演出家と女優との関係性

大根仁(映像ディレクター)×ともさかりえ(女優)

2019

06.14

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ともさかさんが10代の頃からのお付き合いだというおふたり。最近では、大根さんが監督した映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」に、ともさかさんが出演されました。そんな、ともさかさんから見て、大根さんとはどんな演出家、監督なのでしょうか。

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ともさかさんが語る、大根さんの魅力



ともさか
私の中での印象では、大根さんはずっと変わらないですね。

大根
仕事はそんなしてないんですけど、ちょいちょいいろんなタイミングで会ってはいるんですよ。

ともさか
いろんなプライベートのこともご存知なので本当にお恥ずかしい限りなんですけど。こういう同じ業界で仕事をしていて、なかなか仕事以外のプライベートの時間も共有できる人はいないんですけど、大根さんは面白いと思えることとか、何か物を見てて意地悪に思う視点とかが、勝手に似てるんじゃないかとすごく近い人な気がしていて、勝手に私は心を開き、同士のように思ってるんですけど。でも基本、監督と役者という関係性が一つベースにあるので、その関係性を考えた時に、私は、基本、好きか嫌いかしかないから、本当に信頼できないと全く心を開けなくなっちゃうので。

大根
相手役とか演出家とか監督さんとか?

ともさか
そうそう。だから心が開けないと、自分でもびっくりするくらい、すごい下手な芝居しかできないとか。

大根
いまだに?

ともさか
いまだに。それが自分でも弱点だと思うんですけど、そういう中では対大根さんと考えた時には解放して、向かっていけるので、大根さんみたいな演出さんばかりだったらいいと思うけど(笑)。なかなかそうはいかないので。

大根
最初に会った時にもうダメってなっちゃうの?

ともさか
それもあります。撮影やら稽古など繰り返す中で、この人が選ぶ言葉が信用ならんとか、個人的によろしくないですけどね。そうすると、恐ろしいくらいにすーと閉じてしまうんですよ。

大根
ベテランとは思えない発言ですけどね。

ともさか
(笑)。でもわっとおきあげる気持ちみたいなものを頼りにずっとやってきたから、そういうものにすごく影響されちゃうんですよね、良くも悪くも。


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大根さんが語る、ともさかさんの魅力



大根
仕事柄いろんな女優さんと仕事しますけど、現場だけの人もいれば、プライベートでも会う人もいますけど、女優というのはほんとに不思議。男の俳優は仕事って感じがするんだけど、女優は仕事じゃないじゃない、そんなことない?

ともさか
どういうこと?

大根
職業としてカウントしていいのか?生き物という感じがする。

ともさか
どうなんでしょう。

大根
いろんなタイプの人がいるけど、この人いいなと思う女優さんは、たいていプライベートと役の境目がうまくつけられない人というか、カットとなってメイクを落としてもまだその役が残っているとか、男はあまりそう感じないんだけどね。りえちゃんもそのタイプじゃない?

ともさか
引きずるタイプ?

大根
そんなことないの?

ともさか
あんまり自分では自覚してないんですけど。傍から見たらそうなのかな。この春に「LIFE LIFE LIFE〜人生の3つのヴァージョン〜」という舞台をやっていたんですけど、その時の稽古中に大根さんに会った時に「ゴツゴツしてる」と言われて、

大根
その3週間ぐらい前に一緒に芝居を見に行った時は、りえちゃんが仕事と仕事の間で何もしていなかったからやわらかいイメージでいいなと思っていたけど、その次に会った時は、「LIFE LIFE LIFE」の稽古がはじまっていて、雰囲気が違うというか

ともさか
雰囲気がゴツゴツしているってすごい嫌じゃないですか(笑)。ちょっとショックで、そう感じさせるんだとびっくりしたんですけど。

大根
人格の40%くらいは、「LIFE LIFE LIFE」の役に侵食されているみたいな。

ともさか
そうなんでね。それを言われた時にけっこう衝撃でした。

大根
言われない?

ともさか
みんな言えないのかな?

大根
だって数々の恋愛も数々の結婚もしてきた・・

ともさか
やめて!でもそう思わせていたのかもしれない。触れられないみたいな、でも他の役者さんは、みんなどうしてるんだろうと思います。

大根
りえちゃん、器用じゃないところがいいじゃないですか。器用な女優さんはあんまり信用できないというか、撮っててもおもしろくない、不器用な人のほうが撮っていておもしろいからね。いいんじゃないですか、そのままで。

ともさか
稽古中は、ゴツゴツしがちですが 、すいません(笑)。


現在、「ともさか」さんがご出演する舞台『キネマと恋人』が、世田谷パブリックシアターで上演中です。ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが描くロマンティック・コメディ待望の再演!ぜひ、足を運んでみてください。

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