就航中です。こちらは外国船なんですけど、日本で建造された船なんですね。
中には日本人には嬉しいと思うんですけど、「泉の湯」という名前の展望大浴場ですとか、お風呂に入れるんですね。海を見ながら足を伸ばせるのは嬉しいと思うんですけど。
和食のメニューも充実していますし、安心な点としては日本語が話せるスタッフが多く乗船しているので言葉の不自由さも少ないと思います。

私のおすすめのクルーズなんですけど「MSCスプレンディダ号」。MSCクルーズなんですけど初の日本発着クルーズが今年からスタートしています。
乗客、乗務員合わせて5000人近くが乗船できるすごく大きな客船なので、施設などもたくさんありますしとても楽しめる船だと思います。
お料理などもミシュランシェフが監修したレストランもありますし、ピザやジェラートも美味しかったりします。
8月はねぶた祭りに行くコースもありまして、横浜発着で気軽に楽しんでいただくクルーズになっています。